学童?放デイ?自閉症グレー息子の「放課後の居場所」探し。支援センターで知った事実に衝撃…
監修:室伏佑香
東京女子医科大学八千代医療センター 神経小児科/名古屋市立大学大学院 医学研究科 生殖・遺伝医学講座 新生児・小児医学 博士課程
学童?放課後等デイサービス?
長男の小学校入学を翌年に控えた11月。就学相談の結果、無事に希望が通り、特別支援学級へ就学することが決まりました。ホッとしたのも束の間、次なる悩みが出てきました……。
それは長男の「放課後の居場所」をどうするか?ということでした。わが家は共働きのため、小学校が終わった後、長男が過ごす場所が必要になります。小学校内に設置されている学童へ通うのか、はたまた放課後等デイサービスを利用するのか……。私たち夫婦はその2択で悩んでいました。
児童発達支援センターへ相談
自分たちだけでは決めかねたので、児童発達支援センターで相談させていただくことにしました。
調べてもらうと、わが家から近くて通いやすい場所には、放課後等デイサービスが1つもないということが分かりました。少し遠くになってよいならいくつかあるけれど、どこも人気があるので、すでに満員でキャンセル待ちになる可能性が高いということでした。
放課後等デイサービスが近くになく、遠いところでもどこも激戦という話を踏まえて、私たちは再び考えました。長男が通うのは特別支援学級だし、やはり通常学級の子たちとの関わりも持ってもらいたいという願いもあり、学童に入ることを決めました!
そして学童に通い出し…
幸い、学童には空きがあり、小学校入学と同時に入ることができました。入学してすぐの時期は学校に慣れることを優先し、放課後に学童は利用せず自宅で過ごしていた長男。私も長男に合わせ仕事量を減らし、帰宅した長男に学校の様子を聞いたり、宿題を見てあげたりしていました。
そして特別支援学級に通い出して1ヶ月経ち慣れてきた頃、まずは様子を見るため1時間から学童の利用を始めました。
学童への引き渡しは学校側で行ってもらえるということでしたが、初めての日は特別支援学級の担任の先生から離れようとせず、なかなか学童へ行くことができなかった長男。落ち着くまで、しばらく担任の先生が付き添ってくれていたそうです。
しかし、1度行ったことで学童の楽しさを感じられたからか、行き渋ったのは初日だけで、2回目からは一人で学童へ行くことができるようになりました。長男の様子を見て大丈夫そうだと感じたので、学童に通い始めてから1ヶ月後には、2時間程預けることも多くなりました。
学童に通い始めて半年ほど経った今では、すっかり環境に慣れたようで、通常学級の子とも一緒に遊ぶなど関わる時間が増えて、本人も学童の時間を楽しんでいるようでした!
今のところ毎日学校にも学童にも嫌がらず楽しそうに通ってくれているので、とても安心しています。
執筆/プクティ
(監修:室伏先生より)
長男さんが学童の時間を楽しんでいるとのこと、本当にうれしいですね。学童か放課後等デイサービスの選択で迷われる親御さんは多いですが、お子さんが快適に楽しく過ごせることが一番大切ですよね。
学童のメリットは、プクティさんもおっしゃってくださった通り、通常学級のお子さんとの交流ができる点です。一方で、ケアできる大人の数に対してお子さんの人数が多いため、サポートが行き届かず、お子さんの特性によっては過ごしにくい場合もあります。
放課後等デイサービスでは、施設ごとに異なる療育やプログラムが提供されており、お子さんに合った場所を見つけやすいです。ただ、希望する施設に空きがないことや、複数の施設に通う必要が出てくる場合もあります。また、送迎が必要だったり、利用時間が学童より短いこともあり(特に長期休暇など)、保護者の勤務に影響を与えることも考えられます。
どちらを選ぶにしても、実際に見学して、親子で安心して過ごせる場所を見つけられるといいですね。
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。