【実録】びっくりドンキーがなぜ「回鍋肉」を…? その実力は→食べてみたらまさかの“策士”だった…!
「なぜ回鍋肉…?」
【全写真】これが「びくドンの回鍋肉」の全貌だ!画像ギャラリーで詳しく紹介
率直な印象はこれだった。びっくりドンキーが中華の人気メニュー“回鍋肉(ホイコーロー)”をウリにした期間限定メニューを販売しているというのである。
ハンバーグを筆頭に肉グルメに定評のあるびっくりドンキーなので、別に回鍋肉が守備範囲じゃないということはない。しかし逆に言うと、ハンバーグでこれだけ地位を確立しているにも関わらずあえて回鍋肉をやる真の意図とは…!?
…そんな切迫感のある問いかけをするような話ではないが、気になったので実食してみたところ、びっくりドンキーの策士ぶりに静かに震えることになったのだった。その顛末をお伝えします。
「びっくりドンキーの回鍋肉」、その味わいは意外にも…
今回ご紹介するメニューは、「ごはん、すすむ、すすむ。」というコピーが添えられた期間限定メニュー2種のうちのひとつ。1品は『タルタルザンギ&ハンバーグディッシュ』。そしてもうひとつが、『回鍋肉&ハンバーグディッシュ』だ。
タルタルザンギの方は、実は以前よりサイドメニューでザンギを展開していることもあって、自然な流れだなと思う。気になるのはやはり回鍋肉だ。
考える間も惜しいのでさっそく注文。今回はSサイズ1,420円を注文した(各サイズによってハンバーグの量が異なる)。
これがびっくりドンキーの回鍋肉か…。具材は回鍋肉に欠かせない豚肉とキャベツに、ピーマン、赤・黄のパプリカが確認できた。この野菜の多彩さは嬉しい。
さてその実力やいかに。さっそくひと口。
…ほお。おお。なるほど。意外なのだけど、なんというか、おだやかだ。
たとえば老舗の町中華屋なんかで食べるとかなり濃いめに味付けされていることもある回鍋肉だが、あくまで筆者の主観にはなるがびっくりドンキーの回鍋肉は味が濃いということはなく、味自体もなんだかおだやかなのだ。
とは言えただ味が薄いというわけでもなくて、要は味付けの方向性の話なのだと思う。幅広い世代の好みにアジャストしようとした結果がこのおだやかさなんだろうなと。
ごはんと食べてももちろん普通にうまいし、立派にごはんがすすむ。びっくりドンキーの新たな一面に不思議と癒しの気分すら覚えながら食べていると、視界にあるものが飛び込んできた。
実は隠れたポテンシャルを持っていたことが判明
しばらく回鍋肉と向き合っていると、ふと横に目をやるとヤツがいた。そう、ハンバーグだ。
…いや、“ヤツがいた”もなにも、びくドン的にはこっちが元祖というか先輩なのだけど。今回の主役は回鍋肉という心づもりでいたので、勝手にちょっとサイド的な位置づけになってた。ひと口食べると、うん、安心の美味しさだ。
ここで食べ進めていた回鍋肉エリアに目線を戻すと、残った回鍋肉のタレが目に入った。んー。一瞬の逡巡ののち、ハンバーグをひと口分箸でつかみ、回鍋肉のタレに絡めて食べてみた。
…
…
これはいける……!
そもそもびっくりドンキーにはチーズソースやカレーソースが追加できるなど、ハンバーグに+@の味変ができるようになっているのだが、その発想で何気なく回鍋肉のタレをつけてみたところ、ガッツリ感を増した美味さを放つようになった。
びくドンのハンバーグの肉の旨味と、味噌ベースのソースの相性がシンプルによいのだ。
まさか回鍋肉にこんなポテンシャルが潜んでいたとは。言うまでもなくごはんもめちゃくちゃすすむ。
さらに皿の上部を見ると、付け合わせのディッシュサラダの上にぽてんと盛られた“あるもの”が目に飛び込んできた。
これは一見ただのマヨネーズにも見えるが、実はオリジナルのマヨネーズタイプドレッシングなのだ。
こいつを箸で少し取って、今度は回鍋肉の豚肉にオンしてひと口。
…
…
…
うまああああ……!
これは発想的には豚の生姜焼きにマヨが添えられているやつの延長なので、ある意味正解が保証されていると言ってもよいアイデアではある。
実際、回鍋肉とマヨドレの相性がよくないわけがない。というか味噌ダレとマヨのコク深いマッチング感は、生姜焼き×マヨにない美味さを持っているとすら言えるのでは。
カロリー的には禁断の美味だが、このひと皿の中にこんな大正解が隠されていたのかとガッツポーズしてしまった。
というわけであっという間に完食。おだやかな印象から始まって、最終的にはガッツリ満足感のなかのフィニッシュとなった。
一見意外に思えた「びっくりドンキーの回鍋肉」は、実はそこに同居するハンバーグとサラダ、つまりびくドンの主力選手たちとかけ合わせることでその美味しさが何倍にも増幅される、ある意味非常に「策士」なメニューだった。
びっくりドンキーが誇るラインナップ、その奥深さに改めて気づかされた期間限定メニュー。気になる人はぜひ店舗で確かめてみては?
(うまい肉/篠崎 聡)