便利な「突っ張り棒」の“強度が下がる使い方”3つ「誤解してた」「見直す」
整理収納アドバイザーの三木ちなです。家の中の収納や目隠しなどに、大活躍の「突っ張り棒」。簡単に設置できるうえに収納スペースを増やせる便利なアイテムですが、じつは取り付け方に注意が必要。間違った使い方をしていると、すぐに落ちてしまったり壁を傷つけたりするおそれがあるんです。ここでは、意外とやってしまいがちな「突っ張り棒のNGな使い方」をご紹介します。
NGその1.滑り止めマットをはさむ
突っ張り棒と壁の間に滑り止めマットをはさむと、落ちづらくなるような気もしますよね。しかし、これは逆効果! 突っ張り棒の両端にジェルマットなどをはさんでも、強度は上がらないんです……。
突っ張り棒は何もはさまないで使用すると、一番強度が出ます。棒の力を壁にしっかり伝えるには、平らで固い壁に直接取り付けるのが正解です。
NGその2.下地がない場所に取り付ける
突っ張り棒は、家中どこでも取り付けられるのが魅力的ですよね。しかし実際は、どの壁でも突っ張れるわけではないんです。
突っ張り棒を取り付けると、壁を棒で押して踏ん張るような形になります。つまり、壁にしっかりと強度があることが前提です。
そのため、ビスやクギを打つときと同じように、突っ張り棒を取り付けるときも「下地」の確認は必要。柱が入っているか確認のうえ、突っ張っても問題のない場所にのみ使いましょう。
ちなみに、柱のチェックについては、下地センサーなどの器具を使うと手っ取り早いです。下地センサーがなければ、手で壁をたたいて“ゴンゴン”という鈍い音が鳴る場所に取り付けましょう。柱がない場所には、空洞のような“コンコン”と軽い音が響きます。
NGその3.ザラザラしている壁に取り付ける
凹凸のある壁紙やざらついたモルタル壁など、表面がデコボコしている壁に突っ張り棒を取り付けるのは避けたいところ。棒の端がうまく接地できず、摩擦力が弱くなるからです。突っ張り棒は平らな壁に取り付けるのが基本。
どうしても滑りやすい壁材に使いたいときは、メーカーが推奨している専用の補助パーツを併用しましょう。
正しく使えばもっと快適に
突っ張り棒は、使い方しだいで暮らしをより快適にできる便利アイテムです。その一方で、間違った使用方法では、棒が落下したり、壁に跡が残るといったリスクも。落下を防ぐためには、左右のキャップの高さを揃えて、水平(縦向きの場合は垂直)にしっかり設置するのが基本です。
また、設置する壁の材質や強度を確認し、必要に応じて補助パーツの使用も検討しましょう。手軽に収納を増やせて、家中で活躍する突っ張り棒だからこそ、正しい使い方を知っておくことが大切です。設置前に使用場所や壁の状態をよく確認して、安心・快適に活用してくださいね。
三木ちな/お掃除クリンネスト1級、整理収納アドバイザー1級、節約生活スペシャリスト、歴20年業スーマニア