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2025年1月17日(金)から全国の映画館で公開されたガンダムシリーズ劇場公開作品『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』。みなさんはもうご覧になられたでしょうか？

『機動戦士ガンダム』にまつわる事柄も登場することで話題となっており、その話題に乗って過去の作品に触れる方も増えてきているように感じます。しかし、ここでハードルとなってしまうのが、専門用語の多さです。

宇宙世紀、地球連邦、ジオン公国、ミノフスキー粒子、モビルスーツ、ニュータイプ……。なんとなく作品理解はできるけど、「その用語ってどういう意味？」と聞かれると、なかなか答えづらかったりしますよね。

そこで本連載では、『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』を視聴する際に役に立つかもしれないガンダム用語を簡単に解説していきます。詳しく書けばとてつもない物量になってしまいますので、できるだけ簡潔に、そして作品の面白さにつながるように心がけてまとめていこうかと思っています。

今回のキーワードは「宇宙世紀」。全てのシリーズ作品の原点である『機動戦士ガンダム』で扱われる「宇宙世紀」とは一体何なのか。簡単にご紹介しましょう！

宇宙世紀（ユニバーサル・センチュリー）とは？

『機動戦士ガンダム』冒頭の永井一郎さんによるナレーションでも説明されている、人類が増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになった時代のこと。例えば『機動戦士ガンダム』なら宇宙世紀0079年を舞台としており、年号の読み方は「うちゅうせいき“ダブルオーセブンティナイン”」となります。

宇宙移民が進んではいても、地球に残っている人たちも少なからず存在していることがミソ。地球に残れる人たちはいわば特権階級で、宇宙移民者たちはそうではない人たち（例外はあり）。このことなどから、地球に居続けている人たち（アースノイド）と宇宙に移住した人たち（スペースノイド）との根深い対立があるのです。

作品を知らない方も良く耳にするふたつの勢力として、“地球連邦”と "ジオン公国”があるかと思います。地球連邦が主にアースノイド側でジオン公国がスペースノイド側ではあるのですが、あくまで連邦とジオンの戦争であることも特徴。

　
連邦に反感を持つスペースノイドはいますが、中立を標榜するサイド6があるようにスペースノイドの全てがジオンに協力しているとは言えない状況があります。

また、『機動戦士ガンダム』以前の部分は『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』や『機動戦士ガンダムUC』の一部シーンで描かれていたりします。興味のある方はご覧になってみてください。

　
　
そんな宇宙世紀の作品群では、アースノイドとスペースノイド双方の主義主張がぶつかり合い、どちらが正しいとは簡単には判断できないような争いが様々な作品で描かれていきます。映像化されたもの以外にも漫画や小説、ゲーム作品などもあるのですが、次のページでは映像化されている作品群を一部紹介したいと思います。
　

映像化されている作品群

【TVシリーズ】
・『機動戦士ガンダム』
・『機動戦士Zガンダム』
・『機動戦士ガンダムZZ』
・『機動戦士Vガンダム』

【劇場作品】
・『機動戦士ガンダム』（※『II 哀・戦士編』『III めぐりあい宇宙編』を含む三部作）
・『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』
・『機動戦士ガンダムF91』
・『機動戦士Ζガンダム A New Translation』（※『星を継ぐ者』『恋人たち』『星の鼓動は愛』の三部作）
・『機動戦士ガンダムNT』
・『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』（※三部作で現在一作目が公開済み）

【OVA】
・『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』
・『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』（※『ジオンの残光』含む）
・『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』（※『ミラーズ・リポート』含む）
・『機動戦士ガンダム MS IGLOO』（※『1年戦争秘録』『黙示録0079』『IGLOO2 重力戦線』含む）
・『機動戦士ガンダムUC』（※TVシリーズ『RE:0096』含む　OVAではあるものの劇場展開がなされた）
・『機動戦士ガンダム Twilight AXIS』（※『赤き残影』含む）
・『機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム』

【別枠】
・『∀ガンダム』（※劇場版含む）
・『Gのレコンギスタ』（※劇場版含む）
・『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』（※『前夜 赤い彗星』『ククルス・ドアンの島』含む）
・『機動戦士ガンダム サンダーボルト』(※『DECEMBER SKY』『BANDIT FLOWER』含む)
・『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』（※『-Beginning-』含む）

別枠に入れた作品群についての詳細は今回は省きますが、他にもガンダムシリーズには宇宙世紀を舞台としない作品群（※オルタナティブ作品やオルタナティブシリーズと呼ばれています）も存在しており、30周年を迎えた『機動武闘伝Gガンダム』や昨年（2024年）に劇場版『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』が大ヒットを記録した『機動戦士ガンダムSEED』シリーズ、新たなファンをシリーズに呼び込んだ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』などが該当します。

これらの作品もそれぞれファンを得てシリーズの間口を広げていますが、宇宙世紀を舞台とした作品群は新たに制作されたものについても、シリーズ45年もの歴史を紡ぐに至った『機動戦士ガンダム』と同一の世界観になります。（※パラレル的な作品とされる『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』『機動戦士ガンダム サンダーボルト』などは例外）

そして、同じように宇宙世紀を舞台とした作品が既にいくつも存在していることから、新たな映像作品が宇宙世紀の世界観で制作されるとしても「まだ描かれていない年代」か「既にある作品を補足する作品」のどちらか、もしくはこのふたつの要素を内包した作品になると考えられているところがあったように思います。

　
そこにやってきたのが、今回大きな話題を呼んでいる『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』。宇宙世紀のifを描いていることは既に明かされていますが、あの内容は初見で実際に鑑賞したシリーズファンが「こんなアイディアもありなのか!?」と驚くのも無理はないことでしょう。宇宙世紀という世界観の可能性を、さらに大きく広げたと言っても過言ではないかもしれません。

とりあえず宇宙世紀のことが知りたいならゾルタン様に頼ろう！

YouTubeで公開中の動画「ゾルタン様の3分でわかる宇宙世紀！」は『機動戦士ガンダム』から『機動戦士ガンダムUC』までの流れをたったの3分で追いかけられるのでおススメです。

こちらは宇宙世紀0097年を描いた『機動戦士ガンダムNT』の上映時に公開された動画で、梅原裕一郎さん演じるゾルタン・アッカネンが面白おかしく宇宙世紀やガンダムでよく聞くワードのニュータイプについて短い時間で語ってくれています。この動画は本当に良くできていて、『機動戦士ガンダムNT』までの流れを追うだけなら充分です。

「ガンダムのことを話し出すと早口になっちゃうおじさんたち」みたいなメタ的な発言もあるものの、これくらいのテンションで素早く語ってくれるとすんなり見られるのではないでしょうか。連邦とジオンの関係性や辿った争いの歴史も語られているので、これで宇宙世紀の基礎をおさえてしまいましょう。

この動画でゾルタンというキャラクターが気になった方は、ぜひ登場作品である『機動戦士ガンダムNT』もチェックしてみてください。非常に魅力的なキャラクターで本編での活躍や背景、過去を知ると心に残ること間違いなしです。