港南・栄公示地価 全地点で上昇 宅地は駅徒歩圏内が高値
国土交通省はこのほど、2025年1月1日時点の公示地価を公表した。港南区、栄区では住宅地、商業地、工業地の68地点のうち調査地点が変更された2地点を除く66地点で地価が上昇した。両区の住宅地の最高価格は「大久保1丁目59番2」の41万円となった。
変動率は市平均を下回る
公示地価は全国に設定された土地の価格を示すもので、土地の取引価格や金融機関の担保評価などに活用される。港南区では住宅地33、商業地9の計42地点で調査が行われた。住宅地と商業地では対象地点の選定替えが行われた2地点を除く、全ての場所で価格が上昇。平均変動率は住宅地が2・8%で市平均と比較すると0・4ポイントのマイナスとなっている。商業地が4・4%で、こちらも市平均に比べて2・8ポイントのマイナス。住宅地と商業地のどちらも地価は上昇している一方で、変動率の市平均には及ばない結果となった。
大久保が最高値
港南区の住宅地1平方メートルあたりの平均価格は21万6800円。最高価格は上大岡駅の西側、大岡川からもほど近い「大久保1丁目59番2」の41万円だった。昨年に引き続き、両区の宅地最高値となった。次に港南郵便局のそばの「最戸1丁目206番1」で38万3000円。港南台駅から約200メートルの場所に位置する「港南台4丁目14番3」と続く。上位3地点は昨年と同じ順位。いずれも駅徒歩圏内のエリアで、交通の便が良い地点が上位を占めている。
再開発が影響か
港南区の全地点を変動率順で見ると、1位は商業地の「港南台4丁目1番3外」となった。ここは港南台駅の目の前にある地点で、11・5%の上昇。2位と3位は住宅地の価格順でも上位となった「最戸1丁目206番1」が9・4%、「大久保1丁目59番2」が8・8%の変動率となっている。2位と3位の地点に近いエリアでは、上大岡C北地区第一種市街地再開発事業が進められているのが変動率に影響を及ぼしたのではないかと推測できる。
市の変動率の平均は商業地が7・2%、住宅地が3・2%の上昇。区内上位3地点は市の平均を上回る結果となった。
大船・本郷台付近が上昇
栄区では住宅地23、商業地2、工業地1の26地点で調査を実施。全地点で地価が上昇した。住宅地の平均変動率は港南区と同様に2・8%の上昇。変動率が少ない順にみると2・3%の磯子区と金沢区、2・5%の青葉区、2・7%の戸塚区と緑区に次いで栄区と港南区が6位タイの順位。また、商業地の平均は3・7%、工業地は5・8%という数値だった。
栄区の住宅地の平均価格は18万2300円。最高価格は昨年も1位だった大船駅徒歩圏内の「笠間2丁目873番6」が34万7000円。2位と3位も昨年から変わらず、本郷台駅の南西、いたち川に近い「小菅ケ谷1丁目2057番32」が32万3000円。「笠間3丁目1270番3」が29万4000円と続く。栄区も港南区と同様に、駅から徒歩圏内のエリアが上位となった。
栄区の全地点を変動率順で見ると、1位は工業地の「金井町字大黒面360番1外」で5・8%の上昇。続いて、5・3%の住宅地「桂町字平島181番33」、次いで住宅地で2番目に高い「小菅ケ谷1丁目2057番32」が5・2%となっている。
両区の地価について港南台で不動産業を営む(株)リビングパートナーの本田輝男代表取締役は「都内や横浜駅にアクセスしやすいことから、駅周辺は需要があるので価格も上昇傾向にある」と分析している。