【町田市】市内の小児科医ら連携して「発達課題児」支援 教育や福祉とネットワーク
発達に課題のある子どもを支えようと町田市周辺の医療や教育、福祉の各分野間でネットワークづくりが進んでいる。情報共有できる会を発足し、発達に課題のある子どもがそれぞれにとって最適な道へと歩めるように導いていきたい考えという。
会発足の発起人となったのは、鶴間で小児科のクリニックを開き、障害児通所支援施設なども運営する佐藤明弘さん。小児科医・子どものこころ専門医として患者と向き合うなか、発達に課題のある子どもがまわりになじめず、不登校や引きこもりになってしまうケースを多数見てきたことが声を挙げるきっかけになったという。発達に課題のあることが分かっても、医療機関として「その後」のフォローをするのには限界があり、保育園や幼稚園、放課後等デイサービスなどと連携していれば孤立することを防ぐことができるのではないかと考えたという。
そこで今年5月に立ち上げたのが、医療や教育、福祉の仕事に就く人たちが名を連ねる「町田MEWの会」。情報共有の場としてオンライン会議などを開催していき、発達に課題のある子どもの特性、その対応策について意見を交わすことで、対象者それぞれにとって最適な道を歩めるように導いていきたいという。
佐藤さんは「町田市内ではそんな連携が進んでいないのが現状。当会がきっかけとなり、発達に課題のある子どもに目を向ける人が増えていけば。いずれより細分化した各地域ごとのグループをつくり、子どもたちの支援にあたっていきたいと考えています」と話す。
会員100人
町田MEWの会は発足後、医療や福祉など、さまざまな分野の講師を招いたオンラインセミナーを月1回のペースで開催。視点を合わせるため、共に学び始めた。今後は対面での研修や交流会なども予定しているといい、佐藤さんは「9月末までにおよそ100人の会員が集まった。活動を充実させていきたい」と意気込む。
一方で、課題となるのがその持続性だ。ボランティアで運営するネットワークのため、セミナーで登壇してくれる講師の謝礼や研修会を開いた際の費用などをいかにまかなっていくかに頭を悩ませているという。
「社会福祉事業にあたる団体からの助成が決まり会を発足したが、これからは寄付やクラウドファンディングなども検討していきたい」と佐藤さん。経済的にも支え合える仕組みづくりにも目を向けていきたいとしている。
10月もセミナー
町田MEWの会の次回オンラインセミナーは10月5日(日)に開催される。大学の准教授を招き、医療・福祉・教育の枠組みを超えたつながりや連携について学ぶといい、佐藤さんは「当会に加入された方は参加できる。お気軽に問い合わせしてもらえれば」と話している。
詳細は町田MEWの会のSNSなどで。