第57回「続・サステナブルな未来に挑むみなさんの声」
「私たちの未来は、私たちで作る!」
あなたの「困りごと」、「モヤモヤ」、「お悩み」、もしくは、「変えていきたい社会の課題」などを通して、みんなで一緒に「これから」を考えていく番組です。
4月22日のアースデイに合わせて、先日代々木公園で「アースデイ東京」が行われました。
前回の放送に引き続き、このイベントの中で伺った、サステナブルな未来に挑むみなさんのお声をご紹介します♪
自分で手作り T シャツを作っている「クラフトメリヤス」の計見と申します。
そうですね、国産ですね。国産というか、自家製的な、ひとりで、はい。
生地は、お手伝いしてくれる職人さんに直接お願いしてオリジナルで作ってもらって、それを自宅で洗い加工から、裁断、 そのあと、縫製は自分でやっています。ちなみに販売もひとりでしています。(そんな人います?)
Tシャツとかは、たぶん、いないと思います。
T シャツは、どちらかというと、大量生産で作る洋服の代名詞的なものなので、1点1点作るものではないんですけど。でも、T シャツって馴染みのある服なのでいいかなと。まだ、始めて 3 年ぐらいなんですが、できれば 10 年とか 15 年やりたいと思っていて。やれるかなっていうのは、 飽きずに自分もっていうのは不安ですけど、それだけですね。長く続けられるかなっていう。
「同じ T シャツを 15 年作っています、これを」って言えたらかっこいいなって。
小泉:すごく職人気質の方でしたね。
大石:こんなことできるんですね。すごくないですか?一人でTシャツ作ってるんですよ。
小泉:ね!「メリヤス」って、私の世代だと結構聞いた言葉なんですけど、伸縮性のある綿とかで作られた布で。昔の男性の肌着とかもこういうもので作られていたかもしれないですね。
大石:あー!お父さんのとかね。
小泉:男性に限らないかもしれないけど、赤ちゃんの肌着とか。
大石:優しいですもんね。今手元にありますけど…
小泉:すごく、ヘビーウェイトっていうんですか、厚みがあっていい色なんです。自然な。
大石:オーガニックなね。
小泉:それで、首元と肩をつなげるところにちょっとリブがあるんですよね。かわいくないですか?
大石:あ、本当だ。かわいい。
小泉:多分、伸びたりしないような工夫とかもされているのと、デザインもかわいいですよね。
上村:このTシャツ、一般的なTシャツのおよそ二倍の太さの糸を使用しているそうです。分厚い生地で、透ける心配もなく、繰り返し洗濯してもヘタらないというのがポイントです。そして、ほぼ全ての縫い目を二度重ね縫いしているので型崩れしにくいそうです。
小泉:二重に縫ってあります!
上村:本当だ!あと、Tシャツの生地をよく見ると小さな黒い点がありますよね。これらは、綿の茎や種、葉っぱなどが入っていると。それらを取り除くための漂白剤を使用していないため、生地の風合いを損ねずに自然な色合いとなっているそうです。
大石:なるほどね~。
小泉:いい、きなりの色で。欲しくなってきちゃいました。
上村:(スタジオに用意したのは白ですが)他にも、グレーもあって、長袖もあります。WEBでも売られています。
小泉:これ、Tシャツとかをお仕事着として使う人も結構いらっしゃるじゃないですか。我々の業界もそういう感じなんですけど、しょっちゅう洗濯する方とか、本当に、いい意味で元が取れるんじゃないかと思います。
大石:何回洗濯しても大丈夫。しっかりしてるし。
小泉:それこそ「これ、何年も着てるんですよ」って私たちも言える気がする。それもすごくサステナブルですよね。インスタグラムやオンラインストアもあるようなので。
上村:気になった方「クラフトメリヤス」で検索してみてください。
では、アースデイ東京で出会った未来を見据えて活動されている方の声、まだまだご紹介しましょう。
東京都の江東区の木場で、1917 年から創業している森製綿所の藤田と申します。
東京都内では唯一、すべてオーガニックな素材、 綿と生地を使ったお布団と座布団を作っている製綿所になります。お布団も、職人が、1枚1枚、手作りをしています。
オーガニックの素材ののもたくさんありますし、 素材も、ほんとにさまざまなものが世の中たくさんあると思うんですが、うちは、素材の原材料そのものもインドから直接取り寄せて、 最後の販売まで一貫して一社でやっています。どこで採れたものっていうのも全部、作り手が全部、顔がみえる、布団を作る最後まで顔が見えるっていうのが売りになるかなと思いますね。
お布団っていうと、いろんな種類がある中で、 綿っていうと日本だと伝統的なもの、古いっていうイメージがある。一方で、 お天気な日に干すと、ふんわりして、ほんとに、寝心地、気持ちいいんですね。日光の香りと暖かさを体で感じることができるのは綿の布団じゃなきゃできないと思うので、ぜひそれを体験していただけたらと思います。
小泉:綿の布団って、干す前には重みも出たりするんですよね。だからそういう、自然と共に生きている素材っていう感じがする。
大石:干すとふんわりするんですか?
小泉:はい、軽くなりますね。今は掛け布団とかだと羽毛とかを使うことが多いけど、オーガニックの綿とか、使ってみたい気がするな。私が子どもの頃は、綿の布団ばかりでしたので。
大石:街のお布団屋さんで売ってたんですよね。僕もそうでしたね。
小泉:それがオーガニックって、どんな感じなんだろう。味わってみたいきがする。
上村:寝具って、なかなか買い直すタイミングがないので。どれくらいの価格なんだろうな。
小泉:ね。
上村:森製綿所のようなオーダーメイドに対応する手作業の布団屋さんは、ヴィーガンに対応した寝具として、海外からの需要も高まっているんだそうです。布団、座布団をよく使う、寺社、演芸場、旅館からも信頼は厚いということなんですね。
小泉:たしかに。
上村:安価で効率的に量産できる機械製造が主流になってきた一方で、 機械では定型のものにしか対応できません。大きなものや希望に沿ったものを求めるには、貴重な存在だということです。
小泉:あと、ここは打ち直しもしてくれるんですって。昔のお布団とかを持って行って、綿を打ち直してくれる。
上村:その注文も多く集まっているんだそうです。
小泉:だって、嫁入り道具に持たされた、母の手作り…など思い入れのある布団を持っているとか。それを打ち直して綺麗にしてもらう。
大石:ほー。素敵ですね。
上村:そして打ち直しだけでなく、敷布団から座布団に変えるなどの仕立て直しも対応してくださるそうです。
大石:めっちゃいいじゃないですか!
上村:一生のものになりますね。
小泉:そうですね。
大石:お布団屋さんって減ってますもんね。ここに行けばあるんだ。
小泉:「街の寝具屋さん」みたいなものは、昔ほどは見ないですね。量販店みたいなところでなんでも買えちゃうから、軽くて、安くて、っていうところに行きますけど…
大石:木場にあるからね。行けるなら行ってみたい。顔が見える関係でね。
後半も「アースデイ東京」で出会った声
裸足で森を歩くツアー!
番組後半もサステナブルな未来に挑むみなさんのお声をご紹介します♪
一般社団法人ミチヅクリの金子潤と申します。私は、八ヶ岳山麓の清里で、「裸足で森を歩くツアー」をやっています。
もともと大学で研究をしていまして、足を保護するための中敷きを作っていたんですけど、裸足の方がいいんじゃないかと直感的に思いまして。これを実践する人を増やしていこうというので、今ツアーをやっているっていう状況ですね。
もっと、みんなが自分の足で歩く習慣を増やして欲しいんですよ。必ずしも絶対に裸足っていう前に、歩いてみると見えてくる景色っていうのがあるので。自分の足で歩いて、普段通り過ぎちゃうような、車とか自転車だと。
それをゆっくりと観察してみると、いろいろ環境が見えてくるから。そういった意味で、まず、歩く。
もう一歩進むなら、裸足感覚の靴で歩くともっとゆっくりになる。で、実際に裸足になると、もっともっと、ゆっくりになるので。ちょっとずつ、ちょっとずつ、視点を切り替えていくということを、やっていただけたらなと思うし、そういう流れを作りたいというのが今の課題といえば課題ですね。
とくに、いま、電子機器、スマートフォンとかで、ものすごい量の情報を受けているんですけど、ほとんど目と耳だけなんですよね。
でもゆっくり歩いていると、匂いが感じられたり、足裏の感触、裸足だったら特にですね、五感がどんどん活性化されていって。それはスピードが速いと感じられない部分なので、ちょっとゆっくりにするっていうのをやって頂けたら面白いんじゃないかなと思います。
小泉:なんか、裸足で森の中とかを歩いたら、枝とかが落ちていて痛くないのかな、って想像をしちゃいませんか?
大石:たしかに。
小泉:栗とか落ちてたらめっちゃ痛いですよね。
上村:(笑)
大石:トゲトゲしててね。笑
上村:避けて、ゆっくり歩くようになりますね。
小泉:そうだね。
上村:私、幼稚園が裸足保育でした。
小泉:いいねー!
大石:そんなところがあるんだ。
小泉:じゃあ、校庭というか、お遊戯場みたいなところも走ってたの?
上村:はい。行き帰りは靴と靴下を履いているんですけど、荷物を置いた瞬間からみんな靴も靴下もポイポイと脱いで裸足で駆け回ってました。
小泉:今も脱ぎたくなる衝動とかないですか?
上村:あ、結構家の中とかも裸足で。スリッパを履かずに。
小泉:私もそうだね。家の中は結構裸足が多いかも。で、仕事場とかでも裸足でいろいろなところを歩き出すとみんなに追いかけられる。
上村:(笑)
小泉:ドラマの現場とかでも、裸足のまま喋ってて、そのまま気になったところにバーっと行っちゃったりすると「今日子さん!サンダル!」って追いかけられたり。子ども状態。裸足でその辺を歩くのに違和感を感じない。
大石:結構、裸足歩きをやってらっしゃるんですね。
小泉:でも、意識しないとできないから。
上村:実際、外を裸足で歩けるかと言ったら難しいところもあるかもしれませんが、裸足感覚で履ける靴、いわゆるベアフットシューズが、いま、少しずつ、注目を集めているんだそうです。
ベアフットシューズの特徴は、一般的なスニーカーと比べて…靴底が非常に薄い、地面の感覚がダイレクトに足裏に伝わる設計、というものです。もともとはアメリカやヨーロッパでランナーやアウトドア愛好家の間で広まりました。近年では健康志向の高まりや、足の機能を見直そうという動きの中で評価されつつあります。日本国内でも、サステナブルなファッションの流れとも結びついて、取り入れる人がジワジワ増えています。
小泉:地下足袋的な?
大石:なんでしたっけ、あのドラマ…
小泉:『陸王』!地下足袋とかも、いいですよね。
大石:ちょっと新しくていいんじゃないですか?
小泉:普通の足袋でも、結構底が厚いので、森を全くの裸足で歩く前に、足袋はありなんじゃないかって思いました。
大石:まず最初にね。栗があるかもしれないから…
小泉:栗があるかもしれないから…
普通の足袋でも、親指と他の指が別れていたりするじゃないですか。感覚が掴みやすいような気がします。地下足袋だと、結構ちゃんとソールがついてるけど、普通の足袋の感覚ってまた違うから。それもいいかもな。
上村:金子さんのお話の中で「五感がどんどん活性化されていく」というお話もありましたが、このお話を聞いてNetflix の「オフラインラブ」(小泉さんがスタジオMCを務めたリアリティショー)を思い出しました。
小泉:ありがとうございます。ニースに男女5人ずつ行って、デジタルデバイスを持たない状態で恋が成就するのか、っていう。お手紙と約束だけでね。私、すごく好きで、参加して良かったなって思うんです。
大石:そうですか。
小泉:普段だったらLINEで誰かに聞いてもらっちゃう、すぐ「会いたい」って連絡しちゃう。それができないから、みんなちょっと自分と向き合う時間が普段よりたくさんあったようで。ある女の子とかは、いつも我慢強い子なんだと思うんだけど、一回泣いちゃったらその防波堤がなくなった感じで素直に涙が出るようになったりして。これって多分、デジタルデバイスを持ってないから、自分とちゃんと向き合えたんだな、っていう感想で。さえちゃん、観てくれたんだよね。
上村:はい!みんな、夜自分の部屋で一人になると、いろいろなことを考えて感情が豊かになるんだなと思いました。最初クールだった子が、感情的になっているのを見ると、デジタルデバイスから離れて自分自身と向き合ったりする時間って大事なんだなって思いましたね。
小泉:嘘がつけなくなっていくっていうか。とても素敵な恋愛リアリティーショーなんですの。大人が観ても、ホッとするというか、キュンとするというかね。
上村:「メゾン・マルゴーね!」って言いたくなりますよ。ごめんなさい、これについては私、いくらでも語れちゃうので…
小泉:また語りましょう。
(TBSラジオ『サステバ』より抜粋)