釣り場の地震対策は【心構えと徒歩での避難】が重要 釣り人的備えとは?
日本は四方を海に囲まれた地震大国だ。能登半島地震などは記憶に新しいが、これから最も警戒しなくてはいけないのが、30年以内の発生率が80%になるという、南海トラフ地震だ。震源地が沿岸近くの場合、1mの津波が沿岸に到達するまで、静岡で2分、和歌山3分、高知で5分と見積もられている。これでは釣り人はひとたまりもない。そこで、この記事では釣り場の地震対策を考えてみたい。
常に地震を頭に入れておく
「今大地震が来たらどうしよう」例え釣りであっても、もしもの時を想定した「心構え」がこれからは必要だ。筆者も心得てはいるが、海釣りで緊急地震警報を聞いたときにはパニックになった。
震度は4程度だったが、かなり揺れたのも覚えている。震源地が沿岸で、震度ももっと大きかったら津波の危険性もあった。そう考えると、いまさらながら恐怖が蘇る。
このように、わかっていても実際にその場面に遭遇すると、人は冷静でいられないときがある。近年は地震の活動期と言われ、いつどこで大地震が来てもおかしくない。それが釣りの最中なんてことも十分ありえる。海でも川でも山でも、もしも時が来たらどうするかを頭の片隅に入れておく必要がある。
釣り場での避難は徒歩が基本
では、実際に釣り場で大地震に遭遇したら避難はどのようにすればいいのか。通常、地震は「徒歩で避難」とされている。車は渋滞ハマったり、道路が寸断されているとかえって危険なこともあるからだ。しかし、例えば海岸や渓流で釣りをしている場合、津波の早さや限られた移動手段を考えると、車を使用するのもありだ。
こればかりは状況しだいとしか言えないが、津波の危険がなく歩いて避難できる状況ならば、やはり徒歩が安心だ。その際、切れた電線や倒壊寸前の家屋にも十分注意し、高台や広い場所を目指して素早く行動することが大切だ。けっして油断したり、ためらってはいけない。
タックルやルアーは諦める
釣り人がためらってはいけないものでいうなら、タックルとルアーがある。当たり前だが、大地震が来たなら道具をのんびりしまっている場合ではない。すぐにでもに逃げないと命の危険がある場合、どんなに高価な釣り具であっても諦めるしかない。というより、そんなことを考えている場合ではない。
道具はお金を出せばまた揃えられるが、逃げ遅れて万が一でもあれば、釣り自体が永遠に出来なくなる恐れもある。命あっての釣りだということを忘れてはいけない。
できる備えを釣り場でも
釣り場での地震は「心構えと徒歩での避難」と書いてきたが、これはあくまで筆者が考える最善の方法に過ぎない。重要なのは、これらを冷静に実行できるかだ。しかし、津波が川を遡る映像を見たりすると、冷静でいられる自信が筆者にはない。川で釣りをしていて映像のような場面に遭遇したら、間違いなくパニックだ。シーバスどころではない。
だからこそ、普段からの心構えや避難方法など、釣り場でも最低限のことは考えておかなければいけない。ライフジャケットの着用はもちろん、家族がいるならどこへ釣りに行くかを告げておくと安心だ。ネットで地域のハザードマップを確認するのも悪くない。
楽しむ釣りに水を差すようだが、大地震は近い将来現実になる可能性が高い。いざというときに冷静に行動するためにも、一人一人ができる備えを今こそ考えていかなければならない。
<宮坂剛志/TSURINEWSライター>