日本マスターズ陸上で日本一 男子65歳~69歳クラス・1500メートルで東広島市高屋町の木村英徳さん
東広島市高屋町中島に住む木村英徳さん(65)が、10月に行われた「日本マスターズ陸上競技選手権」の男子65歳~69歳クラス・1500メートルで見事優勝を果たし、日本一の称号を手にした。
同クラスには、全国から14人がエントリー。木村さんは、スタート直後から飛び出す、先行逃げ切りのレースを展開。この作戦が奏功し、2位以下の選手に6秒近くの差を付けてゴール。タイムは5分00秒42で、これまでの県記録を約4秒更新した。
木村さんは、本来、集団の中で粘り、後半に勝負をかけるタイプ。ただ、今回は夏場に肉離れを起こした影響で、ラスト勝負に不安があり、序盤からハイペースで飛び出した、という。レース当日の朝、たまたまテレビで見たインターハイの自転車のロードレースで、スタートから独走して優勝した選手に刺激を受け、同じ戦法を選んだ。
陸上競技を始めたのは中学時代。高校は古豪の世羅に進み、全国高校駅伝に出場。日本三大駅伝の一つだった中国駅伝にも、高校の部と郡市の部で計4回出場した。その後、結婚などで一時競技を離れたが、45歳のときダイエット目的で再開。勤務するマツダで実業団チームの下部組織の同好会に入り、練習を重ねた。50歳からは監督を兼任しながら、走り続けてきた。
60歳でマツダを定年退職した後も、春から夏場のトラックシーズンで10キロ、秋から冬場のロードシーズンで15キロを走ることを日課にしている。400メートルからフルマラソンまで幅広い種目をこなし、月に1回の大会出場を目標にすることで、練習のモチベーションを維持している。
年間の大きな目標は、日本マスターズ陸上と、フルマラソンで好成績を残すこと。木村さんは「マスターズ陸上では、来年は、1500メートルと800メートルで2冠を達成したい」ときっぱり。フルマラソンでは60歳以降、4回挑戦して、うち3回は3時間を切る〝サブスリー〟を達成しており、「65歳クラスの日本記録(2時間57分12秒)を更新したい」と力を込める。
「体が動く限りは走り続けていたい」と願う木村さん。「走っていると、どんなに嫌なことも忘れられる。逆に走れないと、いらいらする(笑)。それだけ走ることが好きなんでしょうね」と、満面の笑みで締めくくった。(日川)
プレスネット編集部