多摩市 歯と口の健康に三者協定 ロッテ、歯科医会と推進
多摩市はこのほど、市民の歯と口の健康づくりを推進するため、株式会社ロッテと多摩歯科医会との三者で歯科口腔保健に関する協定を締結した。同社が行政や歯科医会と三者で協定を結ぶのは都内では初めて。三者は、口腔機能に関する正しい知識の普及啓発に努めていく。
協定締結式には阿部裕行市長の代理として須田雄次郎副市長、株式会社ロッテからは高崎誠司執行役員、多摩歯科医会の浅井英夫会長らが出席した。日ごろから市と歯科口腔保健に関する連携を行っている歯科医会と、長年むし歯予防や咀嚼の研究をしてきたロッテが持つ研究活動等の成果を活用して、市民への口腔保健に関する取り組みを連携して進める協定を結んだ。
具体的な施策として、歯と口に関する出張講座の実施、高齢者に対するオーラルフレイル予防など知識習得の促進、市民向け講演会、リーフレットの作成、災害時に避難所の被災者などに対するキシリトールガム等の製品提供、市内小売店やガム販売コーナーへのポップといった啓発物の掲出などを挙げている。
条例もとに推進
今回の協定は「多摩市みんなの笑顔が広がる歯と口の健康を推進する条例」の一環。市は同条例をもとにする取り組みを行い、市民の歯と口の健康を推進することで健康寿命の延伸、「健幸まちづくり」の推進につなげたいという意向がある。多摩市の取り組みを市内外に強くアピールすることができると考え条例作成にいたったという。
須田副市長は「歯の健康は全身の健康と密接に関係していることはエビデンス的にも明らかになっている。そのため歯は健康の一丁目一番地であり、健幸まちづくりを進める多摩市では、両者と連携することで、さまざまな課題解決に取り組みたい」と説明した。
ロッテの高崎執行役員は「当社は創業以来、チューインガム、キシリトールガムを販売し、むし歯予防に関する啓蒙活動に取り組んでいる。また、噛む力を測定できる咀嚼チェックガムを提供させていただく。多摩市とはこれらの製品を用いて協力させて頂くことと、災害発生時の健康維持、復興支援にも協力したい」などと話した。
多摩歯科医会の浅井会長は「私たちは多摩市民のために様々な医療を行っている。また、多摩市と連携して多くの事業を実施している。今回の三者協定により歯科口腔の健康に大変期待している」と語った。