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【四条烏丸】京町家で紙漉き体験!和紙の魅力を味わえる『紙TO和』のワークショップ

デジスタイル京都

はじめまして!紙モノが大好きなライター、伊賀です。

京都には唐紙という独自の紙文化があるほか、多くの紙専門店や印刷会社があります。そのため活版印刷や手製本など、オリジナリティのある作品づくりができるワークショップも数多く開催されているんですよ。

そこで「紙と印刷で巡る京都」と題し、京都で体験できる紙や印刷にまつわるワークショップをレポートしていきます。

第1回目は、『紙TO和(かみとわ)』の「紙漉き体験」をレポートします!

京町家で紙漉き体験ができる、和紙体験工房

『紙TO和(かみとわ)』は2019年にオープンした和紙体験工房。1932年(昭和7年)に大阪で紙の卸業として創業した株式会社庫内が、和紙を身近に感じてもらいたいという思いで始めたお店です。

阪急・烏丸駅から歩くこと約10分。京町家をリノベーションした趣のある店舗が見えてきます。この建物、もともとは着物屋さんだったのだそう。

引き戸を開けると、お店を営む林さんご夫婦がにこやかに出迎えてくれます。町家の風情を残したこぢんまりとした店内に入ると、お家に招かれたようなあたたかさを感じました。

まず目を引くのが、棚にずらりと並んだ友禅和紙の御朱印帳と和綴じノートたちです。

友禅和紙とは、型を使い伝統的な和柄を染め重ねた和紙のこと。職人により1枚ずつ手染めされている華やかな友禅和紙は、京都の和紙染工会社から仕入れているそう。

祇園祭の後祭には目の前に八幡山が建つので、御朱印帳を求めて訪れる方も多いのだそう。さまざまな柄の中から、お気に入りの1冊を見つけるのも楽しそうですね。

「和紙を身近に感じてもらいたい」という願いから

今回はそんな『紙TO和』で「紙漉き体験」のワークショップをさせてもらいます!

このワークショップは創業者の孫である妻・美和子さんが、デジタル化が進み紙に触れる機会が減っていくなか「このままでは紙の文化が衰退してしまう。何か新しい形で紙の魅力を届けられないだろうか」という思いからスタートさせたもの。

「ワークショップを始めるにあたって、夫婦で全国の紙の産地を巡りました」と、美和子さん。越前、徳島、高知、東京、伊勢…。それぞれの土地で紙づくりの文化に触れながら、和紙への理解を深めていきました。帰ってからは約1年間、社員と一緒に紙漉きの練習を重ねたそう。

本格的な設備を整えつつ、誰でも気軽に紙漉きを体験できるよう設計されたワークショップは、ご夫婦の和紙への愛が形になったものなのです。

いざ、紙漉き体験!

紙漉き体験では「ハガキ4枚」「ランプシェード」「テーブルマット」のいずれかを作ることができます。私はハガキを選びました。

所要時間は約1時間、参加料金は3,500円。追加料金を支払うことで「タペストリー」「行燈(追加所要時間15分)」「御朱印帳(追加所要時間40分・要事前予約)」を作ることも可能です。

まずは和紙について教えていただきました

和紙の原料となるのは「楮(こうぞ)」という植物。皮を蒸して剥ぎ、乾かし、さらに3時間ほど煮てから洗い、叩いて繊維をほぐします。

楮(こうぞ)の皮と、それを煮て洗い繊維をほぐしたもの

そこに水と、ネリという粘り気のある液体を加え、ようやく準備が整います。想像以上に手間ひまのかかった工程に驚きました。

楮(こうぞ)の木。桶内には楮に水とネリを加えたものが入っています

桶の原料を溜めて使う「溜め漉き(ためすき)」という技法で紙を漉いていきますよ。

体験の流れ

(1)受付と説明

まず、体験の全体の流れについて説明を受けます。全体の流れを把握しておくことで、完成までのイメージがしやすくなります。

(2)和紙の原料から紙を漉く

「漉き枠(すきわく)」と呼ばれる木枠を水面に対してまっすぐ差し入れ、手前にカーブを描くように引いて垂直にすくい上げ、縦と横に揺らし原料を均等に広げます。

2回目に下ろすとき筋が入ってしまいましたが、修正できるので大丈夫。夫の弘之さんもやさしくサポートしてくれます。

(3)押し花と金粉で飾りつけ

漉いた紙の上に、押し花を自由に飾りつけていきます。

押し花は障がい者施設から仕入れたものや、林さんご夫婦の自宅で育てた草花もあるそうで、どれも丁寧に手間暇をかけて作られたものばかり。

色とりどりの草花を選びながら飾る時間は、童心にかえるようなひとときで心が安らぎました。

飾りつけが終わったら、筆を使って金粉でアクセントをつけます。

最後に典具帖紙(てんぐちょうし)という薄い紙をかぶせ、刷毛で中心から外側へ向かって撫でて空気を抜いていきます。

(4)脱水

不織布を被せ脱水機へ。なんとこの脱水機、弘之さんのお手製なのだとか!

(5)乾燥

板状の乾燥機に和紙を貼り付け乾燥させます。この乾燥機は特注で作ってもらったものなのだそう。

(6)水切り

乾いた和紙を折り、その部分に筆で水を引き、4等分にカットしていきます。水で引いた線に沿って紙が裂けていき、自然な感じの切り口に。

(7)完成!

かわいらしく仕上がりました!できあがったハガキは、どれも1点ものです。

美和子さんによると、紙漉き体験には「安らぐ」といった感想が寄せられるそう。私も実際に体験してみて、紙を漉く時間が、日常から少し離れられる穏やかなひとときになりました。

さっそくハガキサイズの額に入れ、部屋に飾りました!和紙ならではのあたたかみのある風合いが、部屋の雰囲気をやわらかくしてくれますし、体験のことを思い出してほっこりします。

失われつつある文化に触れられる、安らぎの体験

京町家のあたたかな空間で、本格的な紙漉きを約1時間で体験できる。それが『紙TO和』の紙漉き体験の大きな魅力です。

「デジタル化が進み、紙は“実用”から“芸術”のものになっていっています。けれどもどんな形でもいいから、和紙の文化が未来へと伝わっていってくれたら」そう語る美和子さんのまなざしがとても印象的でした。

林さんご夫婦の和紙愛と優しい人柄も魅力の紙漉き体験。概要をおさらいすると、所要時間は約1時間、参加料金は3,500円で「ハガキ4枚」「ランプシェード」「テーブルマット」のいずれかを作ることができますよ。

追加料金を支払うことで「タペストリー」「行燈(追加所要時間15分)」「御朱印帳(追加所要時間40分・要事前予約)」を作ることも可能。

気になった方はぜひ下記ページからご予約くださいね。

https://www.jalan.net/kankou/spt_guide000000204449/?afCd=&rootCd=&asbPlanIdErrFlg=1

写真:はつお(https://www.instagram.com/hatuo/)

■スポット情報
店舗名:紙TO和
住所:京都市中京区新町通六角上る三条町345番地
電話番号:075-756-4723
営業時間:月・火・金・土曜日10:30 〜 17:00(予約優先制)
日曜日不定休

交通:阪急京都線 烏丸駅 徒歩9分

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