「柔軟剤」を多用した“タオル”からグレーの汚水→「香害に注意!」「強烈な香りが…」
洗濯研究家の平島利恵です。柔軟剤を使っているのに「香りがしない」と感じたことはありませんか? もしかすると、感じられないのはあなただけかもしれません。嗅覚は、慣れると鈍化してしまうのです。
柔軟剤の香りがしない理由
1. 嗅覚の慣れ
同じ香りを嗅いでいると、嗅覚は次第にその香りに慣れ、香りの感じ方が弱くなります。これを「嗅覚順応」と呼びます。「もっと香りを感じたい」と柔軟剤を多く使うと、周囲の人に強烈な香りが届き、「香害」の原因になることも。
2. 汚れごとコーティングしている
洗い・すすぎ不足で、汚れが落ちきっていない衣類に柔軟剤を使うと、汚れごと繊維をコーティングしてしまいます。その結果、雑菌が繁殖し、濡れた身体を拭くと「もわっとした生乾き臭」が発生します。
3.洗濯槽の汚れ
洗ったばかりなのに服が臭う場合は、洗濯槽が黒カビで汚れ、衣類に雑菌が繁殖していている可能性があります。
柔軟剤を多用したタオルを洗ってみると……。
スタッフの、「体を拭くと臭うタオル」をつけ置き洗いをしました。
柔軟剤と消臭ビーズを多用していたため、つけ置きした水からは強烈な香りが……! 柔軟剤で何度もコーティングされたタオルは、1度のつけ置き洗いでは香りと蓄積汚れを落とし切れないほどでした。
柔軟剤を正しく使うポイント
1. 適量を守る
柔軟剤は本来、香りづけではなく、衣類を柔らかく仕上げるために使用します。規定量以上を使うと、衣類の吸水性が落ち、洗濯槽にも汚れが蓄積します。
2. 衣類を清潔に洗う
柔軟剤は汚れをしっかり落とした清潔な衣類に使いましょう。洗濯機へは詰め込まず、洗濯槽の容量の7~8割以下に抑えてください。すすぎは必ず2回以上行うのが基本です。
3. タオルには使わない
柔軟剤は繊維をコーティングするため、吸水性を低下させます。タオル以外にも、エアリズムなどの速乾素材やスポーツウェアへの使用も避けましょう。
柔軟剤は正しく使い、快適な洗濯を
柔軟剤は衣類を柔らかく仕上げるための仕上げ剤です。使用時は適量を守り、衣類や洗濯槽を清潔に保つことが大切です。香りが苦手な方は、無香料や微香料を選ぶのがおすすめです。
正しい使い方で、自分も周りも心地よい洗濯をしましょう!
平島利恵/洗濯研究家