<温室育ち結婚>「子どもを産みたくない!」一方的に見える娘の思い。私、育て方間違えた?【まんが】
これといった反抗期もなかったユミ。高校生活も順調に過ぎ、大学進学を考える時期になりました。
ユミの送迎を大変だと思ったことは一度もありません。大切な娘を守ることができるならお迎えなんてお安い御用です。娘が明るくて優しく、気立てのよい子に育ってくれて、私も夫も心の底から嬉しく思っていました。 そして大学卒業後……。
いつかはこんなときが来るとは思っていたけれど、とうとうユミが……。どんなお相手を連れてくるのか、その日をドキドキしながら待っているところです。
タケノリさんは、とても優しそうで物腰柔らかな方だったので、私たちはとても安心しました。大事に育ててきたひとり娘が嫁いでいくのは寂しくもありましたが、それよりもユミが幸せになることが嬉しくて仕方がありませんでした。
久しぶりに会ったユミは顔色が悪く、とてもやつれていました。とりあえず家に入れ、くわしい話を聞くことに……。
あの優しそうなお義母さんが、そんな厳しい言葉をかけるなんて……よっぽどのことに違いありません。話を聞きながら、これまでユミを育ててきた20数年間が頭の中を駆け巡りました。ユミをこんな風に育ててしまったのは、私たち。今後のことはユミとしっかり話をしなければと思っています。
私は何から説明したらいいのか分からなくなっていました。すると……。
ユミに悲しい思いなんてさせたくなかったし、涙なんて見たくありませんでした。だからいつもそばにいて、危ないことを回避させてきたのです。……しかし本来、ユミがするべきたくさんの経験の機会を、私たち親が奪ってきたのかもしれません。その事実を突きつけられたとき、私はユミにかける言葉をなくしていました。
タケノリさんは言葉を選びながらも、ゆっくりと話をしてくれました。
ユミの気持ちを誰よりも尊重してくれているタケノリさんの言葉に、私は感謝の気持ちでいっぱいになりました。それはユミも同じだったようで、タケノリさんがしてくれているように自分も支えたいと、強く思えるようになったようでした。