【現地レポート】ヴァンフォーレ甲府×山中湖×本!子どもたちの貴重な体験を作る一日に
「この本知ってるよ!」「おいしそうにできた!」「あれやってみたい!」
『ヴァンタススクールCUP』という、山梨県山中湖村で開催されたU-9(9歳以下)のサッカー大会では、サッカー大会とは少し違った子どもたちのさまざまな声が聞こえてきます。
サッカー大会の開催だけでなく、本の販売、薪割りなど、多くのコンテンツが用意された「子どもたちの可能性を作る一日」に密着しました。
イベント概要『LAKE YAMANAKA FESTIVAL〜本と焚火とサッカーと〜』
ヴァンフォーレ甲府、山中湖・平野旅館民宿組合、株式会社トーハンが協力して企画・運営を行うイベント。
2017年にスタートした『ヴァンタススクールCUP』を軸に、2023年には株式会社トーハンが加わり、『LAKE YAMANAKA FESTIVAL』と題して移動本屋や焚火体験などもできるイベントに。
『Honjour! Car』で本に触れる機会を
今回のイベントには、ヴァンフォーレ甲府の共創パートナーである株式会社トーハンが企画から想いを持って関わっています。
「全国に書店のない市町村が増えている」という現状は、同時に子どもたちにとって本に触れる機会が減っていることを考えさせられます。そんな自治体の一つである山中湖村でも、本に触れる機会を増やしたいと、この本専用の販売車『Honjour! Car』が出動。
『ムチュウ BOOK FES.』と名付けられたスペースでは、サッカー大会に参加する小学3年生の世代や、イベントに訪れる子どもたち向けに謎解きの本、名作童話などさまざまな本が用意されていました。
今年のイベントでは、出版社である株式会社カンゼン、株式会社徳間書店、株式会社評論社、株式会社PHP研究所が株式会社トーハンの想いに賛同し、子どもたちや参加する大人たちに楽しんでもらうための本の提供をしていただきました。
ほかにも体験できることがたくさん!
薪割り体験
株式会社ファイヤーサイドが提供する薪割り体験では、道具を使って子どもでも薪を割ることができます!割った薪は、イベント会場内の焚き火やストーブでそのまま活用しました。
焚火でアウトドア体験
焚き火を使って、ポップコーン作りや甲州鶏の缶詰作りなどを体験!本格的なアウトドアのおもしろさを味わう機会になりました。
親子バイク体験!
レーシングチーム『日本郵便HONDA DREAM』による親子バイク体験。なかなかできない貴重な体験が、LAKE YAMANAKA FESTIVALには揃っていました。
“山中湖を味わう”体験も
ヴァンタススクールCUPでは、遠方から来るチームは山中湖村の旅館に宿泊します。宿泊した子どもたちには、山中湖村の名物である「わかさぎ」の佃煮が朝食で振る舞われました。
山中湖村平野旅館組合の長田さんは、「山中湖村で楽しい思い出を作って、“小学校の頃に行って楽しかったな”と、これから先もまた山中湖村に戻ってきてほしい」と話していました。
“協力”することで、さまざまな価値が生まれる
「閑散期の山中湖村を盛り上げたい」という想いから、山中湖村平野旅館組合とヴァンフォーレ甲府が協力して始まった『ヴァンタススクールCUP』。2017年から行われているこの大会に、2023年から株式会社トーハンの「書店のない地域の子どもたちに本に触れる機会を与えたい」という想いが加わりました。
2024年には、出版社である株式会社カンゼン、株式会社徳間書店、株式会社評論社、株式会社PHP研究所の4社の協力により、それぞれの特徴を活かしたより充実した本のラインナップが実現しました。
株式会社ファイヤーサイドによる薪割り、焚き火体験も昨年よりパワーアップし、ピザ作りや甲州鶏の缶詰作りなど、多くの子どもたち、そして大人たちも楽しんでいました。
「山中湖村を盛り上げたい」という想いからスタートし、それぞれの想いを乗せることで、サッカーが好きな子もそうでない子も楽しみながら自分の“好き”を見つけることができる、そんなイベントに『LAKE YAMANAKA FESTIVAL』は進化してきました。
ここで本や貴重な体験に触れた子どもたちの未来、そしてこのイベントの未来に期待したいです。
主催者からのコメント
山中湖・平野旅館民宿組合 長田様
子どもたちのパワーで梅雨空を吹き飛ばし、富士山を望みながらのこのイベントは大成功だったと思います。ピッチの上では真剣にサッカーをする子どもたち、試合の合間や応援の合間にトーハンさんのブースで本をおもむろに手にする子どもたち、焚き火体験や薪割体験・バイク体験などに目を輝かせる子どもたち。
改めてこの大会は、合宿や文化活動の聖地でもある山中湖で 多様化するニーズに応えつつ、さまざまな子どもたちをお迎えしていくモデルになりえるイベントだと思いました。
本の贈呈式の様子
本イベントでの売り上げの一部と、トーハンからの寄付金で書籍を購入し、山中湖村へ寄贈しました。児童書を中心とした114冊の書籍は、山中湖村から村内小中学校3校へ展開されます。
8月8日に山中湖村役場にて寄贈式を実施。山中湖村村長高村正一郎様へ目録が贈呈されました。
山中湖村 高村 正一郎 村長
山中湖村に多くの書籍の寄贈をいただき、心より感謝申し上げます。子どもたちにとって本を読むこと、本に接する機会を設けることは大切であり、大人になっていく過程で本から得られる知識は大きい。寄贈図書を生かし、子どもたちが十分に本と触れあえる時
間を取っていきたいと思います。今後ともヴァンフォーレスポーツクラブさん、トーハンさんと連携を強化できればと期待しております。
一般社団法人ヴァンフォーレスポーツクラブ 代表理事 長田 圭介 氏
「LAKE YAMANAKA FESTIVAL」は、山中湖村の観光オフシーズンの集客、そして全国的な書店の減少の解決という異なる種類の課題に対して、当イベントを共催する3者がお互いの力を合わせて解決を目指している非常に熱量の高いイベントです。未来を担う子どもた
ちにとって、心身ともに健康を目指すスポーツの持つ価値と同様に、学びを得られる本は非常に大切です。今後も異なる分野の力を結集し、地元に貢献できる活動をしていきたいと考えております。
株式会社トーハン 日野 賢太郎 氏
今年6月に本と子どもたちとの接点作りの一環で、「LAKE YAMANAKA FESTIVAL」を開催し、このたび当イベント収益を元に、山中湖村の学校図書館に児童書を寄贈する運びとなりました。ぜひ子どもたちに学校図書館をご利用いただき、今回の寄贈図書をはじめ、多
くの本に触れあうきっかけにしていただければ嬉しく思います。トーハンは今後も地域書店や自治体と連携し、本と人とのタッチポイント創出に取り組んでまいります。