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43歳、推し活でお金は減った。でも後悔はない。“推し”と過ごしたあの頃の私を誇りに思う

コクハク

(写真:iStock)

【アラフィフ独女のひとりごと】

(写真:iStock)

 アラフィフに差しかかる少し前、私はK-POPの“推し”と出会いました。これまでも長くオタ活を続けてきましたが、その出会いは、今までのどの推し活よりも、私の人生に鮮やかな彩りをもたらしてくれたのです。

 ライブ遠征に応援広告、サイン会の参加、そして推しの住む韓国への旅。ときには、お金も気力も限界だと感じる瞬間もありましたが、それでも「推しが喜んでくれるなら」と、ただひたすらに走り続けていました。

 今ではすっかりオタ活から離れた私ですが、あの頃の気持ちは今も胸の奥に息づいています。そんな日々を、少しだけ振り返ってみたいと思います。

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43歳で出会った推し。全力で駆け抜けたあの頃

 推しとの出会いは43歳のときでした。周囲には若いファンが多く、最初は年齢を気にして一歩引いていた部分もありました。でも気がつけば、心と行動力だけは誰にも負けないつもりで、すっかりオタ活の世界にのめり込んでいたのです。

 カムバックのたびに韓国へ渡り、年に4回ほど渡韓。応援広告やカフェイベントを企画し、推しの誕生日にはとにかく何かしたくて、自然とお金も時間も注ぎ込んでいました。

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さらに、韓国でのサイン会や日本でのリリースイベントに参加するための費用も加わり、「今回は無理かも」と何度も悩みながらも、結局足を運んでしまう自分がいました。

 それでも、「その一瞬のために生きていた」と思えるほど、あの時間はかけがえのないものでした。ありがたいことに推しに“認知”もされて、ほんの一言をかけてもらえただけで、「頑張ってきてよかった」と心から思えたのを今でもはっきり覚えています。

楽しいだけじゃない。人間関係とお金の悩み

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 華やかに見えるオタ活の裏には、心が擦り減るような場面も。

 特につらかったのは、同じ推しを応援するファンとの人間関係です。推しとの距離が縮まるにつれ、他のファンからの視線や言葉が、徐々に重たく感じられるようになっていきました。

 ちょっとした言葉に棘を感じたり、マウントを取られたり。大人の世界だと思っていたのに、まるで学生時代のような“仲間はずれ”の空気が流れることも…。この年齢になって、そんなことで悩むなんて、正直思いもしませんでした。

 そして、やはり現実的に大きな負担となっていたのは、お金の問題です。渡韓費用、応援広告やイベントの準備、サイン会への参加、日本での活動にかかるチケット代やグッズ購入……。気がつけば、毎月の出費は綱渡り状態。

 独身で自由になるお金があったからこそ続けられていたものの、「この生活をいつまで続けられるだろう」と不安になることもありました。

コロナ禍を機に“卒業”した今、思うこと

 そんな日々が突然変わったのは、コロナ禍の到来でした。

 渡航ができなくなり、イベントも次々と中止に。日常の中から推し活がすっぽり抜け落ちたことで、自然と気持ちも離れていきました。

 そして気がつけば、私は静かにオタ活をやめていたのです。

(写真:iStock)

 それでも、あの時間を後悔しているわけではありません。あれほど全力で誰かを応援した経験は、間違いなく人生の財産になりました。

 毎日にハリが生まれ、生活に目標ができ、推しに会いに行き笑顔をもらい、同じ推しを愛する仲間たちと感情を共有できた日々は、私を支えてくれる存在でした。

 今でもふとした瞬間に、あの頃の記憶がよみがえることがあります。

 推しのパフォーマンスで涙ぐんだライブ。初めてサインをもらった日の胸の高鳴り。SNSで深夜まで語り合った夜。そんな思い出の数々が、今も心の奥で静かに輝き続けています。

“推し”は「人生の潤い」だった

 オタ活をやめた今、改めて振り返ってみると、“推し”は私にとって「人生の潤い」だったのだと感じます。

 恋愛とはまた違うけれど、ときめきをくれて、日々を明るく照らしてくれる存在。応援できたこと自体が、私の中に大きな誇りとして残っています。

 アラフィフ独女だからこそ、あの頃のオタ活はただの趣味ではなく、人生に必要なエネルギーでした。

(mirae.(みれ)/ライター)

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