佐倉市でミツバチを育てる。「伝える養蜂家」を目指す青木小百合さん
トーストやヨーグルトにたっぷりかける、あまーい蜂蜜。ここ佐倉でも採れることを知っていますか。9年前から約20万匹のミツバチを育てる女性に話を聞きました。
少女の頃に読んだ本に導かれるように
「養蜂家」を知っていますか。
ミツバチを飼い、彼らが集めてくる蜂蜜を私たちの食卓に届けてくれる仕事です。
幼い頃から自然が大好きで、薬草園の管理の仕事をしていた青木小百合さん(51歳)を養蜂の世界にいざなったのは、1冊の本でした。
その本とは、小学2年生の読書感想文課題図書だった『みつばちの家族は50000びき』(文研出版)。
ミツバチの暮らしぶり、仕事ぶりが分かりやすく書かれています。
「40歳を過ぎて、本格的に農業を学ぼうと専門学校のパンフレットを見ていたら、養蜂家養成コースという文字が目に飛び込んできて。瞬間、何か大切なものを思い出した気持ちになりました」
ミツバチと人間が共存できるように
「ハチと聞くだけで怖い、と思う人も多いと思いますが、実はミツバチは人を刺すことはほとんどないんです。ミツバチのことを広く知ってもらうことが、人間と上手に共存できる環境づくりにつながる。ミツバチが働きやすくなれば、蜂蜜もたくさん採れるんです」
多忙な養蜂業の合間に青木さんが講師を務めるワークショップでは、実際のハチの巣を観察しながら、ミツバチの家族や生態、働きぶりを学び、巣から蜂蜜を遠心分離機で絞る体験まですることができます。
「蜜源調べ」でミツバチの目になる
青木さんを講師に招き、環境再生型の協働農園を営む(一社)フィールズ・フィールズ開催の子ども向けワークでは、蜜源、つまりミツバチが蜜を集める花を見にいくことも。
マサキやヤブガラシなど、生垣や雑草と呼ばれる草の花も貴重な蜜源です。
屋外での観察から部屋に戻ったら、人間と違って赤を識別できないというミツバチの目でお花畑を描き、イメージをふくらませます。
1匹のミツバチが一生で集める蜂蜜は、わずかティースプーン1杯といいます。
ミツバチと青木さんたち養蜂家の仕事に感謝しながら、おいしくいただきたいものです。
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