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デビュー45周年!実力派シンガー・柏原芳恵にアイドル時代はあったのか?

Re:minder

1981年12月15日 柏原よしえのシングル「ハロー・グッバイ」発売日

14歳で「スター誕生!」からデビューした柏原芳恵


今年(2025年)デビュー45周年を迎えた柏原芳恵。1980年代を代表するアイドル歌手であるのは間違いないでしょう。ですが、当時数多くいたアイドル歌手の中で、柏原芳恵はどうもポジション付けが難しいんです。いや、1980年代をリアルに生き、ずっと応援し見守ってきた私にとって、芳恵ちゃんは紛れもなく、80年代10年間全ての期間、ずっと “アイドル歌手” でした。

しかし時が過ぎ、いま冷静に芳恵ちゃんを振り返ってみると複雑というか、果たして、あの頃の柏原芳恵はアイドルだったのだろうか? と深く考えてしまうのです。“アイドル” の定義は様々な意見あるでしょうが、80年代は基本 “若い歌手” でした。となると柏原芳恵は14歳で、それも『スター誕生!』からのデビュー。誰がどう見ても “アイドル歌手” です。6月デビューということもあって、すぐに水着になりグラビアを飾りテレビにも多数出演。ベタベタなアイドルとして活動し始めたのです。

それなのに何故ポジション付けが難しいのかというと、あっという間に大人の歌が似合う歌手に成長してしまったから。俗に言うアイドルポップスを明るく歌っていた時期はほんの数年。そう、その区切りの時期はデビューから2年後、芸名の “柏原よしえ” を本名の “柏原芳恵” に変えた17歳からではないでしょうか。17歳なんて、普通は一番 “アイドル” な年齢のはず(笑)。でも柏原芳恵はあり得ないほど大人びていたのです。

前置きが長くなりました。ここではデビューから1982年秋までの芸名 “柏原よしえ” 期をアイドル時代と捉え、その頃の魅力を語りたいと思います。

コルゲントローチCMソング「第二章・くちづけ」


まず、アイドルとしての魅力に溢れている柏原よしえの曲は3枚目のシングル「第二章・くちづけ」(1980年)でしょうか。本人出演の『コルゲンコーワトローチ』CMソング。イントロから「♪好き 好き 好き 好き 透きとおった時間の中で」といったキャッチーなメロディと歌詞。指の振り付けも可愛らしく、これぞまさにアイドルポップス。とはいえ、Bメロ「♪アアア…」 の部分では低音を響かせトロンとした表情で15歳とは思えぬ一面も。そう!よしえちゃんはアイドルらしからぬ “色気” があり過ぎた。そこもアイドル卒業が早かった一因かと。

4枚目のシングル「乙女心何色?」も、かなりの重要曲。作詞・作曲は近田春夫で、これでもか!ってくらいの正統派アイドルポップス。よしえちゃんは、みるみる垢抜けていき、アイドル雑誌『明星』(集英社)の表紙にもこの頃初抜擢。ある意味 “伸びしろある若きアイドル" としては絶頂期でしょう。B面の「チャンスは急に」もオススメ。好きな彼に会いたいがために遅刻ギリギリのバスに乗るというワクワクなアイドルポップス。ぜひ聴いて欲しい。

アイドル歌手・柏原よしえの真骨頂「ハロー・グッバイ」


ブレイクの兆しを見せたのはマイナー感満載な5枚目の「ガラスの夏」。今にして思えば、この曲が後々の “柏原芳恵の路線” を決定付けたと言えるかもしれません。続くシングル「めらんこりい白書」もアイドルポップスからは程遠い、暗い暗いバラード。アイドルからは遠のきますが、15歳でこの世界観を出せたのは評価しないわけにはいきません。歌がとにかく上手くなっていきました。

そしてこの後が… お待たせしました!やっと大ヒットとなった、7枚目のシングル「ハロー・グッバイ」。アイドル歌手・柏原よしえの真骨頂。元来、マイナー調の曲が似合うとはいえ。この曲で大ブレイクできて本当に良かったと今でも心から思います。そして大ヒットの後は(いい意味で)二匹目のどじょうを狙う作戦。アイドル歌手期のもうひとつの代表曲と言える「恋人たちのキャフェテラス」。カーリーヘアにもなり、アイドル満開のミニスカートで可愛らしく歌うよしえちゃん。誰もが彼女を “アイドル歌手” として見ていました。

さらにアイドル路線を強めた曲が9枚目のシングル「渚のシンデレラ」。アーティストパワーも完全に安定、ヒットはしたけれど…スタッフもファンもぶっちゃけ疑問だったのではと勝手に妄想します。“柏原よしえはこんな能天気路線の曲を歌わなきゃいけないのか?” と。そして、次に来たのが「あの場所から」。1973年に朝倉理恵が歌ったカバー曲ですが暗い。キャピキャピ系のアイドルポップスとは対極。しかも歌唱力がないと無理な曲。でも、弱冠16歳でよしえちゃんはやってくれました。哀愁と情感を身につけて、見事に歌いこなしたのです。

実力派若手歌手・柏原芳恵として飛躍


以降、柏原芳恵と改名し、谷村新司の「花梨」、中島みゆきの「春なのに」と、ニューミュージック系シンガーソングライターの大人びた楽曲を連続してリリース。アイドル歌手・柏原よしえを卒業して、実力派若手歌手・柏原芳恵として飛躍していくわけです。あっ!誤解しないでほしいのは、これ以降も世間は “アイドル歌手・柏原芳恵" でしたよ。何せ極端に若かったですからね、少なくとも20歳までは…。貫禄あり過ぎましたが。

そう、柏原芳恵の純粋なアイドル期は短かったですが、あの頃がなければ後の歌手としての展開はなかったはず。今年はデビュー45周年を記念した、初のオールタイム・ベストアルバムが発売される模様。あらためて芳恵ちゃんの曲を聴いてくれたら嬉しいです。

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