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徳原太朗署長 「現状を知ることが大切」

タウンニュース

犯罪・事故への対策方法を語る徳原署長

「安全で誰もが安心して元気に暮らせるまち」を掲げる港南区。事業所や自治会と協力して対策を推し進め、2024年は特殊詐欺・交通事故ともに件数が大きく減少。しかし、港南警察署の徳原太朗署長は「被害届が提出されずに認知されていない場合もある。被害自体が大幅に減ったとは考えていない」と語る。また、ロマンス詐欺は件数が減少するも被害額が前年比で1億400万円増の2億3000万円。SNSを介しての犯行など、手口は従来の特殊詐欺から変化を見せている。そこで、徳原署長に港南区の現状、区民が気を付けるべき点について聞いた。

特殊詐欺

―2024年は特殊詐欺の件数・被害額ともに減少しましたが、被害状況について詳しく教えてください。

「認知件数は2024年が30件で前年から24件減少。被害額は4300万円となっています。

手口としては区役所の職員を名乗り、『医療費が一部返還される』などと言いながらキャッシュカードの番号を聞き出す還付金詐欺という手法が多いです。

知らない番号から電話がかかってきても、安易に個人情報をしゃべらないのが肝要です」

―どのような人が被害に遭いやすいでしょうか。

「統計上は70代以上の女性。特に固定電話に着信があったら、電話の相手を確認せず、応対する人です。しかし、誰もが被害に遭う可能性があります。皆様に注意していただきたいです」

―どのように対策するべきでしょうか。

「公的機関が通帳を預かることはありません。他人にキャッシュカード・通帳を渡さない、そして暗証番号を教えない、この2点をしっかり守っていただければ。また『国際電話不取扱受付センター』を利用して海外から電話をかける犯人の着信を休止させるのも有効です」

―署として、どのような対策を行っていますか。

「金融機関に対しては、『65歳以上が300万円以上の現金を降ろす際には警察に連絡して欲しい』と伝えています。昨年は皆様の協力もあり、特殊詐欺の阻止率が県内でトップでした」

ロマンス・投資詐欺

―ロマンス・投資詐欺の被害状況を教えてください。

「神奈川県全体では増加傾向にありますが、港南区は2024年の認知件数が10件で前年から4件減少。ただ、被害額は2億3000万で1件あたりの被害額が大きくなる傾向にあります。ロマンス・投資詐欺は時間をかけて信用を得てからお金の話に誘導することが理由の1つだと推察できます」

―手口の特徴を教えてください。

「どちらもSNSなどを介して、対面せずに行われるのが特徴。被害者は40から60歳の男性が多いですが、性別・年代問わずターゲットになります。ロマンス詐欺は、最初に共通の趣味などを話題にして近づき、関係性を構築します。その後、被害に遭うまでの過程は人によって違います。しかし、一部では『良い話がある』と勧誘して投資詐欺につなげる場合もあるようです。

また、現在インターネットで投資について検索するとさまざまなサイトが表示されます。なかには、アクセスした人をSNS内のグループに招待し、成功事例を見せて信用させる流れで、騙されてしまう人もいるようです。それ以外も、投資をさせた後に利益が出ているように見せかけ、『配当金を受け取るには手数料が必要』と言って金を要求するようなパターンもあります」

―対策方法はあるのでしょうか。

「詐欺の手口はより巧妙に、そして多様化しています。SNSで知り合った人からお金の話が出た時は注意が必要です。特に投資詐欺に関しては『元本は保証される』などの言葉に惑わされない。そして、世の中でこのような詐欺が発生していること、手口を知っておくことが大切です。私たちも引き続き、啓発に努めていきます」

交通事故

―交通事故の発生状況は如何でしょうか。

「2024年が411件で前年から88件の減少。死者は前年から2人減って0人、負傷者も130人減り477人となりました。全体的に減少していますが、交差点などで車両が衝突する出会い頭の事故が増えています。信号の有無に関わらず、自動車と自転車、バイクと自転車など、さまざまな組み合わせで発生しています」

―どのように対策すればよいでしょうか。

「『この時間は交通量が少ないだろう』といった思い込みをせずに、慣れ親しんだ道でもさまざまなことを想定していただきたいです。気の持ちようで、きっと減らせる事故だと思います」

―署で行う対策はどのようなものがありますか。

「小学生が登下校をする時間にあたる午前8時と午後3時に合わせて行う見守り活動『港南ひまわり83運動』があります。署としては、この時間帯に交番勤務員が交番の前に立ち、警戒に当たっています。これを継続して行きたいです。

また、地域の人々が行っている夜間の自主的なパトロール活動もあります。警察署としても昨年は70回以上、各地域のパトロールに参加しました。今後も区や地域住民と連携を取りながら、参加を継続していきたいです」

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