妻には言わない…夫たちに聞いた“離婚”を考えた瞬間 #10「一瞬で萎えた…もう愛情はありません」
夫婦であっても別の人間同士。いつも同じ気持ちで過ごすのは難しいし、うまくいっていると思っても配偶者は反対のことを考えていた、なんてこともありえます。
妻は何とも思わなくても、ふとした瞬間に「離婚」の文字が頭をよぎった夫は、妻に気持ちを伝えないまま何を考えるのでしょうか。
「妻との離婚を考えたのは、俺が仕事で骨折して入院になったときです。労災だと正しく認められて、いろいろな保障などきちんと会社は手続きをしてくれました。
それが決まる前、病院のベッドで片足を吊られて動けない俺に向かって、妻は『会社と争うことになったら、私はあの子たちを連れて実家に帰るからね』と言ったんですね。
当時、妻は会社で配置転換があり、慣れない業務で心労が続いていたことは理解しています。そんなときに入院してしまって本当に申し訳なくて、何度も謝りました。それなのにこんな言葉が飛び出してきて、一瞬で愛情が萎えましたね。
労災が認定される可能性は高いと予想していたので『わかった』とだけ答えましたが、もし認められなかったら自分はひとりで会社とたたかう羽目になるのかと思うと、夫婦でいる意味がわからなくなりました。
結局すぐに労災と認定され、家のことは義母から連絡があって『私たちが行くから、きちんと治してね』と言ってもらえて、そのときは本当にうれしかったです。
でも妻はあのときの言葉について謝ることもえず、病院に来れば仕事の愚痴と『あなたの世話までしないといけないなんて』とため息をつくばかりで、正直に言えばもう愛情はありません。
妻の大変さもわかるけれど俺だって好きで骨折したわけじゃないし、こっちばかり責める妻を見ていると離婚の文字が頭をよぎります。
義母たちには感謝しているし実際に別れることはしないと思いますが、退院後はどんな夫婦生活になるか、別の女性に癒やしを求めてしまいそうな自分がいます」(35歳/土木)
「あの頃は妻もギリギリの精神状態で、俺のことまで考える余裕はなかったと思う」とこちらの男性は話していましたが、夫のピンチに早々に見切りをつけて離れる選択を告げることが、果たして愛情と呼べるかは疑問です。
男性がつらかったのは「お荷物のように扱われる自分」で、問題なく労災と認められるような怪我であってもまったくいたわってくれない妻を見れば、気持ちが萎えるのは仕方ないとも感じます。
実際に離婚することはなくても、今後の夫婦生活に影響が出る可能性は避けられません。
(ハピママ*/弘田 香)