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パラアスリート山本篤さんから「チャレンジ」学ぶ、四日市の羽津小学校で体験授業

YOUよっかいち

義足の体験をする子どもたちにアドバイスする山本篤さん=四日市市大宮町

 元パラ陸上競技のメダリスト山本篤さん(42)を講師に招いた体験授業が1月29日、三重県四日市市の羽津小学校であった。子どもたちは義足をつけて走ってみる体験をし、山本さんのスポーツへの熱意を聞いた。山本さんは「チェレンジ」の大切さ、楽しさを子どもたちに伝えた。

 三菱ケミカルグループが、2021年から続けている企画で、パラアスリートが困難を乗り越える強さや、目標に向かって努力する大切さを感じ取ってもらおうと開いている。今回で8回目で、三重県での開催は初めてという。

 体育館に4年生の児童約80人が集まり、山本さんが義足で走る姿を見たあと、体験用の義足をつけて、マットの上を歩いたり、飛び跳ねながら走ってみたりした。山本さんは足の上げ方などをアドバイスした。

義足の体験で子どもたちと交流する山本篤さん

 体験のあと、山本さんが高校生の時に事故で片足を切断し、義足をつけたことで新しい世界を見つけ、スノーボードや陸上競技などのスポーツ競技に挑戦してきた半生を語った。

 今はゴルフに打ち込んでいるという。「僕は40歳を過ぎてから『無理かなあ』と思うこともできたけど、君たちは若い。25歳くらいになるまでは、簡単に『無理だ』なんてあきらめず、チャレンジすることの楽しさや大切さを大事にしてほしい」と呼びかけた。「英語の勉強も大切にして」とも話し、世界に出た時に、英語が大事な道具になることを体験などを交えて話した。

スポーツに取り組む熱意を語った山本篤さん

 山本さんは、20年近く前からパラアスリートと子どもたちの出会いをつくるこうした企画に参加してきたといい、そのころと比べ、今は、子どもたちにもパラスポーツが普通に親しまれ、認識されていると感じているという。

 山本さんは静岡県掛川市の生まれ。2002年の日本身体障碍者陸上競技選手権の参加から記録を伸ばし、世界をめざすように。2008年の北京パラリンピックは100mで5位、走り幅跳びで銀メダルと、日本パラリンピック陸上の義足アスリートでは初のメダリストになったとされる。2016年のリオパラリンピックでも走り幅跳びで銀メダル、400mリレーでは銅メダルを獲得するなど、世界選手権やアジアパラ競技大会など数々の大会で活躍した。

 三菱ケミカルグループは、競技用義足のブレード(板ばね)に使われる炭素繊維の製造や技術開発などにグループ全体で取り組み、山本さんとの出会いから長い間、山本さんの競技生活や記録更新を支えたという。ブレード素材の研究は、航空機や人工衛星などにも活用されているという。

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