川﨑ブレイブサンダース一筋14年! 逆境のチームを救うポイントガード篠山竜青〈Bリーグスター選手ガイド⑬〉【バスケ】
Bリーグスターガイド⑭ 川真田紘也
開幕9シーズン目を迎えた国内プロバスケットボール・Bリーグ。今やその人気はプロ野球やJリーグといった“メジャースポーツ”にも引けを取らないレベルまで到達し、強豪クラブのチケットは入手困難になるほど。パリ五輪での日本代表の活躍、河村勇輝選手のNBA挑戦など、日本でも“バスケ熱”が高まっている中、『ラブすぽ』ではBリーグでプレーするスター選手をご紹介!
川真田紘也
長崎ヴェルカ
背番号:99
近年はフィジカルやパワーを兼ね備えた日本人選手も活躍するようになったBリーグですが、4~5番(パワーフォワード、センター)といったポジションは、依然として体格に勝る外国籍選手が任されることが多いのが現状です。そんな中、国内待望の「日本人ビッグマン」として頭角を現してきたのが204センチ、110キロという体躯を誇る川真田紘也選手です。天理大学在学中に特別指定選手として佐賀バルーナーズに加入すると、卒業後には滋賀レイクスターズに入団。
当初から日本人離れしたサイズとアグレッシブなプレーで将来を嘱望される存在でしたが、転機となったのが2022年、はじめて日本代表候補に選出されたことです。現在も代表ヘッドコーチを務めるトム・ホーバス氏のもと、バスケに対する取り組みやメンタル面を説かれると、そこから急成長。
2023年に行われたワールドカップでは日本代表に選出され、自力でのパリ五輪出場に大きく貢献しました。周囲からも「別人」と称されるほどの急成長ぶりに加え、赤く染めた髪色、さらにはフィジカルを活かしたリバウンドなどの泥臭いプレースタイルは、人気バスケ漫画『SLAM DUNK』の主人公・桜木花道を彷彿とさせ、明るいキャラクターと相まってファンからは『リアル花道』と呼ばれるなど、人気と知名度が一気に向上。
ワールドカップではプレータイムこそ短かったものの、練習から明るいキャラクターでチームを鼓舞。メディアへの取材も積極的に協力し、オフコートでも選手たちとコミュニケーションをとるなど、「潤滑油」的な役割も果たしました。また、パリ五輪前のテストマッチではチーム合流直後だった八村塁選手(ロサンゼルス・レイカーズ)にも積極的に絡み、雰囲気作りに貢献。
パリ五輪では惜しくも代表選出とはなりませんでしたが、リザーブケンバーとして代表に帯同し、たしかな経験を手に入れました。
そして、迎えた2024‐25シーズン。川真田選手は滋賀から大学時代に在籍した長崎へと移籍。クラブにはジャレル・ブラントリー選手、エージェー・エドゥ選手、スティーブ・ザック選手といった2メートル超えの外国籍選手がいることから決してプレータイムに恵まれてはいませんが、持ち前のパワフルかつアグレッシブなプレーで貢献を続け、オールスターにもファン投票での初選出を決めました。
今年11月のFIBAアジアカップ2025予選では再び日本代表に返り咲くなど、いまなお「成長」を止めない川真田選手。その進化が日本バスケ界、さらには4年後のパリ五輪を目指す日本代表にとって、大きな力になることは間違いないでしょう。
文・花田雪