日大生物資源科学部 骨博、登録博物館に 県内大学では初
日本大学生物資源科学部(亀井野1866)内にある「骨の博物館」が先ごろ、県教育委員会から「登録博物館」に指定された。県内の大学博物館では初、市内では昨年9月の新江ノ島水族館に続き、2件目の登録となった。
登録博物館は、歴史や芸術、民俗、産業、自然科学などに関するさまざまな資料を収集、保管、展示することにより、利用者の教養向上や調査研究などに資するために必要な要件を備えた施設。
「骨の多様性と進化」をテーマとした同館では、キリンやトラといった哺乳類から魚やカエル、昆虫の骨格標本、はく製など約400点が展示されている。
同館の前身となる施設は旧博物館法に基づき、1990年に「博物館相当施設」として指定。2022年に博物館法が改正され、それまで登録の主だった地方公共団体や財団法人、宗教法人のほか、学校法人やNPO法人も登録可能となった。
そこで同館は県教委に申請を行い、登録に至った。県の担当者は「審査基準に基づき、職員の体制や営業日、一般市民に向けた学習機会の提供などを見て登録した」という。同館学芸員の田中雅宏さんは「やってきたことを評価してもらえた」と喜びを露わにする。
卒業生の協力で収集
1階は陸・空・海に分け、動物たちの骨格標本やはく製を展示。2階は家畜と伴侶動物、3階は昆虫のほか、稲の標本などもある。
展示されている標本の多くは、全国の動物園や水族館で獣医師として活躍する同学部の卒業生が、園で亡くなった動物の遺体を大学に寄贈することで作られたもの。新江ノ島水族館の人気者だった「みなぞう」(ミナミゾウアザラシ)の骨格標本と頭部のはく製もある。
田中さんは「地域の人に向けたイベントや、どのような展示をしているか、データベースの作製にも力を入れたい」と今後の抱負を語った。