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子どもを産まない、欲しいと思えないのは人間失格? 51歳独女ライターの恐怖と願いと幸せ

コクハク

自分にとって最善の選択をしていきたい(写真:mirae.)

 パートナーなしの51歳独女ライター、mirae.(みれ)です。この歳で独身だと「子どもは欲しくないの?」「子どもがいた方が幸せよ」などと耳がタコになるほど言われてきました。
 子どもの話を聞かれるたびに、「子どもを産まないのは人間失格」と言われている気分になってしまうこともありました。しかし、私は子どもが欲しいと思ったことが一度もないのです。

【48歳で「男」を知りました。】

子どもが欲しいと思ったことが一度もない

子どものいる生活が思い描けない(写真:iStock)

 前回のコラムで「1人は寂しいけど無理して結婚する必要はない」と書きましたが、子どもに関しても同じではないかと思っています。

 批判を浴びるかもしれませんが、実は私は「子どもを欲しい」と思ったことが一度もありません。いわゆるの結婚適齢期に、周囲が結婚し子どもを産んでも、自分が子持ちになるのは全く想像がつきませんでした。

 自分が大好きな人の子どもを産んだら? と考えたことは多々ありますが、その生活を想像してみてもときめかず、他人事のようなのです。

 私にとっては、自分が子どもを持つということはリアルな感覚がなく、それこそ、現実味のない漫画やドラマのように客観的にしか感じられない、現実味のない世界のように見えるのです。51歳になった今も変わらず同様です。

【「前回のコラム」はこちらからどうぞ】51歳だけど結婚する気はあるの? “高齢”独女に未来の夫と家族は必要か

「もしかして、私って子どもが好きではないのかも?」「子どもが欲しくないかも?」と思ったのは、妹が産んだ甥っ子に対して「かわいい」と思えなかったことが発端でした。

 それは甥っ子が生まれてすぐ、初めて会いに行った日のこと。妹に抱っこを促されたのですが、“怖い”と思ってしまい、抱くことを拒否してしまいました。

 なぜ小さな赤ちゃんを怖いと思ってしまったのかは、いろいろ思い返してもよくわからないのですが、かわいいという感情よりも、怖い感情が勝ってしまったのです。

 その後も、何度も甥っ子に会う機会がありましたが、彼に対してどうやって接していいのか分からないまま、一緒に遊んだりすることはほとんどありませんでした…。

 さらに、私は彼の誕生日も覚えることもなく、プレゼントを買ってあげることもほとんどありません。血のつながった甥っ子ですら、可愛がることができなかったのです。

自分が子育てをできる自信がない

不安すぎる(写真:iStock)

 ここまで読んで、「子どもを産んでみたらかわいいと思えるはず」「子どもがかわいくないなんて異常なのでは?」という人もいるかもしれませんね。

 そう思うのは、あなたが子どもをかわいいと思えるからでしょう。それはとても尊く素晴らしいことですが、私はこの51年間、子どもが欲しいと思ったことが本当にないのです。

 そんな私が子どもを産んでかわいいと思えるようになるのか?

 それこそ私だけでなく、何も知らずこの世に生を受けた子どもを含め、周囲の人々の人生を巻き込んだ“大きな賭け”になってしまうでしょう。

 たとえ産んだとしても、本当にかわいいと思えるのか? 母性はちゃんと芽生えるのか? 愛情を持てるのか?

 なにもかもが不確定要素で、確信はまったく持てません。自分の子どもに愛情を持てなかったらどんなことになるのか? 想像したらとても怖い気持ちになるのです。

 子どもは生まれた瞬間から“ひとりの人間”ですが、子どもの命を繋いでいくのは、親です。産んでみてかわいいと思えない、愛情を持てないからといって、育てることを放棄するわけにはいきません。

 子どもを産んで育てる“親の責任”をあいまいにし、無責任に産むのは子どもにとって不幸なのではないでしょうか。

結婚も子どもを持つことも“自由でいい”

自分にとって最善の選択をしていきたい(写真:mirae.)

「子どもを産めば幸せになれる」「自分の子どもならかわいい」という人がいますが、その方は子どもを産んで惜しみない愛情を注ぎ、また子どもからもたくさんの愛情を得ているのでしょう。

 しかし、私のように身近で幸せな母子に触れても、子どもを欲しいと思わない人もいることを知って欲しいのです。

 実際に、2024年3月にロート製薬が発表した意識調査「妊活白書」(2023年度版)では、18~29歳の未婚男女400人のうち「将来、子どもを欲しくない」と回答した割合は55.2%に上ったそう。つまり、アラサーの未婚男女の半数が「子どもを欲しくない」と思っているのです。

 もちろん、理由はさまざまだとは思いますが、みんながみんな「子どもが欲しい」と思っているわけではないのです。多様性が叫ばれているなか、子どもを持たない選択肢を持つのは悪いことではないはずです。子どもを産むのか産まないのかも、結婚と同じように自由だからです。

 周りの声に振り回されず、自分にとって最善の選択をすることが、幸せにつながるのではないでしょうか。私はそんな人生を生きていきたいですね。

(mirae.(みれ)/ライター)

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