普段食べている揖保乃糸は「上級」。その上を行く「三神」「特級」とは?
「そうめんやっぱり揖保乃糸~♪」でおなじみ、手延そうめん「揖保乃糸」といえば、兵庫県播磨地方の名品です。
暑くて食欲が無くなるこの時期でも、そうめんなら「つるつるっと食べられる」なんて方もいるんじゃないでしょうか。
「揖保乃糸」は兵庫県手延素麺協同組合が、厳選した小麦と赤穂の塩を原料にして、約600年受け継がれる伝統の手延製法で作っている「そうめん」です。
ご存じの方もいるかもしれませんが、この「揖保乃糸」には等級が7つあります。 小麦粉の質、原材料、めんの細さ、製造時期などで等級が分かれていて、私たちがスーパーなどでよく買うのは、「赤い帯」で束ねられた「上級」になります。全生産量のおよそ80%を占めているので、大半はこちらになります。
では、このおなじみの「上級」以外にどんなものがあるのかご紹介します。
「縒つむぎ(よりつむぎ)」
紫の帯で束ねられています。絹のように輝く細さと、ゆがいた後の麺のつやも良く、もちもちとした食感とのどごしのバランス、そして小麦本来の風味が味わえる逸品です。
「太づくり」
一方、「太づくり」も紫色の帯で束ねられています。原料に北海道産小麦「きたほなみ」を使用し、そうめんでは感じたことのないモチモチ・プルプルっとした食感が楽しめます。本来の手延べそうめんより少し太くすることで、心地よい歯切れもあります。揖保乃糸の中では一番太いです。
「播州小麦(ばんしゅうこむぎ)」
粘りが持ち味の小麦「ふくほのか」と、弾力性のある小麦「ゆめちから」をブレンド。"もちもち"とした食感と「播州小麦」の風味、それに独特のコシを楽しめます。
「熟成麺」
「揖保乃糸」の職人技の伝承を目的に誕生したそうめんです。厚生労働省認定の「製麺技能士」という国家資格をもった方が作っています。製造後1年間は、専用の倉庫でゆっくり熟成されています。麺のつや、太さ、のどごしもちょうどよいです。
「特級」
黒い帯の特級は上質の小麦粉を使用して、寒い時期に作られています。製造は組合が選抜指定した熟練製造者に限定されている逸品。こちらは、少し高級なスーパーなどでも取り扱いがあります。揖保乃糸の中では2番目に細く、食欲がなくてもスルスルと口に入っていく感じです。
「三神(さんしん)」
揖保乃糸でも最も高級なのが三つの神様とかいて「三神」。上質の原料小麦粉を使用し、組合が選抜指定したわずか数軒の熟練した製造者にしか作れないそうめんです。ですので製造量は「揖保乃糸」全体のごく僅かしかありません。揖保乃糸の中では一番細いです。明らかに他のそうめんと違い、口の中に勝手に入っていく感じがあります。
「三神」は主に贈答用なので大手百貨店、もしくはそのオンラインショップで購入することができます。お中元シーズンに出回るので、今まさに販売されていますが、すでに品薄になっているところもあるかもしれません。産地のたつの市周辺の百貨店なら、もう少し長いシーズン手に入るということです。
ぜひ様々な特徴をもつ「揖保乃糸」を食べ比べてみてください!いつもとはちょっと違う夏を味わえるかもしれません!