■年齢別相談件数と主な相談内容 個人情報流出に注意喚起 相談内容の実態を発表
南足柄市消費生活センターはこのほど、2023年度に同センターに寄せられた相談の実態を発表し、今回初めて年齢別の相談内容を分析した。年齢に関わらずネット関連の相談が多く、70代以上はフィッシングが目立つ結果となった。
南足柄市消費生活センターは、南足柄市、大井町、松田町、山北町、開成町、中井町の1市5町を対象に、消費生活相談を受け付けている。
23年度に寄せられた相談は542件(昨年比マイナス30件)。内訳は「苦情」が461件(同マイナス47件)、「問合せ」が81件(同プラス17件)だった。地域別でみると、人口1千人あたりの相談件数は、南足柄市が6・01人と最も多く、松田町、山北町、開成町、大井町、中井町と続いた。
年齢別の相談内容を見ると、全世代でインターネット関連の相談が多いが、若年世代は「副業・就業」、40歳・50歳世代は「通信販売」、60歳以上の高齢者世代は「フィッシング」や「カード不正利用」といった具合に、世代で内容に違いがあることも判明した。
70歳以上で多い「フィッシング」とは、実在する組織などを騙って、ユーザネーム、パスワード、アカウントID、キャッシュカードの暗証番号、クレジットカード番号といった個人情報を詐取するもの。同センターの相談員は「宅配や銀行などを装って、電話やメールで連絡してきて、言葉巧みに番号などを聞き出す。その手口も巧妙化してきている」と話す。
また、特に60歳代以上の高齢者を狙った屋根・家屋工事などの「点検商法」の相談も多かった。不安をあおって不必要な工事や法外な価格のリフォーム工事、商品交換等を契約させようとするもので昨年は特に給湯器で目立った。
18歳から20代の若者世代に多い「副業相談」は簡単に稼げる、儲かるなどのサイトを通じてのもの。40歳代と50歳代に多い「ネット通販」は「1回だけのお試し購入つもりで申し込んだが、定期購入になった」といった相談が多く見られた。
同相談員は「デジタル化やAIなどの技術が急速に進展し、それに伴うトラブルも増加しています。世代によって相談内容が違ってくることもわかり、結果を相談にも生かしたい」と話した。
契約・解約や販売方法、商品・サービスなど消費生活に関する相談は、同センター相談専用電話【電話】0465・71・0163。