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創業80年の老舗「黒木豆腐店」 生搾り直火炊き製法で作る贅沢豆腐の秘密を聞いてみた【北九州市門司区】

北九州ノコト

(アイキャッチ画像はイメージ)

北九州市門司区高砂町、県道25号線沿いにある「黒木豆腐店」の“生搾り直火炊き製法”で作る贅沢豆腐が絶品と聞いて、実際に訪問。同店のお豆腐の美味しさの秘密を店主の黒木さんに伺いました。

創業80年の「黒木商店」 大豆本来の旨みを感じる豆腐たち

黒木豆腐店は創業から80年ほど続く豆腐店。もともとは病院やスーパー、学校給食などへの卸売りが中心で、最盛期には1日に1000丁以上を作る日も多くあったのだとか。

現在では4代目店主の黒木さんと奥様の2人で店を切り盛りされています。

同店の豆腐は、機械の力を借りずに作る“生搾り直火炊き製法”。日本では昭和の初期頃まで行われていた製法の1つなのだそう。

一晩水に浸した大豆を丹念に洗い、擦った大豆をそのまま搾り(生搾り)、搾って出た豆乳をじっくり直火で炊きあげ、そこに「にがり(塩化マグネシウム)」を加え作られています。

なんとも手間隙のかかる手仕事。1日に作れる数は50丁とのことで、1つ1つ丁寧に作られているのが伝わってきます。

原材料は国産大豆(取材時は福岡県産フクユタカ)と、にがりのみ。にがりも室戸沖の海洋深層水から作られたものを100%使用。大豆の水かし(水を吸わせること)は温度が1℃違うと仕上がりが違ってくるそうで、水かしの具合をみながら、炊きで調整するなど、原材料や製法のシンプルさゆえの苦労もあるのだとか。

毎回、その時の最善をつくして作られる豆腐たち。それでも微妙に出来上がりに差ができるのは、春夏秋冬のある日本において、一期一会の出逢いなのかも…と黒木さんの熱い語りを聞いて感じました。

ずっしり濃厚な「贅沢もめん豆腐」や優しい口どけの「おぼろ豆腐」など

黒木豆腐店の豆腐商品は3種類。ずっしり濃厚な「贅沢もめん豆腐」、優しい口どけの「おぼろ豆腐」、煮てよし焼いてよしの「厚あげ」の3つです。

「贅沢もめん豆腐」は1丁につき、生搾り直火炊き製法豆乳を贅沢に約1リットルも使い仕上げた1品です。

「おぼろ豆腐」は出来たての豆腐をそのままパックに盛り付けたもので、大豆のフレッシュ感を味わう1品。「厚あげ」は言わずもがなの美味しさで、お惣菜としても活用されていました。

初めての人には「食べくらべセット」がおすすめ

同店の豆腐を購入するのが初めての人におすすめなのが、看板商品3つと豆乳の小ボトルがセットになった「食べくらべセット」。1セット1100円と単品で1つずつ買うよりもお得なセットとなっています。

豆乳を実際に頂いてみたのですが、口に含んだ瞬間に「美味しい!」と感動。まるでお豆腐のような滑らかさと濃厚さ、そして大豆の甘みを感じるものでした。

また、お豆腐と同じくお惣菜も人気商品だそうで、取材時には旬の食材を使ったものなど13種類のお惣菜が販売されていました。

黒木さんと奥様による手作りのお惣菜は、少し甘めの心がほっこりするような味付け。1つ200円という価格のほか、耐熱パックに梱包されているので、ふたに穴をあけてレンジで加熱できるというのが嬉しいポイントです。

基本は店頭販売ですが、豆腐を買いに来るお客さんのたっての希望で、毎週金曜日には門司区内の希望地へ車で移動して販売をされているそうです。

黒木豆腐店の<これまで>と<これから>

先代から家業を継いで約20年。この40~50年の間に門司区に15軒ほどあった豆腐店が年々減少し、今では同店を含め2軒となっているそうです。

コロナ禍には飲食店等への豆腐の卸しが激減し、一時は店を閉めようかと思ったこともあったと言いますが、先代から受け継いだ老舗豆腐店の名前を残し、日本の食文化でもある豆腐の美味しさを伝えていきたいと、2年前に「生搾り直火炊き製法」で作り始めたそうです。

現在までのご苦労も伝わってきましたが、お店を営んでいて良かったことを尋ねたところ、「この方法に出逢えたこと」と笑顔で話してくれました。

「窓口販売所 日々(にちにち)」で豆腐スイーツも

2022年5月、同店内にオープンしたという手造り豆腐研究所「窓口販売所 日々(にちにち)」では、豆乳わらび餅や、豆腐を使ったケーキも販売しています。

酒粕の香りがほんのりとして食べやすい「酒粕と豆腐のケーキ」や「紅茶と豆腐のケーキ」のほか、取材時は新商品の「珈琲と豆腐のケーキ」が販売されていました。バレンタインの季節にはチョコレートを使用したわらび餅やケーキも人気なのだそう。

豆腐はもちろん、季節にあわせた“豆腐スイーツ”も楽しみですね。

最新の情報はお店のInstagram(黒木豆腐店)で確認できます。

<黒木豆腐店>
■住所/北九州市門司区高砂町1‐15
■定休日/月曜日
■営業時間/11:00~17:00頃(商品が無くなり次第終了)
■駐車場/無し
■最寄バス停/西鉄バス 高砂町

※2024年9月13日現在の情報です

(ライター・kohalu.7)

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