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升毅、水夏希、松村武ら出演 『王様と私』を下敷きにした、マキノノゾミの傑作戯曲『殿様と私』を上演

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まつもと市民芸術館プロデュース『殿様と私』

2025年2月~3月、松本・まつもと市民芸術館小ホール、大阪・近鉄アート館にて、まつもと市民芸術館プロデュース『殿様と私』が上演されることが決定した。

本作は名作『王様と私』を下敷きにしたウェルメイド作品で俳優・脚本家・演出家として幅広く活動するマキノノゾミが文学座に書き下ろし、2007年に初演された。08年には第15回読売演劇大賞優秀作品賞を受賞し、高い評価を得ている傑作コメディだ。

マキノは『MOTHER』、『東京原子核クラブ』、『赤シャツ』などで多くの演劇賞を受賞し、NHK連続テレビ小説『まんてん』の脚本でも注目を集めたほか、近年も『魔界転生』、『西遊記』といった話題作の脚本も手掛け、22年には紫綬褒章を受賞するなど、日本の演劇界をけん引している一人。

本作のプロデュースを行うまつもと市民芸術館は、地域の芸術拠点としてさまざまな舞台公演や文化活動支援に取り組み、開館20周年を迎えた24年には木ノ下裕一、倉田翠、石丸幹二が芸術監督団として始動。演劇、音楽、伝統芸能に加えて芸術監督団による企画公演の開催など、芸術文化の街としてもますますの盛り上がりを見せる松本で、マキノ自身が演出を手掛け、じっくりと滞在制作を行う。

お家存続のために西洋文化を学ぼうとする白河義晃役に、映画『踊る大捜査線』シリーズやドラマ『イチケイのカラス』、舞台『画狂人 北斎』、『SLEUTH / スルース』など、ジャンルを問わず数多くの役どころを演じてきた名バイプレーヤーの升毅が、頑固な“殿様”を演じる。

義晃のダンスの指南役となるアメリカ人女性アンナ・カートライト役は、元宝塚雪組トップスターで、卒業後も舞台『アルジャーノンに花束を』、ミュージカル『17AGAIN』、藤間勘十郎文芸シリーズ 語りの世界 Vol.1『偐紫田舎源氏』など、多彩な舞台に出演している水夏希 。義晃の息子・義知を演じるのは、近年、様々なジャンルの舞台において存在感を放っている久保田秀敏。
さらに、文学座座員で、24年には野田秀樹が書いたひとり芝居『売り言葉』を上演し好評を博した平体まひろ、まつもと市民芸術館を拠点にしたTCアルプの旗揚げに参加し、現在は自身が代表を務めるシアターランポンの作・演出も行っている武居卓、高い語学力を生かしナレーションや翻訳、通訳としても活動している 喜多アレクサンダー、『パートタイマー・秋子』など舞台を中心に活動している水野あや、カムカムミニキーナ主宰で、出演に加えて同劇団の作・演出を手掛け、ラッパ屋、劇団鹿殺し、サードステージ作品への出演、近年は奈良で市民演劇の演出・プロデュースも行う松村武と、実力派が集結した。

【あらすじ】
明治19年、東京。白河邸の主、白河義晃子爵は、時代の急激な西洋化に馴染めず酒に溺れる日々を送っていた。そんなある日、家令の雛田源右衛門が外務卿の書生に時代遅れのちょん髷をからかわれ、さらには「白河子爵には華族の資格なし」と侮辱される事件が勃発。誇りを傷つけられた義晃は怒り心頭に発し、これまた時代遅れの討ち入りを決意する。
しかし、息子の義知は、刀ではなくダンスで立ち向かうことを提案し、戸惑いながらも、 アメリカ人女性アンナ先生の熱血指導のもと、ぎこちないダンスの特訓が始まる。
果たして、義晃は華麗なステップを踏めるようになるのか!?
出演者コメント

■升毅
時代などという途轍もないスケールではないものの、この10年ほどの携帯電話をはじめとする電子機器の機能や文化の進化についていけず、興味がない・必要ないという逃げの一手で背を向け耳を貸さない私は、白河義晃にいたく共感しています。本作に携わる事で、自身の性格・生活環境が少しでも変化したならば…。
そのとき私はユル・ブリンナーのように華麗なステップを踏んでいることでしょう。

■水夏希
明治時代の作品に触れる度に、当時の異国文化との摩擦や刺激、時代の変化に対する葛藤に想いを馳せ、先人たちの選択がどんなに大変なものだったかと震えます。
しかし、時を経て今尚刻々と変化していく時代に私達も生きているわけで、自分の中に共通項を見いだし、生き生きと演じたいと思っています。
演出のマキノさんはじめ、初めてご一緒する方ばかりですし、松本での上演もまた楽しみにしています!

■松村武
個人的に大好きな町、松本での滞在制作。二度目です。マキノさん、升さんとは初めてご一緒させていただきます。和洋混在、混迷の明治初期モノって物語の舞台としてとても好みです。そこで面白い役をやらせていただきます。楽しみな事ばかりですね。多くの人に注目していただける作品になるよう精一杯頑張ります。時には酒や蕎麦も楽しみながら。

演出:マキノノゾミ コメント

『殿様と私』の「殿様」は『王様と私』のユル・ブリンナー(王様)のようには英語を話せません。むしろ英語なんか大嫌いです。なので「アンナ」(私)とのコミュニケーションはまことに厄介なものとなります。「変わらなければならないとわかってはいるが、なかなか簡単には変われないのだ」と七転八倒するこの物語は、初演時よりも、むしろ現在のほうが、ずっと身につまされるのではないでしょうか。17年も前に先見的にこういう芝居を書いたわたしは、なかなかえらいぞと思います。笑。

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