“おめでたい”モチーフが一堂に会する「瑞祥のかたち Inviting Fortune:Auspicious Symbols in Japanese Art」が、3月2日まで大手町『皇居三の丸尚蔵館』で開催中
皇室伝来の書跡・絵画・工芸品の中から、蓬莱山や霊峰・藤、松や鶴、亀、宝船に霊獣といった「おめでたい」モチーフが集合! 新たな年の幕開けにふさわしい縁起物の美を愛でる「瑞祥のかたち Inviting Fortune:Auspicious Symbols in Japanese Art」が、2025年3月2日(日)まで東京都千代田区の『皇居三の丸尚蔵館』で開催されている。
めでたいことの訪れを告げる、「瑞祥」の造形美にふれる
古くから、新しい年の到来への喜び、人生の節目に幸福を願う気持ちを託されてきたさまざまな造形。なかでも、古代中国では不老不死の仙人が住むと考えられた蓬莱山は、日本では吉祥図として描かれ、長寿を象徴する鶴と亀が添えられた島台などの縁起物としても表されてきた。
また、古代中国で尊ばれた伝説の鳥・鳳凰は、日本では古くより高貴さの象徴として絵画や工芸に取り込まれ、皇室ゆかりの品々に数多く登場している。空想上の霊獣、麒麟と唐獅子とともに、それら威厳のある凛とした姿には泰平の願いをこめて表現されてきた。「おめでたい」モチーフの数々が一堂に会し、新しい年を晴れやかな気持ちで迎える展覧会となっている。
伊藤若冲から横山大観まで、皇室ゆかりの名品が新しい年を華やかに彩る
伊藤若冲の『旭日鳳凰図』(前期展示)から横山大観の『日出処日本』まで、江戸時代から近代にかけて活躍した作家による日本美術の名品が、新年を彩る本展。
皇居東御苑内に位置する『皇居三の丸尚蔵館』は1989年、上皇陛下と香淳皇后により皇室に代々受け継がれた美術品が国に寄贈されたことを機に、その保存と研究、公開を目的として1993年11月に開館。各時代を代表する名品が多く含まれ、日本を中心とする東洋の美術工芸品のほか、幅広い時代、地域、分野の品々がみられることが特徴だ。
歴史と文化を感じながら、新年のひとときを贅沢な気持ちで過ごすことができそうだ。
開催概要
「瑞祥のかたち Inviting Fortune:Auspicious Symbols in Japanese Art」
開催期間:2025年1月4日(土)~3月2日(日)
※前期:1月4日(土)~2月2日(日)、後期:2月4日(火)~3月2日(日)
開催時間:9:30~17:00(入館は~16:30)
休館日:月(1月13日・2月24日は開館、翌火休)・2月23日(日・祝)
会場:皇居三の丸尚蔵館(東京都千代田区千代田1-8 皇居東御苑内)
アクセス:地下鉄大手町駅から徒歩5分
入場料:一般1000円、大学生500円、高校生以下および18歳未満、満70歳以上の方は無料
※障がい者手帳を持参で本人と付き添い1名無料。
【問い合わせ先】
ハローダイヤル☏050-5541-8600
公式HP https://pr-shozokan.nich.go.jp/2024inviting-fortune/
取材・文=前田真紀 画像提供=皇居三の丸尚蔵館
前田真紀
ライター
『散歩の達人』『JR時刻表』ほか雑誌・Webで旅・グルメ・イベントなどさまざまなテーマで取材・執筆。10年以上住んだ栃木県那須塩原界隈のおいしいものや作家さんなどを紹介するブログ「那須・塩原いいとこ、みっけ」を運営。美術に興味があり、美術評論家で東京藝術大学教授・布施英利氏の「布施アカデミア」受講4年目に突入。