【相模原市】相模原駅北口地区 市が土地利用計画を策定 年内に国に提出へ
JR相模原駅北口の相模総合補給廠一部返還地(相模原駅北口地区)をめぐり、相模原市は8月29日、パブリックコメントなどの結果を踏まえて策定した土地利用計画を公表した。業務系用途に重点を置いた骨子の内容に加え、今後の整備の進め方などが示された。計画は年内に土地を所有する国に提出される見通し。
同地区は、相模原駅北側に広がる米軍相模総合補給廠約214ヘクタールの一部で、2014年9月に国に返還された約17ヘクタールのうち、道路・鉄道用地を除いた約15ヘクタール。用地は国の所有となる。
市は今年5月に業務系用途に重点を置いた土地利用計画骨子を公表。7〜8月に実施したパブリックコメントでは125人から270件の意見が寄せられた。
アリーナを例示
土地利用計画では、計画骨子に基づき業務系の用途に重点を置いた土地利用の方針、まちづくりのコンセプトが明確化された。パブリックコメントで寄せられた意見を踏まえ、交流にぎわい機能の例として示されていた「地域ホール」について「ホール(アリーナ含む)」と表現が変更された。一方、78件の意見があったスタジアム整備については、民設民営での実現が難しいとして含まれなかった。
まちづくりのコンセプトは「グリーン×ライフ×イノベーションシティ」。「業務開発共創」「商業」「居住生活」「交流ハブ」「交流にぎわい」の5つの機能を配置、複合化することでまちのにぎわいや交流の創出を図る。整備においては民間活力を最大限活用するほか、地区全体でゼロカーボン(二酸化炭素排出量実質ゼロ)を目標とする「脱炭素型まちづくり」をめざす。基盤整備が完成するまでの将来像を見据え、段階的なまちづくりを検討する。
市は現在、年内の計画提出に向けて調整しており、今後計画に沿った土地の処分及び土地利用が図られるよう、必要な基盤整備と並行して用途地域、地区計画などを含む都市計画決定に向けて、国を含めた関係機関との協議を進めていくとしている。期間は土地処分まで5〜8年程度、その後の基盤整備に10〜20年程度を見込んでいる。
同地区の土地利用をめぐって市は、20年にまちづくりコンセプト、22年に導入機能を定めた土地利用方針を策定。同年7月に学識経験者や公募市民、民間事業者ら11人で構成する検討会議を立ち上げ、導入機能の考え方や規模・配置の方向性について検討を進めてきた。
24年には民間提案募集を実施。相模原市をホームタウンとするスポーツチーム4者によるスタジアム整備を含む提案などが提出されたが、市は「民設民営の条件に合致する提案がなかった」としていた。