岡本信彦「たくさん無茶ができるのも学生のうちだからできること」#学生の君に伝えたい3つのこと
人生の先輩である著名人の方々から、まだまだ自由に使える時間が多い大学生のみなさんに、“学生のうちにやっておいたほうがいい3つのこと”をアドバイスしてもらおうという連載「学生の君に伝えたい3つのこと」。
今回は現在放送中のアニメ『神之塔 -Tower of God-』にクン・アゲロ・アグネス役で出演中の岡本信彦さんが登場。学生時代の経験からさまざまなアドバイスをしてくれました。
【写真】岡本信彦の撮りおろし声優・岡本信彦が<学生の君に伝えたい3つのこと>
1.一度は学生のうちに海外旅行をしてみる
――学生のうちにやっておいたほうがいいと思うことはありますか?
大学生と、それまでの小学生・中学生・高校生との一番の違いはお金だと思っていて。バイトができて、完全に自由にとは言わないですけどちょっと行動範囲が広げられて、より現実的に就職や未来という岐路に立つときだと思うんです。となると、やっぱり一回海外旅行をしておいたほうがいいのかなと思います。個人的に友だちと行って楽しかったのは日本語が若干通じるグアムやシンガポール、あとオーストラリアもそこまで大変じゃなかった気がします。海外に行くとコミュニケーションの仕方が全然違うんだなと学びましたし、侘び寂びとか言っていられないといいますか(笑)。察してもらうというコミュニケーションはなくて、基本は「言わないと伝わんないよ」「ちゃんと言葉にして」と言われるんです。あと英語で喋るときはちょっと強めに言葉をかけたほうが伝わりやすくて、愛想笑いは馬鹿にされていると感じるみたいであんまりよくないんだなと個人的には感じました。
2.日本語以外の言語を喋れるのはすごいこと
あとはやっぱり英語も重要なんだろうなと思います。AIが発達した結果、AIを使わずに喋れる人というのがむしろ評価が高まりそうな気がしていますし、日本語以外の言語を喋れるのは本当にすごいことだと思います。
そして僕がもし0歳、1歳とかに戻って親と話せる機会があるとすれば、ピアノを習わせてもらって音楽的センスを養いたかったですね。ずっと言っているんですけど、僕はどうしても裏拍がわからなくて。もしかしたら音楽的センスは一桁台の年齢のときのほうが培えるのかなと思います。
3.たくさん無茶ができるのも学生のうちだからできること
――これまで経験した中でやっておいてよかったことは?
運動ですかね。僕はバドミントンが好きで中1の頃にめちゃめちゃ頑張っていて、その一年間だけでも一生モノになったんです。汗をかくのはやっぱり楽しいですし、若いうちに何かしらのスポーツをかじっておくというのは将来的に健康という部分でも超重要になる気がしています。大学生のときの長期の休みはバイトと寝ることばっかりしていた気がするんですけど、今考えるともったいないし、運動含めもっと何かできた気がしますね。そしてたくさん無茶ができるのも、学生のうちだからこそできることなのかなと思います。
知識欲がどんどん満たされていくのがこの作品の魅力
――現在、岡本さんが出演するアニメ『神之塔 -Tower of God-』が放送中です。2020年に1期、今年7月から2期の『王子の帰還』編がスタートし、現在は『工房戦』編に突入しましたが、ここまでで感じた面白さや魅力はどういうところにありますか?
やっぱり不思議な世界観だなというのが大きいですね。これはファンタジーなのか、それとも概念的な話なのか、そのわからなさ、“未知”が楽しいという作品だと思います。いきなり草原みたいなところにみんなが集められて戦っていたり、扉が開いた先に行こうとしている金髪の少女を追いかける黒髪の男の子がいたり、状況がわからないままスタートしていったり、種族もさまざまでアナクはラークにトカゲ娘と呼ばれていたり、ラーク自身もワニと言われていたり。もし現実にラークがいたら「うわ、怪物が喋ってる」と言われそうなところを、この世界観ではみんな普通に受け入れていると思うと、精神世界の中とも言えるのかなとか、いろいろと考えられる要素が強いんです。その中でバトル要素ももちろん大切で強さランキング的なものがあって、今はE級選別者という言葉が出てきているけど、「じゃあA級は?」「何ランクまであるの?」という謎もある。そしてどのキャラクターが強くてどういう力を持っているのかや、最初のシーズンで出てきた使い魔のような魚(神海魚)、始動武器は他にどんな種類があるのかとか、知識欲がどんどん満たされていくのがこの作品の魅力なのかなと勝手に思っていますね。
――岡本さんはクンというキャラクターを1期から演じていますが、続けて演じたからこそ見えたものはありますか?
再確認にはなっているんですけど、非情に見えて情に熱い人なんだなというイメージですね。簡単に切り捨てて「次に行くからな」と言っておいて切り捨てない、切り捨てられないみたいな。そこが弱さに繋がるのかもしれないですけど、ある意味人間的で魅力的なキャラクターで、逆にもっと非情になったらもっと早く上に行けた人なのではないかなとも思います。そして知能の高さ、計算高さが強いキャラクターなので、本人の戦闘的な強さでは測れないものがまだあるのがまた魅力だなとも思っていますね。
――2期からは新しいキャラクターが増えていますが、その関わりで新たに見えてきたこともあるのでしょうか。
やっぱり仲間を大切にする人なんだなというのが大きいですね。ラヘルのこともすぐ倒さないのが気になっていて、倒せなかったという説やラヘルの真意を知りたかったという理由とか、いろんな要素はあると思うんですけど、優しさゆえに倒さない説も出てきたなと思っていて。その他の敵も最後までしっかり殺しきれてはいなくて、非情になれるんですけど命までは取れない、そんなところがある気がします。だからその分「次は本当にやるかもしれないよ」という殺気を頑張って出そうとしている、それを出さないとまずいなと思いながらやっている自分がいるので、逆説的に言えば殺せない人なんだなと思っています。
――作中のキャラクターたちはお互いを信頼したり、疑ったりしながら塔の試験に立ち向かっていきますが、岡本さんがもしこの試験の中で仲間を見つけていくとしたら何を重視すると思いますか?
まずは自分の戦闘スキルがどの辺かというのが気になります。正直そんなに強くないんだったら諦めてしまうかもしれません。どうやって強い人たち見つけようかなと考えても、見つけたところですぐ切り捨てられるかもしれないという心配の中で塔を登るのはやっぱり難しい気がしまして。クンくらい実力があればまた話が違うのかもしれないですけど、シビスくらいの戦闘力だとするなら結構大変だなと(笑)。シビスはあの性格によってみんなと信頼を高められている気がしますし、適材適所でどのポジションに行くかというのも大事だとは思うんですけど、マンパワーがないとちょっと進みづらいなと思いますね。この塔で信じられるのは自分だけ、という気がするので(笑)。
――「工房戦」編も後半に突入していきますが、今後の見どころを教えてください。
単純な戦闘能力というのも重要だと思うのですが、クンだと頭のよさや知能、王野だと愛嬌という、力だけじゃ測れない何かというのも今後大事になってきて。ただそれとは矛盾するんですけど、やっぱり力と力が拮抗するバトルも面白くなってくると思います。そしてリップルレッゾの話を聞いていくと世の中にはどんなに強いやつがいるんだろうとどんどんワクワクしていきますし、この世界観の奥が垣間見えるような気がするので僕も今後の展開が楽しみですし、みなさんも楽しみにしてくださいね。
PROFILE
岡本信彦
1986年10月24日生まれ、東京都出身。主な出演作に『僕のヒーローアカデミア』(爆豪勝己役)、『暗殺教室』(赤羽業役)、『ハイキュー!!』(西谷夕役)、『青の祓魔師』(奥村燐役)、『葬送のフリーレン』(ヒンメル)、『WIND BREAKER』(梶蓮)などがある。
アニメ『神之塔 -Tower of God- 工房戦』 TOKYO MX、サンテレビ、KBS京都、BS日テレにて放送中
ファリョンから、これまでの一連の出来事の真実、そしてビオレが"二十五日の夜"であることを聞かされたクンは、夜を再び仲間とするため、王野たちとともに塔の30階で開催される工房戦へ出場を決意する。
FUGの次期スレイヤー候補ビオレを中心にしたFUGチーム。王野とクンが手を組んだチームらーめん丸。エンドロシ、アナクらが参加するシビスチーム。
それぞれの思惑が複雑に交錯する中、今回の工房戦で栄冠を掴むのはどのチームか!?
・放送情報
TOKYO MX 毎週日曜日 23時00分〜23時30分
サンテレビ 毎週日曜日 23時30分〜24時00分
KBS京都毎週日曜日 24時00分~24時30分
BS日テレ毎週月曜日 24時00分~24時30分
・配信情報
見放題配信
配信開始日:毎週日曜日 23時30分から順次配信スタート
アニメ放題、ABEMAプレミアム、auスマートパスプレミアム、J:COM STREAM、TELASA、dアニメストア、DMM TV、Netflix、バンダイチャンネル、Hulu、milplus見放題パックプライム、U-NEXT、Lemino
・都度課金配信
配信開始日:23時30分から順次配信スタート
カンテレドーガ、J:COM STREAM、TELASA、バンダイチャンネル、ビデオマーケット、Prime Video 、milplus、music.jp
※販売価格:HD/SD 220円(税込) ※視聴時間:72時間
・見逃し配信
配信開始日:毎週日曜25:00~順次配信スタート
ABEMA
取材・文/落合由希
撮影/三橋優美子