女性に多い「むずむず脚症候群」。予防や対処法について専門家に詳しく聞きました
睡眠不足の要因にもなるレストレスレッグス症候群
じっと座っている時や寝ている時に脚がなんとなく落ち着かいないという人もいるのでは。この症状を「むずむず脚症候群」「レストレスレッグス症候群」と言います。睡眠不足や疲労の要因にもなるこの症状についてSBSアナウンサー松下晴輝がAll Aboutの医師/睡眠ガイド・坪田聡さんに話を聞きました。
<目次>
1.女性は男性の約1.5倍の割合で発症
2.何が原因でむずむずするの?
3.気になって眠れない時の対処法は
1.女性は男性の約1.5倍の割合で発症
松下:「むずむず脚症候群」という名前を初めて聞きましたが、どういう症状ですか。
坪田:主な症状は、脚が「むずむずする」「ぴりぴりする」「虫が這っている感じ」などの不快感と、それを解消するために脚を動かしたくなる強い衝動です。これらは夜間や安静時に特に悪化し、脚を動かすと症状が軽くなります。
松下:男女どちらがなりやすいですか?また、なりやすい年代など傾向はあるのでしょうか。
坪田:女性の方がかかりやすい傾向があり、男性の約1.5倍の割合で発症すると言われています。年齢は40歳以降に発症する人が多く、年を重ねるごとに患者数が増える傾向があります。そして60〜70代でピークを迎えます。
松下:名前に脚と付いていますが、脚以外にもそういった症状は起こるのでしょうか。
坪田:軽症の人は脚が主ですが、重症になると手や胸、背中やお腹、顔にも症状が出ることがあります。
2.何が原因でむずむずするの?
松下:原因はどんなものが考えられますか。
坪田:ドーパミンという神経伝達物質の機能低下が主な原因と考えられています。そのひとつは鉄の欠乏です。妊娠がきっかけで起こることもあります。
松下:鉄分を摂ることが大事なんですね。予防法はありますか。
坪田:まずは鉄分を食事から十分に摂る、規則正しい生活をする、カフェインやアルコール、ニコチンを控えることで予防できます。
松下:ちなみにうちのIPPOスタッフもこの症状に悩まされています。「自分もそうかもしれない」と思う人はセルフチェックができますか。
坪田:夕方から夜にかけて、脚に変な感覚がある人は、この病気の可能性があります。そして家族にも同じ症状があるからこれが当たり前なのかなと考えている人は注意が必要です。十分な睡眠時間が取れているのに、日中の眠気が強い、疲労感が取れないという人もこの症候群の疑いがあります。
松下:規則正しい生活をすることで改善されるものでしょうか。
坪田:症状が軽くなることは多いと思います。
3.気になって眠れない時の対処法は
松下:病院は何科を受診したらいいですか。
坪田:まずはかかりつけ医や内科、婦人科など話しやすい先生に相談してみてください。そこで診断がつかなかったり、薬でよくならなかったら次に睡眠の専門医を受診したらいいと思います。
松下:脚のむずむずが気になって眠れない時はどうやって対処したらいいですか。
坪田:脚を動かしたり歩いたりすることで一時的にむずむず感は軽くなることが多いです。人によりますが、脚を冷やしたり温めたりすると楽になったり、ふくらはぎのマッサージも効果があると言われています。さらに日常生活全般では、鉄分を摂って規則正しい生活をして、ストレスを解消し、ぐっすり眠る環境をつくることが大事になります。
松下:「むずむず脚症候群」が出てるタイミングでふくらはぎをマッサージしても大丈夫ですか。
坪田:効果があるかどうかは人によりますが、大丈夫です。
松下:歩いたり、動かしたり、冷やしたり、温めたり、マッサージをしたり...。自分に合う改善方法を探してみるのが良さそうですね。
※12月13日にSBSラジオIPPOで放送したものを編集しています。
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免責事項今回お話をうかがったのは……坪田聡さん
医師、雨晴クリニック院長、生活情報サイト「オールアバウト」睡眠ガイド。医師として診療に当たりながら、「快眠で健康な生活を送ろう」というコンセプトのもと、予防にも重点を置き、睡眠の質を向上するための指導に努める。インターネットやテレビ、雑誌など多くのメディアで、睡眠に関する情報を発信している。