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姿勢が良いと持っている力を100%出せる! サッカー上達や集中力アップにもつながる「正しい姿勢」のメリット

サカイク

勉強中、サッカーノートを書いているとき、食事中など、気づくと頭が下がって姿勢が崩れてしまっていることも多いのでは?

サッカーでも良い選手は姿勢がいいもの。姿勢が悪くなると、集中力が低下しますし、将来的な肩や腰の痛みの原因になります。

また、正しい姿勢はお腹周り(いわゆる体幹といわれる部分)を安定させ、自分の持っている力を100%出せるようになります。

今回は、良い姿勢がサッカーと勉強にどんな風に関係するのかを、自身もサッカー経験のある理学療法士の武田純一さんに教えていただきました。
(構成・文:小林博子)

 

 

 

■悪い姿勢でいると、首への負担がいい姿勢の時より6倍に!

子ども向けの姿勢教室などの講座を行う理学療法士の武田純一さんによると、姿勢の良し悪しによる心身への影響は多数あるそう。

人間の頭の重さは大人で5kg程度、子どもの場合でも3〜4㎏ほどと言われます。頭が少し前に出ているだけでその重さの負担が従来の6倍になり、つまり首で約24kgもの重りを支えていることになります。

だいたい10分くらいで首や肩の負担を感じ始め、そうなってくると勉強に集中できなくなります。悪い姿勢でいると6倍もの負担がかかってしまうのですから当然かもしれません。

正しい姿勢で、首の骨の上に垂直に乗っていれば重さの圧が分散されます。

また、正しい姿勢は胸を開いた状態です。猫背や巻き肩だと呼吸が浅くなりがちですが、胸を開いている状態なら呼吸が浅くなりにくくなります。

深い呼吸は集中力アップにもつながります。

 

■サッカーノートを書く時も! 前向きな気持ちで学習に取り組める

 

前述したように、座っていて体が辛くなければおのずと気持ちがネガティブになる可能性は低くなるはず。

それに加え、座ったときに一度姿勢を整えて背筋を伸ばして「よし!」と気合を入れることもポジティブなマインドを後押ししてくれます。これは学習だけでなく、スポーツ時にも言えることです。

「心身相関」といって、姿勢がよく胸が開いたポジションでいるほうが前向きな気持ちを想起するとも言われています。これらは東京都教育委員会の2014年の研究結果でも公表されています。

ちなみに、サッカーノートを書く際に良い姿勢かどうかも実は大切。前向きなノートが書けるようになり、日々の振り返りや目標設定などもより明度が上がるはず。ノートの効果も高くなります。

海外の研究機関が行った調査によると、良い姿勢のグループとそうでないグループで計算課題での結果に差が見られたそうです。

前向きな気持ちで集中して取り組むことの積み重ねが、長期的に見ると明らかな学力差にもつながるという好例ではないでしょうか。

  

■正しい姿勢により体幹(=お腹周り)が強くなる

小学生以上の子どもは1日のうち「椅子に座って勉強する」時間が長いので、その時間に背筋を伸ばして良い姿勢を保つことで、筋肉、とくに体幹筋も正しく育ちます。

体幹の中でも深層に位置する筋肉で構成された「インナーユニット」が大切です。

上部は横隔膜、下部は骨盤底筋、前部と側面は腹横筋、後部は多裂筋で構成されています。これらの筋が適切に働くことでコルセットのように体幹を安定させてくれます。

それらを適切に働かせるには「良い姿勢」である必要があり、良い姿勢を続ければこれらの筋肉も育ってきます。

お腹周りがしっかりと安定すると、サッカーでも当たり負けしなくなります。

 

【体幹筋とは】
胴体部分(体幹)を構成する筋肉の総称。
主に腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋からなるグローバルマッスル、横隔膜、骨盤底筋、腹横筋、多裂筋からなるインナーマッスルで構成されています。
広義には腹部の筋肉のほか背筋、胸筋、肩甲骨周りの筋肉などが含まれます。

 

■周辺視野が広くなり、認知能力が向上 顔を上げて周りを見れるようになる

集中して学習をする習慣が身につくこと、体幹が強くなり長時間の学習や運動が無理なくできるようになると、おのずと持久力も高まります。

頭が前にある状態は巻き肩にもつながるため、下向きになりやすく視野が狭くなります。また、どこかが痛かったり、呼吸が浅くボーッとしてしまったりすることで、認知能力が下がるのも言わずもがなです。

 

■「0.数秒の速さ」が違いを生む 前後左右に素早く動くためにも重要

 

姿勢が良く重心が地面に向かってまっすぐなニュートラルな状態でいることは、前後左右への動きの機敏さにも現れます。

逆に、巻き肩で重心が後ろにいっていると、1つ1つの動きのために一度中心に重心を持ってくる必要があり、ほんの少しのロスが生じます。

目に見えないほどの僅差ではありますが、スポーツではこの「0.数秒」の差が致命的になることもあります。

よく、良い選手は姿勢が良いといわれますが、世界的に有名なクリスティアーノ・ロナウド選手リオネル・メッシ選手らも、しっかり骨盤が立って良い姿勢でプレーをしています。

メッシ選手は一見猫背に見えますが、骨盤はしっかり立っているのです。

日本代表の選手たちも良い姿勢で視野を広く持ち、いいプレーをしています。良い選手になるには、「良い姿勢」が1つの条件になるのです。

次回は、姿勢が悪いと自分の持っている力を100%出せない理由、出力をあげることでサッカーのパフォーマンスが上がる理由をお伝えします。

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