バイオディーゼル燃料の実証実験始まる、四日市港、コンテナの荷役機械から
三重県の四日市港で1月16日、脱炭素化を実現するためのひとつの実証実験が始まった。植物由来の使用済み廃食用油などを処理してつくるバイオディーゼル燃料を使う試みで、通常のディーゼルエンジンの作業用機械などに給油し、操作性や動作などの技術的な課題があるかどうかなど、各種のデータを集めるという。
温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする港湾の脱炭素化(カーボンニュートラルポート)を実現するため、四日市港管理組合が行う実験で、三重県が実施している「カーボンニュートラルコンビナート推進のための調査・実証事業」で、その推進に参画している出光興産などの協力を得て行うという。
この日は、四日市港霞ケ浦地区南ふ頭コンテナターミナルで、コンテナの積み降ろしを行う日本トランスシティ所有の荷役機械(トップリフター)に、バイオディーゼル燃料「HVO」と軽油の混合油を入れた。今後、2~3週間程度、データを集める予定という。港管理組合や関係企業、報道関係者ら約20人が給油を見守った。
トップリフターにバイオディーゼル燃料と軽油の混合油が入れられた
港管理組合の資料によると、バイオディーゼル燃料は、もとの植物が成長過程での光合成で空気中の二酸化炭素を吸収しているため、燃料使用時の排出量は相殺され、カーボンニュートラルな燃料として注目されているという。メチルエステル化処理でつくる「FAME」と、水素化処理でつくる「HVO」があるとされ、この日は「HVO」との混合油が用いられた。1月28日に、四日市地区ひき船桟橋で、港管理組合のひき船に「FAME」とA重油の混合油を用いての実証実験も始まるという。(記事中の写真は、いずれも四日市港管理組合提供)