ドブ板通り商店街 フラッグが発信媒体に 狙うは客層の若返り
横須賀のご当地ファッション「スカジャン」の発祥地として知られるドブ板通り商店街振興組合は7月末、メインストリートの街路灯に掲出しているフラッグを3年ぶりに新調した。今回は新たな試みとして、フラッグにスマートフォンをかざすと数十秒のオリジナル映像が見られるAR機能を実装。デジタルツールに親しむ若い世代の来訪を促し、商店街での買い物や散策を楽しんでもらう。
狙うは客層の若返り
デザイン性に富んだストリートフラッグは、ドブ板通りの名物的存在。
2003年からコンテスト形式でデザインを公募して優秀作品を採用してきた。これまでは浮世絵を代表とする日本文化やジャズ、ネイビーバーガー、ペリー提督などをモチーフにしたものがあり、通りに彩りを添えてきた。21年からはスカジャン絵師で同商店街の運営メンバーでもある横地広海知さんがデザインを担当。今回のフラッグは20年の東京五輪開催に合わせて制作したスカジャンの柄を踏襲したリ・デザインで、対峙するタイガー&ドラゴンをメインに、商店街にある不動産店の古い看板に描かれている「ドブ板通り」の文字柄を引用して往時の雰囲気の再現を試みた。
インスタグラムのアプリを使った飛び出すARフラッグの仕掛けも横地さんが構築。客層の若返りを狙ったもので、「スカジャン柄が動き出すアニメーションとともに、戦後のドブ板を象徴するスーベニアショップ(土産物店)や在りし日のEMクラブの建物写真などをスライド表示することで、この街の来し方を伝えたい」と横地さん。映像内容は定期的に更新し、キャンペーンやセール情報なども発信していくほか、ARおみくじなどのゲーム性も盛り込んで飽きさせない工夫を凝らすという。フラッグは同商店街内に約35枚掲出されている。