【レシピあり】「電子レンジのプロ」が教える、電子レンジ料理のポイント3つ!
ほりえさわこさんは、料理研究家一家の三代目。おばあさまの泰子さんが、日本の電子レンジ黎明期からレンジのレシピ開発をしていたこともあり、自然とレンジの「得意ワザ」に精通するように。「ラタトゥイユは、もううちではレンジでしかつくらないかな」とさわこさんが言うように、ほりえ家では、数十年以上もレンジでつくりつづけている料理がたくさんあるそう。
※『NHK「きょうの料理ビギナーズ」ブック ハツ江おばあちゃんの電子レンジでラクラクごはん』より、本記事用に一部を編集して転載
レンジ料理って、失敗が心配……
そんなあなたに、電子レンジのプロ、ほりえさんが「ここさえ押さえれば安心!」のポイントを3つ教えます。
1.材料は、きちんと量って!
電子レンジの調理時間は、食材の重さに比例します。そのため、レンジにかける前に食材の重さをきちんと量っておくことが大切。計量さえしておけば、ビギナーでも失敗なくおいしい料理がつくれます。家庭で使うなら、1g単位で2~3㎏まで量ることができるデジタルスケールがおすすめです。
2.ラップのかけ方に注目!
ラップは食材などの水分を閉じ込めて効率よく温め、しっとり仕上げてくれますが、水分をとばしたい料理ではラップをしないことも。例外もありますが、「焼く」「炒める」に相当するときはラップなし、「蒸す」「煮る」「ゆでる」に相当するときはラップをするとよいでしょう。ピッチリとラップをしてレンジにかけると、中の気圧が高まってラップが破裂したり、ラップが貼りついて食材がつぶれたりすることも。ふんわりかけてくださいね。
3.使えない器、便利な器があるんです!
一般に、カットガラスの器、漆器、木製の器、アルミ箔、金や銀などの金属および金属製の部分がある器、竹製品、非耐熱ガラスの容器、色絵のついた器、耐熱温度が140℃未満の樹脂製容器などはレンジNGなので気を付けて。レンジ料理には、耐熱皿や耐熱ボウルを使うのがおすすめ。2人分の調理では、耐熱皿は直径17~20cm、耐熱ボウルは直径18~20cm、直径10~13cmの大小2タイプあると便利です。
この3つさえ守って、しっかりレシピを読めば、レンジ料理に失敗はなし。
レンジにかけている間は、手が離れてラク、洗い物も減ってラク。ぜひ、「おいしくて、ラク~!」を実感してみてください。
さっそく「ラタトゥイユ」をつくってみましょう!
パパッとできるラタトゥイユ。電子レンジなら短時間で柔らかくなり、しっかり煮込んだような野菜のおいしさが味わえます。
ハツ江メモ
水分を加えなくても、煮込みができます
電子レンジは、マイクロ波という電波が食材に含まれる水分を振動させ、その摩擦によって生じる熱で温めます。野菜には水分がたくさん含まれるので、水やだし、スープなどを加えなくても、煮込んだように柔らかくなります。ラタトゥイユではオリーブ油を加えるので、まるで炒めてから煮込んだような味わいです。
材料(2人分)
かぼちゃ…150g
たまねぎ…(小)1/2コ(80g)
ピーマン…2コ(60g)
にんにく(つぶす)…1かけ分
トマト…1コ(150g)
◎オリーブ油/塩/こしょう
[1人分160kcal 調理時間15分]
1トマト以外の野菜を切る
かぼちゃは種とワタを取ってよく洗い、皮付きのまま一口大に切る。たまねぎは一口大のくし形に切ってバラバラにする。ピーマンはヘタと種を取り、一口大に切る。
2トマトを切る
トマトはヘタをくりぬいて除き、横半分に切る。
3耐熱ボウルに入れる
耐熱ボウルに1の野菜とにんにくを入れ、オリーブ油大さじ1をかけ(写真上)、塩小さじ½、こしょう少々をふって軽く混ぜる。トマトを切り口を下にしてのせる(写真下)。
4電子レンジにかける
ふんわりラップで、電子レンジ(600W)に約7分間かける。
5仕上げる
レンジから取り出してラップを外し、トマトの皮を菜箸でつまんで取り除く。トマトを粗くほぐしてから、全体を軽く混ぜる。
トマトをかぶせるのがポイントよ。
皮を取るのもお忘れなく。
監修
ほりえさわこ
料理研究家。祖母、母と続く料理研究家一家の三代目で、祖母が電子レンジ普及に携わっていたことから、幼少期よりレンジ料理を身近に感じて育つ。
■『NHK「きょうの料理ビギナーズ」ブック ハツ江おばあちゃんの電子レンジでラクラクごはん』より
■撮影・原ヒデトシ/スタイリング・肱岡香子/イラスト・伊神彰宏