フランス印象派モネの絵画のような花屋「ロゼット」に行ってみた 店内はまるで森の中?【北九州市小倉北区】
この秋、筆者は花束をもらいました。
それは、これまでに見たことのないアンティークな花々が織りなす、上品で温かみのあるアレンジメントとラッピングの一束。
その魅力的な花屋「rosette(ロゼット)」は、北九州モノレール・旦過駅より徒歩6分ほどのところにあります。実際にお店を訪ねてみました。
店内はまるで“モネの庭”のような空間
rosetteの入口は、別世界のような雰囲気を感じさせる佇まいです。店内に一歩足を踏み入れると、そこは森の中。まるでフランスのジベルニーの庭で、モネの絵画の世界に入り込んだ気分になります。
窓から差す光の角度で、花々が落ち着いた色に変化して見えます。そして、花の種類や色が多彩で、どこから見ても絵画のようで色彩のセンスを感じます。
ディスプレイは全体的に輝度を少し落とした照明で、アンティークな雰囲気。花々のそばには、1点物の骨董の花瓶(販売品)や本物の鹿や鴨のはく製(非売品)がディスプレイされています。
さまざまな高さで自然の花畑のように花が並び、どの花も香りや色や雰囲気を間近に体感できる距離感があります。花は「アンティーク×ボルドー×モカブラウン」を主体に落ち着きのある大人の色調とグラデーションです。
また、花束にはアンティークピンクの大輪のローズや深いボルドーのスプレーバラ、モカブラウンのシンビジウムやグリーンからモーブベージュに変化するトルコキキョウ、チョコレート色のリューカデンドロンなどのクラシカルな色合いの物や、色とりどりの多くの種類の花がありました。
オーナーの花への想い 「日常生活にちょっとしたご褒美を」
オーナーの北尾美香さんに話を聞いてみました。
北尾さんは若い頃から、フランスの文化や映画が好きだったそうです。そして、気取ってないけどスタイリッシュなフランスの生活を経験しようと、日本の花屋で修業を積んだ後に渡仏。
パリの南部の市場で、1年半修業を重ねて帰国をし、2006年に現在の店をオープンしています。
店名の「rosette」には、“日常生活にちょっとしたご褒美を”という意味が込められいるといいます。
また、“ロゼット咲き”という花の形は、花びらが中心から放射状に咲いていること。これは人が元気になる視覚的効果もあるそうで、そこからインスピレーションを得て店名を付けたそうです。
大切にしているのは「ご縁」と「鮮度・旬」
北尾さんは2つのことを大切にしているといいます。
1つ目は、人と人との繋がりや、関わる人との“ご縁”を大切にしていること。特に花の生産者との信頼関係を大事にしており、1年に1・2回は店のスタッフと一緒に産地視察を行っているそうです。
北尾さんは「花屋も生産者もスタッフもお客様も、みんなが花を中心に繋がっていて、巡り巡ってひとつの輪になるんです」と笑顔で語ります。
筆者も“人と花がつながって生まれる輪のような関係”が、店名の「rosette」を象徴していると感じました。
2つ目は、花の鮮度と旬に特にこだわっていること。普段から、50~60種類の花を取り扱っており、季節の旬の花が一番綺麗なので、その旬の新鮮な花を届けることを大切にしているそうです。
小倉に息づくフランスのアールヌーボー
北尾さんに店作りのルーツを聞いてみました。北尾さん自身は門司出身で、実家が海外と取引のある船舶関係の仕事をしていたそうです。
はく製や海外のビンテージの物が常に生活の中にある環境で育ったこともあり、店内には花の他にも北尾さんセレクトの洗練されたきたビンテージの花瓶や小物がたくさんあります。
筆者は、これらを見て「ひとつひとつのアイテムが、どんな旅をしてここに来たのだろう」と想像をかきたてられました。
また、海外での生活を経験した北尾さんは「世界のどこに行ってもやりたいことは決まっています。生まれた土地へ帰ってこようと思いました」と話します。
店のある小倉北区の下町の風景に惹かれ、パリでも好んで下町での修行経験を選んだそうで、「歴史を感じる場所、芸術・文化・雰囲気を感じる街並みが好きで、店も年月をかけて形を作っていく事に魅力を感じます」と小倉の地を選んだ理由を語りました。
北尾さんの地元愛が、大好きな美しい花々に日々愛情と情熱を注いでいます。
フロリストセレクトの完全予約制ブーケ
花束の作成は、ギフトも自宅用もフロリストセレクトの完全予約制。けれど、店舗で好みの花を選んで購入することもできます。ラッピング代(350円)はかかりますが、予約なしでも大丈夫です。
完全予約制のブーケは、自然なフォルムのシャンペトルブーケは予算に応じて作成可能。
また、まるいフォルム・バードネストブーケのクラシカルスタイルブーケ(ミニミニ18cm/2500円~Ⅼ 35㎝/5500円)、フラワーアレンジメント(ミニ18cm/2800円~LL 35㎝1万円)など予算に応じて作成してくれます。
他にも、ボックスフラワーロゼットオリジナル(S 16×16㎝/4000円、M 20×16㎝/6000円)などがあります。
花とアンティークが調和する空間
店舗の2階はフラワースクールやギャラリー、ワークショップとして今後展開されるそうです。
筆者は今回の取材を機に「日常にお花のある暮らし」を始めてみました。たった1本のお花が家にあるだけで、心が優しくなります。
詳細は「rosette」インスタグラムからみることができます。
<rosette>
■住所/SHOP・アトリエ:北九州市小倉北区中島1-4-8
■営業日/月~水曜日、金~日曜日
■営業時間/11:00~18:00(日曜日は17:00までの営業)
■店休日/木曜日
■駐車場/なし(近くにコインパーキングあり・1100円以上お買い上げでワンコインバック)
■TEL・FAX/093‐533‐1670
※価格は全て税別の表示です
※2025年11月23日時点の情報です
(ライター・tokimekiのiro)