<急死した弟のスマホに……>モラルなしの母!ロックを解除してみんなにお披露目!?【まんが】
私は30歳のナミカで、2年ほど前に結婚しました。子どもはまだいません。実家は車で3時間ほどの場所にあり、母が一人で暮らしています。私は3人きょうだいで、わが家の近所に姉(ミサト、34歳)の家族が住んでおり、弟(レン、28歳、独身)は隣県で一人暮らしをしていました。母は弟のことを溺愛していたのですが、その弟が少し前に交通事故で急逝してしまったのです。弟を亡くした悲しみに暮れるなか、母がわけのわからないことを言い出して……?
母は、弟の遺品にあったスマホの中身を見たいというのです。しかし、当然スマホにはロックがかかっています。母は、業者に依頼してまでも弟のスマホのロックを解除して、写真を取り出したいそうです。
亡くなった弟のスマホを勝手に開けたうえ、写真を家族以外の人たちにも見せるなんて発想が、姉にも私にもなかったので驚きました。
「うちには小さい頃の写真はあっても、最近のレンの写真がないからスマホを開けたい」という母の言い分もわからなくはありません。しかし、それでも私と姉は、レンのスマホの中身を見るのは反対です。息子とはいえ、成人した大人の男性のスマホをみるのは絶対やめた方がいいと思っています。
私も姉も母の気持ちがまったくわからないわけではありません。 実家を離れていた間の弟の近影を見たいと思う母の気持ちは理解できます。ですが、だからといって、成人した息子のスマホを見るのは、ちょっとグレーゾーンではないでしょうか。 わが子を亡くし、母が正常な精神状態じゃないのもわかります。でも弟の立場で考えたら、スマホは絶対に見てほしくないはずです。 ただ、母は頑固なところがあります。なんとかして弟の尊厳を守りたいのですが、どうしたらいいのでしょう。
男女関係にケッペキすぎる母「スマホ見ない方がいい!」
私と姉に弟のスマホを触らせるつもりは一切ないようです。
「どこの業者に頼むんだろ? 先回ってどうにかできないかな?」と先手を打とうかと思いましたが、それは難しそうです。姉は「わかんない。もう好きにさせればいいんじゃない」と 諦めモードです。
姉と母は、あまり仲がいいとはいいがたい関係です。生前のレンの交友関係や、異性との交流など、きょうだいの私たちも知りません。
母は、性的なものに対する反応が過剰なところがあります。テレビで胸を強調するタレントが出るだけでも「こんな人は無人島に閉じ込めてほしい」と言うほどです。
亡くなったとはいえ、弟の尊厳は守ってあげたいと思いました。 でも母の手元には、実家を離れたあとの弟の写真はないでしょうし、最近の弟の写真を見たい母の気持ちもわかります。 息子を亡くした親の気持ちは計り知れないものでしょう。ただ、可愛くてすべてを知りたいのは母だけのはず。 だから親戚たちに写真を見せるのはやめてもらいます。 見なければよかったと思う写真が出ても、お母さんには受けとめてもらうしかないとも思っています。
「SNSも見る?」弟のプライバシーを徹底的にあばく母
「自分のスマホの中身を人には見られたくない」と、世の中の大多数の人がきっとそう思うでしょう。自分のプライベートがたくさんつまっているものを、親に見られるなんて、成人した大人ならなおさらイヤだと思います。しかし、遺された母の気持ちも少しは理解してあげなければいけないのかな……? とも思えるのです。
正論をいうならば、亡くなった弟のスマホは開けるべきでないと思います。もちろん弟の名誉のために、というのもあるけれど、なによりスマホの中身をみて母が傷つく恐れがあるからです。
弟のスマホの写真を見ることさえも反対なのに、母はなんと弟のメッセージのやりとりや、SNSまでチェックするというのです。しかもSNSにいたっては、以前から見ていたということにも驚きました。
自分が亡き後、写真のみならずLINEやSNSの中身まで見られる弟が可哀想でなりません。 母の愛息子を亡くしたツラさは想像もつかないほどだとは思うのですが、徹底的に弟のプライバシーを暴こうとする母に、混乱すらしています。 私と姉があれだけ言っても「息子のためにスマホを見るのをやめよう」という発想が一切でてこないことも不思議でなりません。 家族間でもプライバシーがあるのを、母に理解してもらうのは不可能なのでしょうか。
ロック解除!やっぱり……母の想像を絶する写真と女の影
案外、すんなりと開いてしまった弟のスマホ……。でも、その中身はやっぱり母の気分を害するものばかりだったそうです。「だから言わんこっちゃない」と私は内心思いました。
「だから私たちは、スマホなんて開けない方がいいって言ったのに……」そんな私の言葉も、もはや母の耳には入らないようです。さらには、その中でも親しく交流していたとみられる女の子に接触しようとしているのです。
おそらくその女の子はレンの彼女なのでしょう。しかし、彼女は葬儀には来ていません。きっとワケがあってこなかったのだと思います。そんな子に連絡をとって、母は一体どうするつもりなのでしょうか。
私はイヤな予感がしたので、数日後に有休を取って実家へ向かうことにしました。
母は一枚の写真を私に見せてきました。彼女がキャミソール姿で微笑んでいるものです。母は「変態女しかこんな服着ないわよ」と私に言ってきました。 私は交際中の若い男女がこんな写真を撮るのをおかしいとは思いません。むしろ勝手に弟のスマホを開けたうえ、母がイヤだからといって弟や彼女を攻撃するのは間違っていると思います。 母にとって弟は、いつまで経っても可愛い息子なのでしょう。 母は知らないうちに、自分の息子が、大人の男性になっていたことを受け入れられないに違いありません。
「ハレンチ!」彼女を責める母……加速する非常識な行動
なんと母は、うちにきてくれて、線香をあげ終わった彼女に、弟のスマホの中身(彼女との写真や動画)を見せて、これはどういうことかと追及したそうなのです。
親を連れてこいと言われ、「破廉恥」呼ばわりされた彼女は泣きだし、逃げるようにして帰ったというのです。
母の意味不明な言動に、こっちが混乱しておかしくなってしまいそうです。
母の異常な行動は、気味が悪いのはもちろんですが、逆に心配になってきます。私の言うことは相変わらず聞かないので「もう知らない」と帰ってやろうかと思いました。
母はレンのスマホを握りしめ、彼女にしつこく連絡を送り続けていたのです。
母に「レンじゃなくてあんたが亡くなればよかったのに」と言われて、頭が真っ白になりました。 「それを言ったらおしまい」な言葉でしょう。ショックを受けたのはもちろんですが、母の精神状態も不安になります。それに弟が亡くなったあと、母の勝手な行動に弟の人生の最後が汚されたような気持ちにもなりました。 弟の人生は弟のものです。母が受け入れられないからといって、弟の思い出をどうにかしようとしてはいけないと思いました。
「親だからこそ許せないッ!」もう戻れない関係に……涙
なんとかレンの彼女だったユメさんとつながることができました。ユメさんは、母のアカウントをブロックしていました。つまり母は、来るはずのない返信のために、届かないメッセージを送り続けているのです。
そして彼女には、私と姉の連名で謝罪し、何かあったら私たちに連絡するように伝えました。
母から言われた言葉は、この一言の謝罪メッセージで終わらせられない内容だと思ったし、何よりしばらく母とは会いたくないです。
聞けば、姉は何年も前に母を見限ったようでしたし、弟も然りだったようです。
これまでも、母の言動には何度も疑問を感じることがありました。わが子を亡くしたショックで母がおかしくなったと思っていたけど……もう母のそばにいてあげることは、私もできなさそうです。
弟が亡くなるだけでもとてつもない悲しみなのに、母に心をえぐるような発言をされ、なかなかしんどい状況です。 母がツラいのはわかります。 だからと言って、ツラさを振りかざして何をしてもいい、言ってもいいとはならないはずです。 いつか母もそのことに気づいてくれるといいなと思います。 本当は残された家族で手を取り合いながら、弟の死を乗り越えたかったけど、いまは叶いそうにありません。 弟の笑顔や弟との思い出を振り返りながら、弟の死を偲び続けたいと思っています。