ゆるめるモ![インタビュー]生まれ変わり続ける私たち——新曲「不死鳥火焔太鼓」に込めたありのままの想い「ファンをその世界に浸すためになるべく一瞬たりとも気を抜かずに、自分たちもその世界に入り込んでやりたい」
ゆるめるモ!が、新曲「不死鳥火焔太鼓」のMVを公開し、先ごろ各サブスクリプションサービスでの配信も開始した。力強いビートが響く同曲は、まるで“不死鳥のごとく蘇る”ようなエネルギーを秘めた骨太のダンスミュージックに仕上がっている。
2024年より新体制となり、変化を恐れず、今のゆるめるモ!を届けるべく活動中の6人。過去から受け継がれたもの、そしてこれから築いていく未来——。6人が語る、新曲に込めた想いとこれからのビジョンとは?
インタビュー:ポラリスプロ
“死なないで”とか……命に関わる曲だと思っています
ーー新曲「不死鳥火炎太鼓」は、最初に聞いた時はどう思いましたか?
なに:
すごく気に入りました。メロディとリズムが超カッコよくて、“うわー、めっちゃいい!”って思いました。
まこと:
自分の知ってるゆるめるモ!の曲より全然速い感じがして、“早口言葉みたいで歌えるかな?”って思いました。
ねるん:
初めて聞いた時は、歌詞の内容というよりは曲調が“天国と地獄”のような印象を受けました。
へそ:
“なんじゃこの不思議な曲は?”と衝撃を受けて。今までの曲の中でも重めな感じなので、衝撃&驚きって感じでしたね。
めあり:
カッコいい!って思ったのと、自分が加入してから、こういうカッコいい系の曲を録ったことがなかったので、とても楽しみでした。
らき:
……“死なないで”とか……命に関わる曲だと思っています。かなり力強い感じの曲なので、歌い方が難しいです。……けど、レコーディングでいろいろ鍛えられたことがいっぱいあったので、ライブでも披露できると思います。
ーー今回のインタビューは、新曲のタイトル通り“不死鳥のごとく蘇る”をテーマにしたいのですが、まず初めにご自身の過去、もしくは現在のつらい体験について話せる範囲でお答えいただけますか?
らき:
…………全部です。
ねるん:
以前は、24時間が長すぎて、毎日時間が余りすぎちゃって。時間は人にあげることができないので、自分でそれを消費するのがつらかったです。
ーー哲学的ですね。時間は人にあげられない。
へそ:
わりと最近がつらい、重いっていう思いがあります。普段生活している時に、自分の“中の人”が死んじゃう……なんて言うか、いなくなっちゃう、消えちゃう時間が来る時があります。
めあり:
特定の、これがつらいっていうのがあまりなくて……あったとしても、あまりつらいことがないので、忘れちゃってるだけかもしれないです。例えばある時、心がワーッてなっても、つらいかどうか、そもそもつらいことがどういう状況かわからない時はあります。
ーーあとから考えると、あの時つらかったのかな、みたいな?
めあり:
それもわかってないんですよね。つらくて泣くとかあるじゃないですか? でも、涙が出てくる時も、なんで涙が出てくるのかがわからない。自分はいつもそうなので。
まこと:
1人がたまにつらい。でも、1人がいい。誰かといたいわけではないけど、1人が嫌。しゃべらなくていいから誰かと繋がっていたい感じです。
なに:
みんながつらそうなのが、私はつらいので……何かしてあげられることはないかなって思いますけど、人には人のつらい気持ちがあって、ちょっと緩和することはできるかもしれないけど、私がそれを取り除くことは難しいかなって思っているので、乗り越えられてはないですね。
ーーみんなというのは?
なに:
メンバーもそうですし、もちろんファンの方も。そういうお話をしに来てくれるファンの方もいますが、私がライブをしてお話を聞くことで、そのつらいことがすべてなくなるわけではないので、もうちょっと何かできないかなという感じです。模索……できているのかどうかわからないけど、どうにかしたいっていう気持ちは常にあります。
ーーみなさんは、そのつらい体験をどうやって乗り越えたのでしょうか?
ねるん:
私はゆるめるモ!になって、やることが一気に多くなって今は時間が足りないです。
ーー真逆になったわけですね。今度はもっと時間が欲しい?
ねるん:
めっちゃ欲しい。今まで(ゆるめるモ!の音楽を)聴く側だった時は時間がめっちゃあり余っていて、もともとゆるめるモ!になりたいって思いながら、24時間の過半数は捨ててたんですけど、聴かせる側、つまりゆるめるモ!になったら、すごく人生って短い!みたいに変わっちゃって……時間は欲しいですけど、時間があると1人で落ちる時間も増えるので、これでいいかなって思っています。
ーーへそさんはいかがですか?
へそ:
乗り越えられそうな感じはあります。ゆるめるモ!での時間やプライベートで人と話す時間で生かされるという感覚が増えると、自分がここにいるという実感が湧くから、乗り越えきれてはないんですけど、乗り越えられそう。
ーーらきさんは、どうやって乗り越えてきましたか?
らき:
……時間で解決しています。
すごく魅力的でカッコいいし、ノリやすいから、大合唱してほしい
ーー現在、悩みを抱えている人たちに向けて、「不死鳥火炎太鼓」をどう届けたいですか?
ねるん:
他人のつらい気持ちを変えられることもあるけど、結局は自分の問題じゃないですか。何を言われても、心に硬いものがあったら変わるのは難しいと思う。駄目だから自分が変わらなきゃいけないという考えになりやすいけど、そんなことはないと思うので、自分を変えるより今の自分自身でありながら、ゆるめるモ!の曲を聴いていい気持ちになればいいなって思っています。
ーーあるがままの自分を受け入れてもらいながら、ゆるめるモ!の楽曲が少しでも寄り添えられたらということですね。「不死鳥火炎太鼓」を引っ提げてのツアーも開催されます。まことさんは、先ほど“この曲は速い”とおっしゃってましたが、ライブでパフォーマンスできる自信はありますか?
まこと:
あります。ダンスがすごく魅力的でカッコいいし、ノリやすいから、よりパフォーマンスしたくなるし、大合唱してほしい。
なに:
ゆるめるモ!ってこういう世界観が強めのニュアンスの曲があるんですけど、「不死鳥火炎太鼓」は特にすごい世界観があるので、その世界感をその場に来てくれたお客さん全員がわかるようなライブをしたいなって思います。その世界に浸すために、なるべく一瞬たりとも気を抜かずに、自分たちもその世界に入り込んで、やりたいなって気持ちです。
ーーライブでは、ステージはもちろん特典会も大切な時間になりますが、ゆるめるモ!のファンの方は悩みを打ち明けるタイプの人が多いのでしょうか?
なに:
メンバーによって違う気がします。
ーーそれぞれファンの方の傾向はありますか?
なに:
私はXをよく見てるので、(Xの投稿を見て)つらそうって思っていた人が特典会に来てくれた時には“大丈夫なの?”って聞いたりします。私のファンの方は、こっちから聞かないとつらい気持ちを言わないんです。私がそこまで足を踏み込んでいいのかわからないですけど、勝手に踏み込んでいます(笑)。でも、私のファンは元気な方が多いです。心は元気じゃないのかもしれないけど、ライブ中はすごい元気で盛り上がってくれる人が多いです。
めあり:
私のファンの方の傾向は、実際に話す時は“特典会モード”みたいな感じでいつも通りの人が多い気がします。自分もファンの方のSNSを見ているから、この人も悩みや悲しいことがあるんだなってわかるんですけど、私の前ではそれを出さずに普段通り何でもないようにしゃべってくれる方がほとんどですね。それと“めありちゃん!”って、愛が強そうだったり押しが強い感じがします(笑)。全員ってわけではないですし、もちろんそれぞれ想いがありますけど、私のことを強く思ってくれてる。すごく嬉しいです。
ねるん:
私のファンは真ん中じゃないような人が多いような気がします。端というか……物理的な位置に表した時、立つような時に真ん中じゃない人が多い。でも、ふつふつと太く私を思ってくれる。あとは様子がおかしい(笑)。サンズイのオトコ(漢)みたいな人はいなくて、みんな性別を感じない、中性的な人が多いような気がしますね。
まこと:
私のファンの方は過去のつらかったことを話す人もいれば、元気な人もいます。でも、深い話をそんなに長くするわけでなくて、“今こうなんだよ”って話してくれたり、自分が一方的に話しちゃうこともある(笑)。あと、私のファンの方は私に影響されるんです。自分がイチゴが1番好きって言ったら、イチゴのものをすぐ見つけて報告してくれるとか、子どもみたいな可愛い感じの人が多いですね。
へそ:
へそファンは、ニコニコで朗らかなで温かい人が多いです(笑)。
今の魅力があるから、それを見つけてくれたり、気づいてもらえたら
ーーゆるめるモ!はグループとしてのキャリアが長いですが、現在のゆるめるモ!の魅力についてどう考えていますか?
めあり:
私は昔のゆるめるモ!を好きになったからこそ、今グループに入っているので、昔も好きだし今も好きで……。曲は一緒だけど、メンバーはまったく違うものだから、新しくないけど新たなものとして見てもらいたいです。
へそ:
グループは変化していかないとなくなってしまうと思うし、今こうやって新メンバーが入って、2025年のゆるめるモ!はこの6人で続いていて、メンバーや歌声は新しくなっているから……うん、そうだね、新しくないけど、新しいゆるめるモ!。SNSのコメントで私が見たのは、“食わず嫌いしてたけど、今のゆるめるモ!いいじゃん!”。もちろん昔めちゃくちゃ追ってたり好きだったら、“昔の方がいいよね”っていう気持ちもわかる。けど、今のゆるめるモ!もいいねって言ってもらいたい。ニューゆるめるモ!として見ていただきたい。もちろん中身も魅力がたくさん詰まっているので。
めあり:
昔ゆるめるモ!を追っていて、新しくなってからはまったく知らないという方も多いと思うんです。だけど、昔好きになった理由やきっかけが、今のゆるめるモ!になかったとしても、また見てもらえたら別のきっかけでイメージが変わると思う。もともとの自分の中に閉じこもっていたゆるめるモ!のイメージとはまた違う別のゆるめるモ!のイメージが新たに入ってきて、好きになってもらえたり、知ってもらえると思うので、今を見てもらえたらいいなって思っています。
ーー昨年5月に加入したまことさんとらきさんは、いかがでしょうか?
まこと:
人が変わったら、グループが変わるのは当たり前だし、変わらない方がすごいから……でも曲や伝えたいことは変わらないから、とりあえず聴いてほしいという気持ちです。
らき:
最近、昔現場に来てた人が来るようになってきて……嬉しい。“今のゆるめるモ!、いいじゃん”って言ってくれて嬉しいです。……メンバーも変わったりしてるけど、雰囲気もメンバーによって変わるから、新しいゆるめるモ!をもっと世に出せていけたらいいなと思います。
ーー現体制で在籍が長いねるんさんとなにさんは、いかがでしょうか?
ねるん:
昔のゆるめるモ!と今のゆるめるモ!の境……どこに線を引いてるのかわからないという気持ちがあって。8人も昔だし、6人も昔だし、4人も昔で、みんなが言う昔はどの昔か? そう思うのと、今って言ってるのもどこなのか? みんなが言う、昔の方が好きだったというのが、そのゆるめるモ!はいつのことを言ってるのかって思っちゃって……曲が好きだったとしても曲は同じだし、メンバーさんが好きだったら昔のゆるめるモ!のメンバーさんが好きだということになる。それは悪いことではないし、昔がよかったっていうのも、その時のメンバーさんが作ってくださっていたゆるめるモ!がすごく好きだからなので……。ゆるめるモ!の音楽が好きだったら、ライブパフォーマンスは違うけれど、曲は本当に同じなので……今を見てくれたら嬉しいですし、ありがたいけど、メンバーが変わって好き嫌いも変わるから、昔のファンの方に“今を見て!”とか、あまり強く言えないって思います。今まで在籍していたメンバーさんは1人ひとり違う人で魅力も違うから、その人たちの雰囲気が出ていたと思うんです。ゆるめるモ!は、“こういう方針でいきましょう”とか、キャラクター性とか無理に作られていない。それがよくも悪くもグループとしてまとまっていないことになっているけど、今やってる6人体制の魅力があるから、それを見つけてくれたり、気づいてもらえたらいいなと思います。
なに:
現状の私たちに正解はないんですけど、手探りで6人体制でやっていくことに対して……(まこととらきには)去年の5月に加入してもらったんですけど、(新メンバーの活動休止などがあって)実際6人で活動してる時間はまだ半年経ってないくらい。そんな6人で日々のライブをこなしているっていうこと自体が、魅力なのかなって思います。ゆるめるモ!の体制で1番長く活動していたのは6人か4人の時代だと思うのですが、その時もおそらくもがき続けて、あそこまでたどり着いているので、私たちも現状もがいて、探っている状態で、その今のゆるめるモ!を見てほしいですし、こういうふうになったんだねって追いかけてもらえたら嬉しいですね。
ゆるめるモ!ツアー2025<不死鳥火焔太鼓曼荼羅巡礼>
2025年3月9日(土) 千葉・柏ALIVE
2025年3月11日(火) 東京・八王子RIPS
2025年3月16日(日) 大阪・STARBOX
2025年3月20日(木・祝) 東京・高円寺HIGH
2025年3月22日(土) 福岡・LIVE THEATER ART's
2025年3月27日(木) 神奈川・関内BB.STREET
2025年3月29日(土) 愛知・今池GROW
2025年3月30日(日) 東京・下北沢シャングリラ