【福岡カフェ巡り】静かな水辺の風景に癒される窓際の特等席(福岡市・西長住)
静かな心地よい空間、非日常を感じられるロケーション、丁寧につくられたドリンクやお菓子、ほっと安らぐ接客。大人がくつろぎの時間を過ごす場所として理想的なカフェが南区西長住に誕生しました。
住宅街の一角にひっそりと佇むカフェ「池のほとりと」。カーテンが閉まっていたらカフェと気づかずに通り過ぎてしまいそうなさりげない外観です。窓に記された店名とかわいい木彫りのオブジェを目印にして訪れてください。
こちらのお店は、嬉野市塩田津地区にある古民家レストラン&カフェ「RAKUYA」の姉妹店。両店の店主を務める田中晴賀さんは、ご自身が拠点を置く福岡でも「RAKUYA」で人気のチーズケーキや嬉野茶などを楽しんでもらいたいという想いから2025年6月に「池のほとりと」をオープンしました。
店内に入ると、大きな窓の先に広がる風景に目を奪われます。「物置として使われていた場所だったのですが、扉の先に見えた『鹿助(ろくすけ)公園』の池の景色を気に入り、カフェとして活用することにしました」と田中さん。このロケーションを活かすために、窓を大きく取り、内装は極力シンプルに仕上げられています。
ずっと眺めていたくなる穏やかな池の風景。時間帯や天気によって表情が変わり、どのタイミングもそれぞれにいいものです。自然溢れる場所なので、秋の紅葉や春の桜など四季折々の風景も楽しめそう。カメやネコが姿を現すこともあるのだとか。
また「池のほとりと」という想像の余地を残す店名には、訪れた人が池の存在を感じながらコーヒーやケーキ、一人の時間など、その時々に求めるものを楽しんでほしいという想いが込められているそうです。
家具や調度品は福岡にあるいくつかのアンティークで揃えたものが中心です。「嬉野の『RAKUYA』の前身となる店を営んでいた母が骨董好きだったこともあり、自然と古いものがもつ味わいを好むようになりました」と話す田中さんのセンスはお母さまから受け継がれたもののようですね。店内で使われているもののすべてが魅力的で、「これはどちらのものですか?」と質問攻めにしてしまいました。
靴を脱いで上がる2階席はよりリラックスして過ごせそう。モロッコのプフクッションやインドのヴィンテージキルトが配され、異国的なムードが漂います。
カフェメニューはケーキや嬉野茶、オリジナルブレンドのコーヒーなどが用意されています。「柚子チーズケーキ」(600円)は、なめらかで濃厚なバスクチーズケーキに柚子の爽やかな風味が香るオリジナリティあふれる一品。佐賀や長崎で活躍されているシェフ橋口聖さんがメニュー監修を行う「RAKUYA」の看板スイーツで、柚子は佐賀市「MIFUKUAN」が栽培する無農薬のものが使われています。
水出しで抽出された「嬉野冷茶」(500円)は深いコクがありながらすっきりとした味わい。緑茶のおいしさを改めて感じることができました。
バレンタインなどに「RAKUYA」で提供されているものを定番化した小麦粉不使用の「ガトーショコラ」(600円)は、生チョコのように濃厚な味わい。深煎りの豆で淹れる「ホット珈琲」(550円)と好相性です。
平尾「ROASTER'S COFFEE 焙煎屋」によるオリジナルブレンドのコーヒー豆や嬉野の和紅茶は購入することもできます。池の風景をモチーフにした箱入りの「柚子チーズケーキ」と「ガトーショコラ」(各3,000円)は気の利いた手みやげになりそうですね。
「ここがお客さまにとって癒しの場所でありたいと思っています。中心部から少し離れていますが、自然を感じにぜひお越しください」と田中さん。穏やかで優しい空気に包まれる「池のほとりと」は、きっとこれから多くの人の特別な場所になることでしょう。
池のほとりと
福岡市南区西長住2-1-61