資料集を活かす確率【御手洗直子のコマダム日記 #196】
一大センセーションを巻き起こした「婚活コミック」著者、御手洗直子さんが結婚して2児の姉妹の母に。あいかわらずのつっこみどころ満載の日々、渾身のひとコママンガ&エッセイでお送りします。
「つっこみが止まらないコマダム日記」#196
今回はお片づけにまつわるお話です。
お下がりを期待してはいけない(渡す方)
いよいよ部屋がヤバい。
部屋がヤバいと言っても床に落ちている物を拾って掃除機をかければ済むような日常のヤバさではない。クローゼットの中とか、本棚とか、収納ボックスの中が整頓された状態で限界が来たのだ。この家に来て12年である。整頓された状態で限界が来ているということは物を処分しなければならないということである。イヤだ~~~~~。
物を捨てなければならないという現実から目を背け続けてここまで来たのだが、内訳としては主に本である。最近読む本はすでに電子に移行しているものの、昔買った資料集やデザイン本は全て紙なのである。10年前に買ってその時にしか見ていない本もザラにあるが、それでも捨てられないのが資料集である。手元にあるだけでなんか絵がうまくなったような気がするし、かっこいいデザインが組める気がするのだ。ちなみに作画のコツや練習本のような物もいくつか持っているが一回も練習に使ったことが無い。100%まじりっけナシの買っただけである。そんなひどい話があるか。無念にもほどがある。しかしそんな本でも捨てられないのである。だっていつかは練習するかもしれないじゃないか…。
イタリアで買ったデザイン書とかも一生捨てられる気がしない。空港の荷物の重量制限でひっかかり、その場で全ての荷物と手荷物を分配し直し再度パッキングしてまで空輸した写真集とデザイン書である。ちなみにオシャレ写真すぎて私の漫画の中で活きることはなかった。そもそも写真を参考にしてまで起こすような凝った背景とか私の漫画には必要無いのである。そして描いたことが無い。そう、資料集として購入しているが実質観賞用である。資料として!使えるほどの力が!お前には、無いのだ…!(セルフ罵倒)
3年前、服を大量に捨てた。ハデなTシャツとか、チュニックとか、そんな若い頃の服をとっておいても、お前は40代なのだと。70Lのビニール袋で3袋くらい服を捨てたのだが、最近私の身長を越した長女がかつての私の服を着ているのだ。
そう、3年前捨てなければ着られる服が大量にあったのである…。
ア~~~~~~あと3年耐えていれば~~~…!
と思うと余計捨てられないのである。資料集も、デザイン書も、いつか娘たちも使うかもしれないじゃないか。(おわり)
御手洗直子
Profile pixivで大人気。累計閲覧数1100万を誇る爆笑コミックエッセイスト。なんでそんなにネタ満載人生を・・・という謎の人。既刊に「31歳BLマンガ家が婚活するとこうなる」「31歳ゲームプログラマーが婚活するとこうなる」(共に新書館)、「腐女子になると、人生こうなる!~底~」(一迅社)、「つっこみが止まらない育児日記」「さらにつっこみが止まらない育児日記」(ベネッセコーポレーション)など。たまひよのサイトで、数話限定公開中。
御手洗直子X(旧twitter):mitarainaoko