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秋葉区の古津駅前で30年間愛され続けてきた「八幡ラーメン」。

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秋葉区の古津駅前で30年間愛され続けてきた「八幡ラーメン」。

弥生時代の遺跡や古墳が発掘されたことでも知られる、新潟市秋葉区の「古津八幡山(ふるつはちまんやま)」。今回ご紹介するのは、その近くにあるJR古津駅前で30年間営業してきた「八幡(はちまん)ラーメン」。店主の五十嵐さんからお店の歴史や味のこだわりについてお話を聞いてきました。

八幡ラーメン

五十嵐 和重 Kazushige Ikarashi

1966年新潟市秋葉区生まれ。新潟市内のホテルや中華料理店、ラーメン店で経験を積み、1995年に新潟市秋葉区のJR古津駅前で「八幡ラーメン」をオープンする。山が好きで渓流釣りや山菜採りによく出かける。

宴会中心の中華料理店としてオープン。

——駅前なのに広い駐車場があって、電車でも自動車でもアクセスしやすいお店ですね。

五十嵐さん:父が私のために退職金で買っておいてくれた土地なんですよ。飲食店をやるときのために、ってね。本当に感謝しています。

——じゃあ、五十嵐さんはずっと前から飲食店をやりたかったんですか?

五十嵐さん:子どもの頃の夢が「ラーメン屋になること」だったんです。近所にあったラーメン屋の店主が生き生きと働いている姿に憧れていました。そのうち自分でインスタントラーメンをつくるようになって、母の友達が家に来たときに自分のつくったインスタントラーメンを振舞って「美味しい」なんておだてられてたんですよ(笑)

——今は子どもの頃の夢を叶えたわけですね。料理の仕事には実際にはいつから?

五十嵐さん:高校時代にアルバイトをしていたお好み焼き屋で、お好み焼きやラーメンをつくらせてもらっていました。そのとき店主のおばさんから「私の代わりにここでお店をやれば?」と勧められたんだけど、まだまだ経験不足だったので、高校を卒業してからホテルの和食部門で働くことにしたんです。

——あれ? 中華料理じゃなくて和食の修業を?

五十嵐さん:中華部門はスタッフがたくさんいるので、人手の少ない和食部門に配属されたんですよ。ろくに包丁を握った経験もなかったので毎日叱られてばかりいて、しょっちゅうトイレで泣いていました。お客様に出す魚になんて触らせてもらえず、最初は全社員のまかないをつくっていたんです。

——なかなか辛い日々を過ごされたんですね。

五十嵐さん:でも、そのおかげで料理の幅は広がりましたよ。魚のおろし方や出汁の取り方は、中華料理やラーメンに応用することができるんです。経験で無駄なことはないんだなと思いますね。ただ4年経っても中華部門への転属が見込めなかったので、ホテルを退職して中華料理店で働くことにしたんです。

——中華料理店ではどんなことを学びました?

五十嵐さん:「八幡ラーメン」で提供している中華料理のベースは、すべてその店で学んだものです。その後はラーメン店で働きながら開店の準備をして、1995年に「八幡ラーメン」を開店しました。当初は宴会を中心にした中華料理店としてスタートしたんです。

——中華料理店なのに「八幡ラーメン」っていう店名にしたんですね(笑)

五十嵐さん:最初は「中華料理 八幡」にする予定だったんです。でも当時修業していたラーメン店の店長に相談したら「そんな固苦しい店名じゃダメだ」と言われて、親しみやすい「八幡ラーメン」を勧められました。「八幡」というのは地元の「古津八幡山」のことで、地元に貢献できる店を目指したくてつけた店名なんです。

——宴会を中心にしていただけあって、小上がりがメインのお店なんですね。子連れのファミリーにも喜ばれるんじゃないですか?

五十嵐さん:当時はアルバイトを10人くらい雇っていました。でも時代の流れとともに子どもの数が減って高齢者の数が増えたので、最近は小上がりよりもテーブル席を求める声が増えましたね。2〜3年前にトイレも和式から洋式に変えたんです。

息子のアドバイスを受け入れて、麺や店を改善。

——いろいろなメニューがありますけど、人気があるのはどの料理なんですか?

五十嵐さん:エビチリやレバニラ、酢豚が人気ですね。オススメは餃子かな。具はもちろん、皮も自家製なんですよ。以前は中華料理のメニューが今の3倍はあったんだけど、どんどんラーメンにシフトしていきました。

——中華料理のメニューはどうして減らしたんでしょうか?

五十嵐さん:自分としては平均80点以上の料理だけをお客様に提供したいんです。でも、あれもこれもやっているとそれも難しいでしょう? 人手も足りないし歳も歳だからね(笑)。町中華の店としてやってきたから今まで続けることができたんだと思うけど、これからはラーメンに力を入れていきたいと思っているんです。

——五十嵐さんの原点に戻るわけですね。ではラーメンのこだわりもお聞きしたいです。

五十嵐さん:化学調味料を否定する気はないし、うちもメニューによっては使うこともあるんですけど、無化調でつくることに挑戦しています。ただうま味を出すためにはいろいろな原料を使わなければならないので、原価はかかっちゃうんだけどね(笑)

——それでも挑戦したいわけですね。他にもこだわりはありますか?

五十嵐さん:どうしても自分が納得できる麺を使いたくて、10年前から自家製麺に切り替えたんです。そしたらますます仕事が増えちゃって……(笑)

——なるほど(笑)

五十嵐さん:その麺も最近大きくリニューアルしました。サラリーマンをやっていた息子が戻ってきて、うちの店舗を間借りして朝ラーメンの店をオープンしたんですよ。そのときに息子のアドバイスでうちの麺をリニューアルしたんです。

——長い間ラーメンをつくってきた五十嵐さんが、息子さんの意見を聞くことに抵抗は感じませんでした?

五十嵐さん:指摘されたときはちょっとムカッときたけどね(笑)。でも息子は私以上にラーメンが好きなことを知っていたし、人気店で修業を積んできたのでアドバイスを受け入れてみることにしたんです。ダメだったら元に戻せばいいやと思っていました。

——その結果はどうだったんでしょう?

五十嵐さん:それまでは原料をたくさん使えば美味しい麺ができると思っていたんだけど、材料の分量を減らすことで麺とスープがよく馴染むようになったんです。

——へぇ〜、アドバイスを受け入れてよかったですね。

五十嵐さん:そうですね。他にもお客様に声掛けすることの大切さも教わりました。それまでは味さえ美味しけりゃお客様は来てくれるだろうと思っていたんだけど、感謝の気持ちを言葉にして伝えるようになりましたね。

——息子さんから学ぶことが多かったんですね。息子さんはまだ間借り営業をしているんですか?

五十嵐さん:この辺りに朝ラーの店はないので行列ができるほど繁盛していたんですけど、採算が合わないことが分かって閉店しました。でも朝ラーの需要があると分かったので、私が引き継いでみたいと思っているんですよ。なんでも時代のせいにしているわけにはいかないので、時代に合わせながら地元の人たちに愛される店を続けていきたいですね。

八幡ラーメン

秋葉区朝日112-11

0250-23-2790

11:30-14:00/17:00-21:00

火曜休

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