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【京都観光のいま】 タイの魅力を京都から。農園での野菜栽培や農業体験など、地域の営みを伝える観光~デュシタニ京都~

京都観光Naviぷらす

東南アジアのなかでも豊かな文化と歴史をもち、美食の国としても知られるタイ。そんなタイ発のラグジュアリーホテル「デュシタニ京都」は、京都に農園をもち、野菜栽培や農業体験で注目を集めています。京都市が推進する京都観光モラル事業の「持続可能な京都観光を推進する優良事業者」に選ばれ、サービスの質の向上や地域連携、持続可能な観光事業への取り組みが高く評価されています。
◇持続可能な京都観光を推進する優良事業者
https://www.moral.kyokanko.or.jp/


デュシタニ京都 総支配人 山下誠さん
(画像提供:デュシタニ京都)

タイと京都、二つの古都の文化が調和するラグジュアリーホテル


(画像提供:デュシタニ京都)

京都駅に近く、東と西、二つの本願寺にはさまれたエリアに、2023年に誕生した「デュシタニ京都」。館内にいると、細やかな日本の建築文化と優雅なタイの感性が融合した、まったく新しい視点から生まれたロビースペースが広がります。奥には木組みの格子と床の間が印象的なティーサロンが設けられ、壁面には京とタイの街並みがシルエットで描かれるなど、ラグジュアリーな空間で二つの古都の文化が見事に融合しています。



世界各国にホテルを展開するデュシタニグループが日本初出店の地に京都を選んだのは、「親和性が大きな理由の一つ」だと総支配人の山下誠さんは話します。「京都を拠点に、日本や世界でブランドの知名度を高め、京都ならではのプランを発信していきたい」と、地域文化を活かした取り組みを続けています。


(画像提供:デュシタニ京都)

レストランではタイ料理も提供されており、特にメインダイニング「Ayatana」では現代的にアレンジされたタイ料理をホテルで楽しめます。地元京都ほか関西圏から訪れる利用客も多いといいます。


また、宿泊客の5~6割は欧米からの訪日客で、日本文化体験を楽しむ方も多く見られます。鮨カウンターや日本のウイスキーなどを取り揃えたバーや、定期的に行われる舞妓による舞や呈茶などの抹茶体験が好評です。


(画像提供:デュシタニ京都)

京の地で農園を運営。食材栽培のほか、農業体験プランを提供


大きな特徴の一つが、京都郊外に開設された農園です。左京区大原の「OHARA FARMY」が運営する農地の一角を活用した農園「デュシット・ファーム」では、タイ料理に欠かせないパクチーなどをはじめとした野菜を栽培し、同館や姉妹ホテル「ASAI京都四条」のレストラン・バーで提供しています。


(画像提供:デュシタニ京都)

農園には、従業員だけでなく山下総支配人自らも足を運んでいるのだとか。「有機栽培は酷暑での草取りや、野生動物の侵入対策など大変なことも多いのですが、苦労を知れば食材を大切にする心も生まれ、廃棄削減にもつながります。旬を肌で感じることで、お客様に季節の野菜の魅力をお伝えすることもできます。」
こういったサービスはもちろん、環境を守ることの大切さを学ぶ機会にもなっているといいます。


(画像提供:デュシタニ京都)

さらに、京都府南部・和束町の茶農家と連携し、「デュシット・ティー・ガーデン」も開設。レストランやロビーラウンジでは、自社農園で栽培されたお茶を楽しむことができます。
こうした取り組みを宿泊客にも展開し、農園や茶畑での収穫体験プランを提供。観光客から人気を集めています。


 循環型農業の導入も予定しており、生ごみを堆肥にして茶畑へと還元する仕組みを現在構築中だとか。自然資源の循環はもちろん、地域の農業振興、伝統的な茶畑の景観保全など、さまざまな視点から地域社会に貢献していくことを目指しています。


 独自のスクールで人材を育成。積極的に地域活動にも参加


デュシタニ京都では、ハイエンドなホスピタリティの提供を目指し、人材育成に力をいれてきました。ホテルグループでは「デュシタニカレッジ」という独自の学校を開設。従業員のレベルに応じたトレーニングを継続して行い、質の高いサービスやタイの文化を学ぶことで差別化を図っています。その取り組みが評価され、ミシュランガイドの「ミシュランキーホテルセレクション」において、開業1年目にして「1ミシュランキー」を受賞し、2年目も引き続きその評価を得ています。


(画像提供:デュシタニ京都)

施設面では京都の景観に配慮した低層建築を採用。外観は一見するとシンプルな造りにみえますが、一歩館内へ入ると、どのフロアからも中庭を眺められるようになっており、外観からは想像のつかない広々とした緑ゆたかな空間が広がっています。客室も障子越しに中庭や坪庭が見えるしつらえで、京都らしさを感じさせてくれます。


ホテルは小学校の跡地に建てられていることもあり、敷地内には地域のコミュニティセンターが併設されています。スタッフが消防団に加入しているほか、地元の祭りへの参加や、ソフトボール大会に出場するなど、地域とも積極的に交流をもち、地元にも愛されるホテルをめざしているといいます。


読経が響く朝のまち歩き。京の日常を体験するプラン


地域とのつながりを大切にする「ローカリティ」と合わせて、「サステナビリティ」「パーソナライズサービス」「ウエルビーイング」を4つのキーとして掲げています。館内にスパやプール、ジムなどの施設を充実させているほか、朝のウォーキングなど健康に配慮した体験プランも実施しています。

(画像提供:デュシタニ京都)

中でも人気が高いのは、ホテル近隣の寺院の朝の読経をめぐるウォーキング。「観光ではなく、まちの人々が数百年にわたって連綿と続けてこられた暮らしの“営み”を感じていただくことも目的の一つです」と山下総支配人は話します。外国人だけでなく日本の観光客にも好評で、「京都の日常を知ってもらう取り組みは、地域・時間帯などの混雑回避にもつながる」とのこと。
観光資源だけでなく、宿泊や食事、体験が一体となって機能するレジャーデスティネーションの観点から、新しい魅力の発信を続けていきたいと考えています。


(画像提供:デュシタニ京都)

また、京文化だけでなく、タイの魅力を伝える取り組みにも力を入れています。世界的なタイ料理ブームを背景に、京都のパン文化と融合させた「タイカレーパン」も販売。二つの国の特色を生かした同館ならではの提案を今後も進めていく予定とか。


(画像提供:デュシタニ京都)

「ゆったりと流れる時間や非日常の提供は欧米系のホテルとはひと味違う、アジアならではの私たちの強みの一つであり、京都のまちとも親和すると感じています」と山下総支配人。京都からタイのDNAを発信し、サステナブルで心豊かな滞在を提案しています。


■リンク

◇京都観光モラル】優良事例集
https://www.moral.kyokanko.or.jp/

◇デュシタニ京都ホームページ
https://www.dusit.com/dusitthani-kyoto/ja/

記事を書いた人:上田 ふみこ

ライター・プランナー。京都を中心に、取材・執筆、企画・編集、PRなどを手掛け、まちをかけずりまわって30年。まちかどの語り部の方々からうかがう生きた歴史を、なんとか残せないかと日々奮闘中。

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