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「チー牛」が話題なのでチーズ牛丼を食べる / 「はじめての牛丼屋さん」と、最近のインターネットに対して思うこと

ロケットニュース24

あんまり楽しい話題じゃないのだが……最近、「チー牛」なるネットスラングが流行っているっぽい。

発端はだいぶ昔のネット掲示板の投稿。いわゆる「陰キャ」な「オタク」のことを、「チーズ牛丼を頼んでいそう」と表現して揶揄したところから来ているとのこと。

で、何故か知らんが最近になって、SNS上でこの用語が「キモオタ」や「非モテ」の、特に男性への煽り文句として使われまくっているのだ。

……が、筆者にはどうもピンと来ない。

悪口であることは分かるので じんわり嫌な気分にはなるが、どうも体感として腑に落ちない。考えていたところ、何故こんなにピンと来ないのか分かった。

「チーズ牛丼」を知らないからだ。

というか実は筆者、チーズ牛丼はおろか牛丼屋の牛丼をほぼ食べない。松屋だってこの間の忘年会で初めて入った。よって、「チーズ牛丼を頼んでいそうな人」と言われても全くもってイメージが湧かない。

だから食べてみることにした。

・すき家の「三色チーズ牛丼」

世に牛丼屋は数あれど、資料(Wikipedia)を見るに「チー牛」の元ネタはすき家が1番近そう。

というわけですき家にやってきたものの……

普通にめっちゃ怖い。

勝手がわからなさすぎて「すき家 利用方法」で検索してしまった。とりあえず入店、着席。

注文はタッチパネル。

元ネタは「温玉トッピング」らしいが、筆者は温玉がちょっと苦手なのでパス。

これで注文できた……んだよな。

なんかちょっと挙動不審になってしまう。店員さんは「うわっチー牛やんアイツ」とか思ってないだろうか(※そんなことはない)

とか考える間もなく運ばれてきた。早すぎる。

さて、これが問題のチー牛。正式名称「とろ~り3種のチーズ牛丼」、650円。

……美味そうなんだが。このシズル感、今のところ悪口にされそうな要素は見当たらない。まあ、食べてみるとしよう。

・実食

え? 美味いやん。

牛丼が美味しいのは周知の事実だが、チーズにも合うとは知らなかった。ともすれば ちょっとぶっきらぼうな牛丼に、チーズが加わることでまったり優しくなっている。

感動的な美味しさ! とか、驚愕のマリアージュ! というほどではないが、牛丼ではない「こういう料理」を食べているようで楽しい

筆者は辛いものが苦手なのでやめておいたが、一緒についてきたタバスコも合うに違いない。

・美味しかったんですけど

うむ、美味しかった。このご時世に650円でこんな満足が味わえるとは。

しかし何故これが侮蔑語になるのかは やはり腑に落ちないままだ。

……なんかだんだん腹立ってきたな。なんでこんなに美味しいものが、オタクへの蔑称として使われにゃならんのか。オタクにもチーズ牛丼にも失礼だ。

……いや。

もっと言えば、世の中に「特定のグループの人を軽蔑するための言葉」なんて あっていいはずがないのだ。

人に対してネガティブな感情を抱くのは、これはもうしょうがない。人間だもの、そりが合う合わないはある。

100歩譲って、その人の悪口を言いたくなってしまう気持ちも、まだわかる。褒められたことではないけれど、そうしないと自分の心を保てない日もある。

が。

不満を言いたいならせめて自分の言葉で紡ごうぜ。安易なスラングで誤魔化さないでくれ。他人の言葉を隠れ蓑にして、悪口を言う自分の醜さから逃げないでくれ。

チー牛とか、オタクとか、男とか女とか老害とか、十把一絡げで雑に嘲笑するな。チー牛も豚丼もスタバも、誰かにとっての大好物! オタクだってギャルだって、誰かにとっては大事な人! ジャンルで括るな! 目の前の! 人を!! 見ろーーー!!!

・美味しいから胸張って食べようね

というわけで(!?)みんな、チー牛は美味いぞ! 筆者は好き! でも確かに高カロリーではありそうなのでサイドに野菜とか付けると良いと思う!!!

さて、筆者もめでたく牛丼屋初訪問を果たしたことだし、行ったことないチェーン店めぐりでも始めてみようかな。もう何も怖くなんてないぞ!

参考リンク:Wikipedia「チーズ牛丼(ネットスラング)」
執筆:砂付近
Photo:Rocketnews24.

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