ジャズ喫茶 「ちぐさ」の記憶つなぐ場に 関内にリスニングルーム誕生
現存する日本最古のジャズ喫茶「ちぐさ」の所有するLPレコードや音響機器を次世代につなげようと「ミュージッククロニクルYokohama」=中区常盤町2の10常盤不動産ビル2F=が2月にオープンした。レコードを聞きながら時間を過ごすジャズ喫茶型のリスニングルームで、リクエストもできる。
ジャズ喫茶ちぐさの建て替え工事は2023年5月から始まったが第1期工事終了後、建築資材の高騰や運用面などで土地所有者との交渉が難航。未だ再開のめどはたっていない。その間、ちぐさが所有する3千枚を超えるLPレコードや音響機器は野毛の地下倉庫に保管されていた。日本のジャズの歴史を伝える貴重な文化遺産だが、保存状態は良いとは言えず、一部劣化が見られたという。
こうした現状を憂い、レコードや音響機器を保護しようと有志7人で立ち上げたのが、ミュージッククロニクルYokohamaを運営する「ちぐさ保存会」。メンバーの一人、新村繭子さん(46)は「ジャズ喫茶ちぐさが正常に稼働できるまで、保管支援のため一時お預かりをしている形です」と話す。
後世に残すために
店内の棚には歴史を感じさせるレコード約3500枚を収納。ちぐさの歴史を物語るアンプなどの音響機器や店頭看板なども活用している。新村さんは「この機会に、歴史を伝える貴重な品々、文化・芸術の記録、街の景観などにも目を向け、データ化やリスト化などをすることで次世代に繋げていくことができれば」と話す。ミュージックチャージ500円+ワンドリンク制(セルフ)で、3月末まで営業は不定休。営業日時はホームページ【URL】https://mcy-yokohama.studio.site/で確認できる。また、イベントスペースとしての貸出も行っている。
そのほか、ジャズを通じた様々な企画や交流イベントも実施予定。「この場所以外でも、ちぐさのレコードを聞くイベントなどを積極的に行っていきたい」。(問)【メール】mcy.yokohama@gmail.com