人気グルメ「沼津バーガー」運営会社が破産 負債14億8000万円 地元観光にも波紋広がる
■沼津市の「フーディアム・インターナショナル」 破産開始決定
オリジナリティあふれるメニューで話題を集めた「沼津バーガー」などを運営していた沼津市の「フーディアム・インターナショナル」が、東京地裁から破産開始決定を受けた。11月7日に東京商工リサーチが発表し、負債総額は約14億8000万円に上るという。
SNS上でも驚きと落胆の声広がる 「沼津バーガー」突然の閉店
フーディアム・インターナショナルは、静岡県内を中心に居酒屋「串特急」の直営店9店舗を展開していたほか、フランチャイズ事業も手がけていた。運営していた飲食店の中には、沼津港エリアで観光客にも人気のハンバーガー店「沼津バーガー」も入っている。
沼津バーガーは、深海魚を使ったオリジナルメニューが特徴で、看板商品「深海魚バーガー」には白身魚のメギスを使用。「金目鯛バーガー」や「サメバーガー」など、他では味わえないユニークな商品構成で知られていた。
店舗は観光施設「港八十三番地」内にあり、地元住民だけでなく観光客にも親しまれていた。また、沼津市を舞台にしたアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」とのコラボレーションでも注目を集め、店内にはキャラクターのグッズ展示やファンによるイラストが並ぶなど、“聖地”の一つとしてアニメファンにも愛されていた。
■沼津バーガーは突然の閉店発表 驚く声や惜しむ声
しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響でフーディアム・インターナショナルの経営環境は悪化した。東京商工リサーチによると、2020年3月期には売上高約13億円を計上していたが、2022年3月期には約3億4300万円に減少。休業や時短営業が続き、雇用調整助成金などを活用して事業を継続したが、採算改善が進まず、不採算店舗の撤退などを行っても回復には至らなかったという。
沼津バーガーは11月6日夜、突然の閉店を発表した。公式Xで「沼津バーガーを好きになってくださり、ありがとうございました。スタッフ一同、感謝してもしきれない思いです」と投稿し、約13年7カ月の営業に幕を下ろした。
前日まで通常通りSNSを更新していたこともあり、閉店に驚く声や惜しむ声がSNS上にあふれた。
静岡県内では「串特急」や「伊酒家ダイニング 海人」など、地域密着型の飲食チェーンを展開してきたフーディアム・インターナショナルの経営破綻は、地元外食業界にも衝撃を与えている。沼津港エリアの店舗関係者からは「観光の顔だった店がなくなってしまい、影響が心配される」、「突然のことで驚いている。アニメファンや観光客を中心に賑わっていた印象だった」との声も聞かれる。
(SHIZUOKA Life編集部)