優勝候補、千葉ジェッツの司令塔・富樫勇樹の存在感!〈Bリーグスター選手ガイド①〉【バスケ】
Bリーグスターガイド① 富樫勇樹選手
今シーズン、開幕9年目を迎えたBリーグ。今夏行われたパリ五輪での日本代表の奮闘ぶりも記憶に新しく、現在では強豪チームの試合でチケット争奪戦が行われるなど、絶大な人気を誇っている。『ラブすぽ』では「今年からBリーグを見よう!」と考えている読者のために、「この選手は押さえておこう」という、Bリーグのスター選手を厳選してご紹介!
富樫勇樹
千葉ジェッツふなばし
背番号:2
NBA挑戦中の河村勇輝と並ぶ、日本バスケ界を代表するポイントガード・富樫勇樹。Bリーグが開幕した2016‐17シーズンから昨シーズンまで、8年連続でオールスターにも出場しており、31歳となった今もトップ・オブ・トップのパフォーマンスを維持し続ける“日本バスケ界の顔”だ。
幼少期からその才能は高く評価され、15歳以下の日本代表にも選出。中学卒業後は日本の高校には進学せず、アメリカに留学。高校を卒業後には帰国し、bjリーグの秋田ノーザンハピネッツに入団。デビュー戦となった2013年2月2日の富山グラウジーズ戦ではいきなり15得点11アシストの「ダブルダブル」を達成するなど、ルーキーイヤーから大活躍を見せ、同シーズンのリーグ新人賞を獲得する。
bjリーグで2シーズンプレーした後、2014‐15シーズンにNBA挑戦のため渡米。サマーリーグでのプレーを経てダラス・マーベリックスと契約。日本人がNBAチームと契約したのは田臥雄太(現宇都宮ブレックス)以来、日本人2人目の快挙だった。その後、惜しくもNBA公式戦出場はならず、2015‐16シーズンは千葉に入団。以降はチームの中心としてプレーを続けている。
身長167センチ――。日本人の平均身長より低い小柄な体躯ながら、爆発的なクイックネスと高いパスセンス、高確率で決めるアウトサイドシュートなど、ポイントガードとして必要な能力を高いレベルで兼ね備える。これまでにリーグアシスト王を2度獲得しているほか、昨シーズンはキャリアハイとなる1試合平均18.0得点をマークし、得点ランクでもリーグ8位、日本人3位を記録している。
3ポイントでは多くのリーグ記録を保持しており、2017年11月12日には1試合11本成功のリーグタイ記録、今年3月23日にはB1史上初となる通算3ポイント成功1000本を達成。もちろん、得点力の源はアウトサイドからのシュートだけでなく、鋭いドライブから身長の高い選手の頭上を越すように決める「フローター(※漫画スラムダンクで沢北栄治が桜木花道を相手に決めたシュートに近い)」も、富樫の代名詞のひとつだ。
富樫は千葉ジェッツのみならず、日本代表でも長年主力としてプレー。代表初選出はまだ10代だった2011年。ただ、代表キャリアとしての全盛期はむしろここ数年と言える。2021年には東京五輪に、2024年にはパリ五輪に2大会連続出場。チームのキャプテンとして、オンコート、オフコートともに代表を牽引し続けた。
同時に、Bリーグ史上初の「1億円プレイヤー」、第40回ベストジーニスト賞(特別賞)の受賞など、プレー以外の面でも「日本バスケの普及」に大きく貢献。実力だけでなく人気も国内随一。
さらに今季はチームメイトとして元NBAプレイヤーの渡邊雄太が加入。富樫&渡邉のゴールデンコンビも注目の的だ。Bリーグ創成期から日本バスケ界を牽引し続け、今なおハイパフォーマンスを見せ続ける富樫勇樹。今シーズンのプレーからも目が離せない。
文・花田雪