「シダープランクサーモン」って?香りとジューシーさが絶品の本格アウトドア料理
アウトドアでのBBQやキャンプ。焼肉やホットドッグも美味しいですが、「今日はちょっと特別な魚料理を作りたい…」そんなときにおすすめなのが、「シダープランクサーモン(Cedar Plank Salmon)」です。
この料理は北米発祥のアウトドア料理で、シダーウッドの板の上にサーモンを載せて焼くというシンプルながら香り豊かな一皿。板から立ち上るスモーキーな香りがサーモンに移り、ふっくらジューシーに仕上がるため、食卓に出すと「おおっ!」と注目されること間違いなしです。
シダープランクサーモンは直火で焼くよりも失敗が少なく、香りと味を楽しみながら焼き上げることができます。今回は初心者でも失敗しないよう、下準備から焼き方、仕上げのコツまで詳しく解説します。
香り豊か!「シダープランクサーモン」とは?
シダープランクサーモンは手間もそこまでかからず、見た目もオシャレな料理ができます
「シダープランクサーモン」とは、北米では定番の調理法で、杉(シダー)の板にサーモンを載せ、炭火やグリルでじっくり焼き上げる料理です。シダーの木が香ばしく燻され、魚にほのかな木の香りが移り、家庭ではなかなか出せない「ワイルドで上品な味わい」が楽しめます。
準備する材料はこんな感じ
準備する材料は以下の通りです。食材はほぼ全て、一般のスーパーで購入可能です。また、注意点として、シダープランク(杉板)は必ず食品用のものを使用するようにしましょう。
【材料】(4~5人分)
・サーモンフィレ(皮付き・皮なしどちらでも可 厚み2~3cm) 600~800g
・シダープランク(食品用※) 1枚
・オリーブオイル 大さじ3
・塩 小さじ2
・ブラックペッパー 少々
・レモン 1個(スライス3~4枚、半分を使用して搾り汁に)
・ライム 1個(スライス3~4枚)
・ハーブ(ディルやローズマリー) 適量
・ピンクペッパー 適量
※杉板は必ず食品用のものを使用してください。DIY用の板は薬品処理されていることがあるため、食材に触れるのは危険です
今回使用したサーモンは業務スーパーで購入した冷凍サーモン(生食用)です。中まで熱が通っていなくても食用可能ですので気軽に調理ができます(写真左)。そのほかの材料は全て一般のスーパーで購入可能です(写真右)
シダープランク(杉板)は食品用のものをネットで購入しました。縦18cm×横43cmほどの大きさです
杉板とサーモンの下準備
杉板を水に浸す
まず、シダープランク(杉板)を30分~2時間ほど水に浸します。板を浸水させる理由は2つあります。
①板が焦げるのを防ぐ
②焼いている間に板から立ち上る香りがゆっくりサーモンに移る
水ではなく、白ワインやリンゴジュースで浸すと、香りに深みやフルーティーなアクセントが加わり、より特別感のある味に仕上がります。浸水時間は短過ぎると香りが弱く、長過ぎても板が柔らかくなってしまうため、1時間程度浸けておくのが適切です。
シダープランク(杉板)が入る容器を準備してください。今回はコメリで購入(写真左)。容器(トレー)に水を張り、杉板を漬けます(今回は1時間程度水に浸けています)杉板の上でサーモンの下味を付ける
サーモンには塩とブラックペッパーを振り下味を付け、オリーブオイルを塗っておきます。 さらにレモンスライスやハーブ(ディルやローズマリーなど)を上に載せると、焼き上がりの香りがぐっと引き立ちます。今回は皮なしのサーモンを使用していますが、皮付きのサーモンでも同様に調理ができます。皮の香ばしさも楽しめるのでおすすめです。
【ワンポイント!】
サーモンの脂が板の香りと混ざり合うことで、ふっくらジューシーに仕上がります。下味はシンプルで構いませんが、省略すると香りと旨味の効果が半減します。
レモンは半分に切り、半分はスライス、ライムも同様にスライスしておきます。プチトマトは水洗いし、ヘタをとっておきましょう(写真左)。サーモンは解凍後にレモン汁を振りかけ、塩、ブラックペッパーを振り、オリーブオイルをシリコン製の刷毛でまんべんなく伸ばして塗ってください(写真右)
サーモンの上にスライスしたレモン、ライム、プチトマト、ローズマリーを配置、ピンクペッパーを散らして下準備は完了です
BBQでの焼き方
炭の準備
炭をセットしてフタをして、グリル内を中火~弱火(150~200℃程度)で予熱します。強火で焼くと板が燃える危険があるため、火加減は必ず調整してください。
また、炭を両側に寄せて間接加熱にすると、板全体に熱がゆっくり回り、焦げにくくなります。フタがあるグリルの場合は、フタを閉めることで熱が均一に回り、板の上のサーモン全体に香りが行き渡り、ふっくら仕上がります。
今回はWeberのオリジナルケトルチャコールグリル(57cm)を使用しています(写真左)。炭(ブリケット)と着火剤(点火キューブ)はWeberのものを使用しています。ちなみに、点火キューブはヨーロッパ産のおがくずを100%使用しており、石油成分であるパラフィンや灯油を一切含んでいないのが特徴です(写真右)
着火材に火をつけ、炭(ブリケット)を入れたチムニースターターを乗せておけば、煙突効果により約30分もすれば炭に火がつきます。この間に食材などの準備もできますので、ひじょうにお手軽に火起こしができます(写真左)。グリルする際は、杉板は火のついた炭の上には直接置かないようにするため、炭は両側に配置(スプリットツーゾーン)にしてください(写真右)サーモンのセット
下味を付けたサーモンを板ごとグリルの網にセットします。炭を置いていない真ん中にシダープランクを配置してください。
火のついた炭の上にこないように、置き位置に注意焼き方の手順
①フタを閉めて15~20分焼きます
②板の端が香ばしくなり、煙と香りが立ってきたら食べごろです
③中心温度が50~52℃程度になると、サーモンはふっくらジューシーに仕上がります
竹串を刺して透明な肉汁が出れば完成です。 焦げ過ぎや焼き過ぎを防ぐために、途中で板の位置を調整したり、火力を弱めたりすると安心です。
焼き上げるためのコツ
焼き上げるためのポイントは、以下の4点です。
●板を水に浸すことを忘れない
●火力は中火~弱火でじっくり焼く
●焼き時間はサーモンの厚みに応じて調整
●フタを閉めて加熱するとふっくら仕上がる
フタ付きグリルを使うと、板全体に熱が回り香りも閉じ込められるため、初心者でも失敗しにくいでしょう。
成功の秘訣は…3点!
板とサーモンの選び方のポイント
そして最後に、成功の秘訣は以下の3点!
●板の材質と厚み
板は食品用のシダー(杉)ウッドで厚さ約0.5~1cmのものがおすすめ
●サーモンは生食可能なものを使用する
サーモンは生食可能なものを使用すれば、神経質に温度を気にせず楽に調理ができる
●炭の並べ方と火の当て方が肝心!
炭は均一に熱が回るように配置し、直接火が当たらない間接加熱がおすすめ
出来上がりの状態。間接焼きにしていることもあり杉板のダメージもあまりないため、数回の繰り返しの使用が可能です(写真左)。切り分けて、みなさんでふっくら焼きあがったサーモンを味わってみてください(写真右)
「シダープランクサーモン」は、香り・味・見た目の三拍子がそろったアウトドア料理です。杉板から立ち上る香りと、ふっくらジューシーなサーモンは、キャンプ場で仲間と囲むBBQに最適です。また、直火で焼くより失敗が少なく、香りと味を楽しみながら焼き上げられるため、初心者でも安心。次のアウトドアでは、今回ご紹介したシダープランクサーモンで食卓を華やかにして、仲間や家族を驚かせてみましょう。
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レポーター
プロフィール:O-chan
オートキャンプが大好きな九州在住の50代のオジサンです。おもに九州地方のキャンプ場へ、愛車を自由に転がしながらキャンプを楽しんでいます。グループやファミリーキャンプの際は、私が作った料理が美味しいと喜んでもらえるよう、日々キャンプ飯の勉強をしています。その分、ソロのときは手抜きしまくりですが(笑)。「手軽に本格的」がモットーで、これまでの経験で喜んでもらえたメニューの紹介や九州地方中心のおすすめのキャンプ場の紹介など、何か少しでもみなさんにオートキャンプでの楽しみを伝えることができればよいかな…と思ってます。
【肩書】
・日本オートキャンプ協会インストラクター