心ときめく大正ロマンの世界へ「竹久夢二展」11月21日(金)から開催
「ときめきの大正ロマン 竹久夢二展」は、2025年11月21日(金)から30日(日)まで、ゆめタウン佐賀1階ウエストコートで開催されます。大正時代の初版を含む木版画約40点と、可愛い夢二雑貨が勢ぞろい。懐かしくて新しい夢二の世界を体感できる貴重な機会です。
時代を超えて愛される「夢二式美人」
竹久夢二は大正時代を代表する画家で、詩人・デザイナーとしても活躍しました。西洋の最先端のスタイルと、日本古来の抒情性を強く掛け合わせた彼の作品は、大正ロマンの象徴として知られています。
夢二の描く女性は、やや上目遣いのつぶらな瞳、華奢で儚げな姿で「夢二式美人」と呼ばれて人気を博し、現在でも多くのファンを魅了しています。独自の表現による美人画を生み出した夢二は「大正の歌麿」と称されました。
展示の見どころ:木版画の名作と夢二グッズ
本展では抒情性豊かな美人画、詩情あふれる挿絵、婦人グラフ表紙、セノオ楽譜など、夢二芸術のエッセンスを凝縮した名作木版画の数々を展示販売します。
特に注目されるのが、大正8年に描かれた代表作「黒船屋」です。夢二式美人の完成形といわれる作品で、憂いを秘めた表情が時代を超えて支持されています。
また、大正13年発表の「雪の風」は、雪の中にたたずむ女性の姿を柔らかな線と淡い色調で描いた作品。手のひらにフワリと落ちてくる雪に何を思うのでしょうか。夢二が確立したモダンな女性像は、当時の憧れでもあり、今もなお時代を越えて人々を魅了し続けます。
大正15年発表の「花影」では、春の光と影の中にたたずむ女性が描かれています。藤の花の香りをまとい、凛とした表情の奥に希望と生命力が宿る作品は、大正末期の人々の「自由」や「未来への希望」が反映されています。
レトロモダンなデザインの風呂敷や便箋、令和8年のカレンダー、がまぐち、文具、ガーゼハンカチなどの「夢二グッズ」も充実。「港屋絵草紙店コーナー」では、夢二が生み出した可愛らしいデザインの小物たちが並びます。
デザイナーの先駆け:多彩な創作活動
夢二の創作活動は幅広く、図案、雑誌や楽譜の表紙絵など多岐にわたっています。現在のイラストレーター、グラフィックデザイナーの先駆的な役割を果たし、夢二の芸術は大衆文化に広く浸透しました。
大正3年(1914年)、夢二は東京・日本橋に「港屋絵草紙店」を開き、絵葉書や千代紙などを通して「芸術を生活の中に」という理念を実現しました。心の港を意味する店名「港屋」のもと、夢二式美人や和洋折衷のデザインで女性たちを魅了し、大正浪漫を象徴するアートショップの先駆けとなりました。
夢二と音楽:セノオ楽譜の装画
夢二のグラフィックデザイナーとしての才能を語るうえで欠かせないのが、「セノオ楽譜」の装画です。「セノオ楽譜」は、妹尾幸陽が国内外の名歌・名曲を紹介するために出版した楽譜集で、総数は千曲を超えます。
その中で夢二は270点以上の表紙絵を手がけ、斬新でモダンなデザイン、洗練されたレタリング、多彩な意匠など、才気あふれるグラフィックワークを発揮しました。当時の人々はその美しい装画に魅了され、夢二の人気を広く押し広げるきっかけとなりました。
大正7年頃発表の「椿姫」は、哀愁漂う女性像と、儚い愛を象徴的に表現した名作。音楽と美術が融合した夢二芸術の代表作です。
また、夢二自身の作詞による楽曲が24曲含まれ、その代表が大正7年発表の名作「待宵草(宵待草)」です。この曲は11月29日(土)の二胡のミニコンサートでも演奏される予定です。
夢二が歩いた九州の風景:佐賀・唐津も訪れた創作の旅
竹久夢二は1918年(大正7年)9月、九州を周遊しました。博多に上陸したのち佐賀・唐津へ向かい、海辺の町でスケッチを重ねながら、旅の中で得た印象を素直に写しとりました。唐津での滞在は、腰を据えて大作を描くというより、旅先の風景を感じ取り、心の琴線に触れる景色を見つけるための時間だったようです。
その後、長崎の雲仙・島原を経て長崎市に滞在し、永見徳太郎の案内で名所旧跡を巡ります。この経験がのちに代表的な九州ゆかりの作品である版画「長崎十二景」などへと結実しました。
また、夢二は敬愛する北原白秋の故郷・柳川にも足を運び、その情緒豊かな水郷の風景に心を寄せています。加えて、旅の途中には別府にいた恋人・笠井彦乃の病を知るという深い心の揺れもありました。
九州の風土、人々との出会い、そして心に刻まれた想い──それらすべてが夢二の創作の源となり、多くの作品を生み出す重要な旅となりました。
「平戸懐古」は、夢二が大正7年(1918年)の九州旅行で感じた異国情緒を"夢二式美人"で描いた作品です。平戸の歴史と南蛮趣味が溶け合うような和洋折衷の画風が特徴で、旅で得たインスピレーションから生まれた代表的な九州ゆかりの一作です。
特別企画:二胡のミニコンサート開催
竹久夢二展の開催に合わせて、特別なミニコンサートが開催されます。二胡の柔らかな音色とともに、夢二が描く大正ロマンの世界に浸るひとときを楽しめます。
奏者は、中国大連市生まれで福岡県太宰府市在住の王克強(Oh Katsukyo)氏。11歳から二胡を学び、来日するまで様々な演奏活動を行ってきました。中国音楽家協会二胡学会会員、日中友好協会会員としても活躍しています。
夢二自身が作詞した名作「待宵草(宵待草)」も演奏される予定です。
◆「竹久夢二の音語り」
日時:2025年11月29日(土)
第1回公演:14:00〜14:30
第2回公演:16:00〜16:30
※入場無料
竹久夢二 プロフィール
竹久夢二(たけひさ ゆめじ)1884年 - 1934年
1884年(明治17年)、岡山県邑久郡本庄村に生まれる。家業は造り酒屋。
1905年(明治38年)、東京に出て美術を学び、「夢二」の名前で活動を始める。
1909年(明治42年)、最初の著作『夢二画集 春の巻』を刊行。大正ロマンの画家として注目を集める。
1914年(大正3年)、日本橋に「港屋絵草紙店」を開店。独自のデザインで人気を博す。
1916年(大正5年)、「セノオ楽譜」の表紙絵を手がけ始め、多くの楽譜装丁を担当。
1918年(大正7年)、詩「宵待草」が発表され、全国に広まる。
1919年(大正8年)、代表作「黒船屋」を発表。
1924年(大正13年)、雑誌『婦人グラフ』の表紙を手がけ、人気が高まる。
1931年(昭和6年)、渡米し、サンフランシスコやニューヨークなどで活動。その後ヨーロッパ各地を訪れる。
1934年(昭和9年)、病気により49歳で逝去。「ありがとう」を最後の言葉に残す。
展覧会詳細
◆ときめきの大正ロマン 竹久夢二展
【会期】2025年11月21日(金)〜30日(日)
【開館時間】10:00〜19:00
【会場】ゆめタウン佐賀 1階ウエストコート
佐賀県佐賀市兵庫北5丁目14-1
【主催】株式会社Gatou
【問い合わせ】090-9070-7156(白石)
【公式サイト】https://www.gatou-dazaifu.com
【PR TIMES】
心ときめく大正ロマン。「竹久夢二展」を11/21(金)よりゆめタウン佐賀で開催。29日(土)は会場で二胡のミニコンサートも。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000069530.html