湘南工科大附属高吹奏楽部 響け、10人の音色 2年ぶり2度目の全国大会出場
湘南工科大学附属高校吹奏楽部が11月10日(日)、都内で行われる「第30回日本管楽合奏コンテスト全国大会」に出場する。2022年以来2度目の大舞台を前に、部員たちは「目指すは最優秀グランプリ賞」と意気込んでいる。
先月、音源審査で行われた予選では、審査員4人のうち2人が全項目に満点をつける高評価を受け、全国への切符を手にした同部。部員数は全学年合わせて10人の少人数編成だが、中学まで運動部に所属していたり、担当楽器を変更したりするなど、高校から始めた初心者の部員も少なくない。技術面で実力を磨くため、基礎練習を何度も繰り返してきた。
今回演奏する楽曲は、童話『赤い蝋燭と人魚』をイメージして作られた『月に寄せる哀歌』。多数のソロパートをこなすスキルに加え、物語の展開に沿った曲調の表現が求められる難曲だ。部長を務める星野知也さん(3年・ホルン)は「前半のソロや掛け合いがちりばめられた楽しげな場面から一転し、最後には絶望感が漂う力強い演奏でまとまるのが聴きどころ」と話す。物語のイメージをつかむため、原作の絵本を制作し、場面の雰囲気を表現するためには、どんな音色を出すべきかなどを全員で話し合いながら一体感のある演奏に仕上げたという。
2年前に初出場した全国では、最優秀賞を受賞した同部。部員たちは「周りの協力でここまで来られた。お世話になった人への感謝を込め、自分たちにしか出せない湘工サウンドを響かせたい」と決意を語った。