イトーヨーカドー綱島店 最終日、惜別の声多数 42年間の感謝述べ閉店
綱島のシンボルとして42年間地域住民らの生活を支えてきたイトーヨーカドー綱島店が閉店した。営業最終日となった8月18日、店前の広場は、閉店の瞬間に立ち会おうと駆け付けた客らであふれかえり、そこかしこから惜別の声があがった。
同店はかつて温泉旅館街として栄えた綱島商店街周辺に、マンションや大型商業施設が建設され街の活気が増してきた1982年に開店した。地下1階、地上4階の5フロア構成で、医療機関や飲食店、衣料店などのテナントが入居。地域の人たちの生活を支え、バブル景気やその崩壊、新型コロナウイルス禍など幾多の出来事を経た42年の歴史に幕を閉じた。
午後7時過ぎ、店前の広場は閉店の瞬間に立ち会おうと駆けつけた客らであふれかえった。閉店後に行われたセレモニーでは、同店の鈴木豊店長が「閉店はじくじたる思い。申し訳ありません」とあいさつ=下写真。店や地域交流などの思い出を振り返るとともに、長年店を支えてくれた地域の人たちや従業員に感謝を述べた。シャッターが下り始めると、居合わせた来店客などから「ありがとう」「お疲れさま」といった声があがり、割れんばかりの拍手が起きた。中には泣いているような人の姿もあった。綱島西在住の夫婦は、「妻が学生の頃にレコード店でアルバイトをしていた」と思い出を話し、「結婚後もずっと買い物や、目的がなくても来店していたので閉店は寂しい」と明かした。